↓2)改稿.2016/05/02...20160322...
トンネルを抜けるとそこは駄菓子屋の見える通りだった。
こちらのトンネル路から駄菓子屋に向かうのは、凸激には、今日がはじめてだった。
その何となくの夢見感覚に、凸激はぼんやりとしたものを感じた。
その余韻に浸ろうと思って凸激はすこしばかり歩みを緩めた。
‥先に、蛍とれんげが、駄菓子屋の中に入っていくのを見届けると
凸激は、少し離れた位置から、そのまま店の外をしげしげと観察した。
どんなに眺めてみても、こないだ来た時とさして変わりはない。
そうこうしているうちに、店の中から和気藹々とした声が聞こえてきた。
男一匹、女子のそれを聞く度に思うのは、どうやって切り込むのかでもあった。
するとなにやら、茶目っ気たっぷりの一首が浮かんできた。
‥凸激は、店の入り口に姿を見せるや否や、言い放った。
|トンネルを抜けて駄菓子屋 菓子の家 棲みたる魔女は楓姉
「誰が魔女だッ!お前また喧嘩売りに来たのか!?」
お約束にも店から外に届くほどに、楓の落ち着き所の無きむしゃくしゃが返ってきた。
それにはさすがに、店の中で駄菓子を選びはじめ出した蛍とれんげも驚いた。
‥この二人の間に、すでに何があったというのだろうか?
「駄菓子屋、なにそんなに怒ってるのん?」
「・・・怒ってなんかいねえよ、気にしないでそのままでいいぞ」
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