向宜詠吟.2016/06/03...20130804...
俺は、優しさで恋愛なんかしないタイプだ
ムードで‥と言った方が適当だろうか‥
かわいいとかな、それもあまり関係ないらしい
若い頃は解ってなかったが、人の顔なんてある程度パターンだ
それでいて自分の好む顔なんてのはその中のいくつかの傾向でしかない
とはいえ‥顔で選んだって長続きなんてしないもんさ
「相手に何を期待するんだ?」
‥期待するんだったら、そりゃ、顔よりも性格だろう
性格よりも生き方だ
でも、生き方だけでは‥なかなかに萌える所がない
結局は「押し」になるんだろうな‥でもな
下心にも、泣いたってな、涙見せたってな
その程度の形勢で押しつ押されつなんて考えないのさ
だから、俺自身も泣き言を恋愛に絡める気はない
‥それが均衡ってもんだ
それでも、そんな偏屈でも、その偏屈が鈍るときがある‥
それが、うれしくなった時だ
浮かれて有頂天になってるって頃合いだろうな
そして、蹴飛ばされるんだ‥つまずくことになる
だって、はじめに自分で定義しているじゃないか
優しさで恋愛なんかしないと‥
にも拘わらず
ええかっこしくも、ここぞとばかりに優しく振るまおってんだろう
羽振りが良いなんて、至ってそんなもんだ
信条に反してるじゃないか
そうだ。だから、蹴っ飛ばされることにもなろう
‥それがお約束の流れってもんだ
恋愛が成立するには、どちらかが折れなければ始まらない
押し役になるか‥
折れ役になるか‥
でないと恋愛は成立しないものだ
なのに、たいていの多くは、
バリアーを張ったままに、自らの恋愛願望を達成させようと立ち回る
そうだ
弱みを握られては、押し役にはなれない‥そう思っている
だから、肝心なことは秘かにしたままに立ち回ろうとしてしまうのだ
ソレで上手くいく場合もあるだろう
‥でも大抵の多くはあとでこじれる
もし、こじれなかったなら、それこそ、儲けものだった事になろうか‥
でもまぁ多くの場合‥
押されるままに折れていて
肝心な事を打ち明けられないままだったりとする‥
そんな場合‥知った側は、逆ギレ気味になるわけだが
そういう意味も兼ねて、優しさだけで恋愛をしていると
‥あとから、自分の器からはみ出した許容を求められることになる
でもまぁ、踏み越えられるだけの支えが伴うなら
それに越したことはない、惚れ直すきっかけにもなろうか‥
問題なのは、そんな場合
‥至って、お互いに課題を抱えていたりすることだ
個人主義も進むと、そこの解決を世間様に求めることもできない
何はともあれ、個人主義とカネ勘定は隣り合った都合でもある
‥先立つものが無ければ助けても貰えないのだ
世間との近所づきあいが縦横無尽に通じ合っていた時代というか村社会では
多少の個々の能力不足などどこ吹く風だった
お互い同士で顔を寄せ合って面倒を見るのが普通だったからだ
それでも世間様に甘えてばかりだと、風当たりも強くなる
だから、そこの塩梅を心得て居るかどうかが大事だった‥
でも個人主義も過ぎると秘め事も多くなり、何かと横の関係も邪険になりがちだ
そもそものいがみ合いのそれにしたって、カネ回りの良し悪しに依るところが多い
‥そこは飢饉等の理由から、傾き始めた村社会の様相そのままだ
世間がそんな空気に包まれていると
無駄に優しさが求められ始めるのだ
そうさ、世間に頼れないから
‥より優れたる価値を旦那女房に求めざるを得ない
‥それはそのままに、より疲れたる関係だ
世間が、社会が、横の関係を大切にしていたなら
尚のこと、個の出来映えに深刻になる必要なんか無い
‥そこに気がついてない有り様に
高望みにも無理を通さ’んと、優しさを軸に恋愛観を立ててみようとも
御陀仏なだけだよ
だってそうだろう、甲斐が無いんだからさ
自分が無理している以上の見返りを求め合っても釣り合いなんかあるわけねぇ
‥そんなこんなで
世間に甲斐性が無いんだったら、誰だってその気にならんだろう
男女があって恋が始まるんじゃない、そこに暮らしがあるからだ
そこでの将来を過ごしたければ、恋にもなるんだよ
地場に腰を据えていないのに、縁談なんかやって来るもんか
地場の命を大切にしてないのに、幸せなどやって来るもんか
> うた詠み終わります、ありがとうございました。