↓9)向宜詠吟.2016/11/20
|楊貴妃の眉はさにあり夕月夜 掛川市・鴟尾の会
|楊貴妃の眉はさにあり夕月夜 をる傾城の闇とよぶらし (るる訂正:2016/11/27)
*傾城【けいせい】‥その美貌で以て主をたぶらかし城や国を傾け滅ぼす意。美人。遊女。
「楊貴妃の眉はさにあり」‥楊貴妃の眉はあんな感じなんだろうな。
‥ここで見る夕月夜が、どんな月なのかが解っていないと理解不能に陥ります。
考えること暫し
1、「月は東に日は西に」としたパターン。
2、夕方前から‥月が西空の上方あたりから仄かに姿をのぞかせ、暮れる頃にか細く輝くパターン。
3、卑弥呼が死ぬ時に‥沈みながら日食となったような極希なパターン。
ここでは2が想定される。(普段に見たことの覚えが無い‥OTL)
‥まぁ気がつかないでいるとすぐに沈んでしまうパターン。
‥太陽との角度を考えると、新月寄りの形の月という事になります。
ここではその細ましき月の輝きを、楊貴妃の眉に例えている詠みです。
さらに、すぐに暮れて闇に沈む様を傾国の美女になぞらえて+七七に詠み足してみました。
|虫時雨楯なす空地の草の丈 掛川市・鴟尾の会
|虫鳴夜闇なす土手の草の丈 心ゆくまでしみじみと聴く
「虫時雨」‥まぁ基本、朝か昼か夕か夜か分かりません。その辺使いづらいです。
「楯なす」‥隠れているという意味合いだとは思いますが、捻り不足だと思います。
‥それもこれも、季語としての「虫時雨」の意味合いが弱いからだと思います。
> それにしても、「草の丈」ここの着眼が鋭いですね。
+七七にしてみた時のインパクトがとても奥床しい、茶室に添える花の印象です。
季語を引き立てるに、脇役たる花鳥風月仕込みのお手本のようです。(ごちそうさん)
※ 「空地」のイメージは個人差ありすぎます。
‥どちらかという「更地」ですが、どちらも字余りになるので「土手」にしました。
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