2016年08月14日

【勝手句帳】004 28-8-13 静岡新聞掲載分から

↓3)向宜詠吟.2016/08/14

|流れゆく水の光や川とんぼ  裾野市・寿大学俳句教室
|流れゆく○の光や○とんぼ


 一見よく詠めているようでいて、実にツッコミ甲斐のある構成がされている。
 とくに○とした部分を欠くと、途端に場所が不明になる。
 はじめの○に川を放り込めば、とんぼの種類を放り込めるようになるし、別の季語でも構わない。


|流れ飛ぶ水辺の王者オニヤンマ
|流れゆく河の光や鮎跳ねる


 ‥なんて具合か

 ところで、流れゆくとしているのは、何だろうか?
 川だろうか、水だろうか、歳月だろうか、それともトンボの飛翔の光景か?
 ‥どうしたって全部だろう。

 ならば、そこの所の持ち味を引っ張り出そうとしたら「水の光‥」では弱すぎる。
 ‥なんとな〜く、格好良さげな響きに釣られて、全体の構成を窮屈にしている。
 ‥水の光といったら、主体は水面の反射そのものになってしまうわけだから


|流れゆく水の光や夏ホース


 ‥なんて具合か

 「流れゆく○の光や」という節の○の中に、背景を置いてしまう勢いがあるわけだから
 舞台の主役を次に持って来るという構成になっている。
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posted by 木田舎滝ゆる里 at 14:20 | Comment(0) | 名句にポン/2016 | 更新情報をチェックする