↓9)向宜詠吟.2016/11/05
|蕎麦畑の花の盛りを雨叩く 富士宮市・裸子・玉藻句会
|蕎麦の花 見頃に雨の降りしきり 手直し
蕎麦は種まきから収穫までの期間が短く、日本でも三毛作ぐらい余裕でできてしまう穀物です。
なのにその季語は秋‥花も実も同じく秋??
‥よく見ると、花は初秋、実は晩秋〜初冬‥決して同時不可能ではないという曲者役者でした。orz
でも季語に見られる、「新蕎麦」は出荷量も微妙な話で、
現地に行かないとまず口にできない代物かなと‥
普通にその秋に食する多くは、春に種を蒔いて夏に収穫した夏蕎麦なんだろうし‥
実際の秋に収穫された蕎麦は、年越し蕎麦に出回れば‥そこそこに早い方なのだと思う。
ということで、「花の盛りを雨叩く」では、どうにも詩情としては不満なのです。
是こそが、蕎麦にとっての恵みの雨とも思えるわけです。
開花の時期からずっと雨だったなら、そりゃ、実が付かないことにも成りかねないところですが‥
この詠みだけではそこまでは推し量れません。
‥ここはやはり、残念な気持ちを粛々と詠んで整えるのが筋かなと。
|蕎麦の花 空を投げだすひと目ぼれ
|赤蕎麦の花はおなごの心意気
|佇まう山路の蕎麦屋 寄るも秋
|この蕎麦は澄む山すする馳走かな
|帆を揚げて船若衆の汗が散る 牧ノ原市・相良田沼塾俳句部
|帆を揚げて船若衆の汗ぞ風
なかなかの目の付け所です。でも「汗が散る」では、どうにも捻りが足りて無いようです。
‥あれこれ思い廻らしてみたところ、ふと気がつきました。
「風」が欲しい!、風が吹かなきゃ仕上がらないという事でしたとさ。
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