↓3)向宜詠吟.2016/08/14
|流れゆく水の光や川とんぼ 裾野市・寿大学俳句教室
|流れゆく○の光や○とんぼ
一見よく詠めているようでいて、実にツッコミ甲斐のある構成がされている。
とくに○とした部分を欠くと、途端に場所が不明になる。
はじめの○に川を放り込めば、とんぼの種類を放り込めるようになるし、別の季語でも構わない。
|流れ飛ぶ水辺の王者オニヤンマ
|流れゆく河の光や鮎跳ねる
‥なんて具合か
ところで、流れゆくとしているのは、何だろうか?
川だろうか、水だろうか、歳月だろうか、それともトンボの飛翔の光景か?
‥どうしたって全部だろう。
ならば、そこの所の持ち味を引っ張り出そうとしたら「水の光‥」では弱すぎる。
‥なんとな〜く、格好良さげな響きに釣られて、全体の構成を窮屈にしている。
‥水の光といったら、主体は水面の反射そのものになってしまうわけだから
|流れゆく水の光や夏ホース
‥なんて具合か
「流れゆく○の光や」という節の○の中に、背景を置いてしまう勢いがあるわけだから
舞台の主役を次に持って来るという構成になっている。
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