↓3)改稿.2016/11/27...20160518.20160329...
‥凸激は、先日の登校時に
自転車を漕ぎながら、あちこちに桜咲く通学路の景色を見はしたが
多少荷物も有ったし、えっちらほっちらと登り道を行くのに呑気に眺めるなんてどころではなかった。
帰りのバスにしても、まぁ悪くなかったが‥朝の方が、より景色の具合が良いはずと思っていた。
‥そう思えば、まだまだ一学期二日目
凸激の目には、
バスで行く旭丘分校への通学路が、新鮮でわくわくの花見コースに見えていた。
|のどやかなカーブ溢るる山やまの広がり見れる是ぞ田舎バス
|山桜遠くに淡く山に染むかぐわしまじくも心つたわる
|ようようと春を曲がって春の来る道なり続くバス登校
|一台や願ったりの貸し切りの道も貸し切り花見ぞ通学
目的のバス停に到着すると、凸激は運転手さんになにやら尋ねた。
「ねぇ運転手さん、春だけでも良いからさ、バスの天井、ガラス張りにしてよ」
「・・・ははは、それはいいね
でも、予算的にもかなりきびしいんじゃないかな」
「じゃあさぁ、バスの外に何台かカメラ付けてさ
遠くの景色や山桜がアップで、自分の席のところの目の前の画面に映し出されるってのは?」
「いいね!‥それなら普段の観光バスでも、オプション改造だけでイケそうだよ
なぁぼく、それ、おじさんのアイデアってことにしてもいいかい?」
「別にかまわいけど‥俺、山向こうに見えてる山桜がもっと見えたらなぁって思っただけだし」
「そうかい、それじゃ遠慮なく会社に提案しておくよ」
凸激がバスを降りて振り返ると、
蛍が酔ったらしく、後ろに続くれんげに心配そうにされておりてきた。
言うまでもない‥
電子辞書を下に見ていてバスに酔ったのだった。それにしてもれんげの方は至って平気にしている。
「ほたるん、大丈夫なん?」
「‥‥気持ちわるぃ‥で‥す」
「ほたる姉は酔って、れんげはなんともないのか?」
「ウチはなんともないん?」
「(鉄人だなこいつ‥)
じゃ、そこのベンチですこし座ってくか?
なにも先生が先に校舎にいるってわけでもないからな」
凸激がそう言うと、蛍もそれもそうだと思った。
‥べつに無理してまで、登校の時間を気にする必要もない。
生徒の自主性を主体にして成り立っているのが、旭丘分校の実情だった。
蛍は‥気分が落ち着くまで、とりあえずバス停の長イスで休むことにした。
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