↓6)向宜詠吟.2016/10/26
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眺め遣る棚田の傍やわれもかう 沼津市・千本プラザ「俳句教室」
|蚯蚓泣く茶木の畑に
日の落ちて 沼津市・千本プラザ「俳句教室」
「われもかう」って何を「かう」っていうのでしょうか?
ちっとも分かりません。
‥米なんでしょうけど、棚田を販売所扱いというのもどうなんでしょうね。
蚯蚓(みみず)と読みます。
「蚯蚓泣く」で季語のようですが、実は「螻蛄(けら)の声」なんだとさ。
もはや感性が違いすぎて分かりません。
(ちなみにケラの声は、電子ノイズのように一調子なだけで、ちっとも風流には思えません)
> どうにも納得の行かない二つの句ですが、(直しようがない)
「眺め遣る」「日に落ちて」の響きに何やら感ずる所がありまして
↓‥こうなりましたとさ。
田毎の月(たごとのつき)
|水棚田 月を並べむ山の際
|みち行けば歴史を諭す青棚田
|少しでも多くしたくて棚田汗
|稔りしも姥捨てつらき夕棚田
|とと町さ草鞋を売りに雪棚田
|「お帰り」雪棚田を背に日の落ちて
|棚田畝 直すは苦労せずば心中
|眺めやる逆さふるさと水棚田
|早棚田一差し一差し唄ひつつ
|照棚田 まずはお日様つぎ代官
・水棚田【すいたなだ】‥田植えをする前の日の内に、注ぎ込んでおく為に水だけ引いた棚田。
よく知らないのですが、段取りを想定し
棚田ほど先に水を張っておかないと田植えのはかどらない地形もないかなと思いました。
・青棚田【あおたなだ】‥述べるまでもなく、青田の棚田バージョンの意。
・棚田汗【たなだあせ】‥棚田の場合は、平地の田んぼとは違う必死さが付きまといます。
それでなくとも収量を上げたいと思えば、それこそ隙間にだって稲を差しておくほどだった話です。
‥昔話にあるんですよ。
棚田の100枚目が見つからないから探していたら、なんと笠の下に隠れてたという落ち‥
田んぼ自体が逃げたり盗まれたりするわけもないのに、無くなるなんてありえませんが、
必死さの伝わってくる話です。
・夕棚田【ゆうたなだ】‥「夕田」の表現を見かけないように、別に季語の扱いに入りません。
でも、夕日に映えてる棚田の様子ということです。
・雪棚田【ゆきたなだ】‥雪の積もった棚田です。
冬に稲作はできずとも、風情としては十分に通じます。
・棚田畝【たなだうね】‥棚田の段差の頭の部分を「畝」と呼び、堰の役目の部分です。
冬に雪が降り積もると崩れてしまうので、その度に春になると一から全部打ち直すのです。
そりゃ、大変な労力です。
これが季語に入ってこないというのが不思議で、
やはり俳句と言えども都会の文化だったという落ちになるかと思います。
・早棚田【さたなだ】‥田植えが澄んだ棚田のしばらくまでの様子です。
・照棚田【でりたなだ】‥雨が降らない日々ならではの棚田への面持ちです。
近年ではどこも、一旦水を止めて成長を遅らせて温暖化に対応しているように思えます。
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posted by 木田舎滝ゆる里 at 01:52
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名句にポン/2016
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