2017年02月25日

【勝手句帳】083 29-2-17/2-18/2-21 静岡新聞掲載分から

↓6)向宜詠吟.2017/02/25

|初御空富士凛と聳てり       静岡市・SBS学苑パルシェ校「すんぷ俳句のひろば」(2-17)
西空に満月残し初日の出      沼津市・東部葵十期俳句会(2-17)

|富士ましろ凛と向き合う初御空 西に残月東に日の出


 *聳える(そびえる)下二[そび・ゆ]

 ‥「そびえてり」、意味不明です。それを云うなら「そびえたり」です。

 どうしてそうなった?‥書き起こし(編集側)の脱字でしょうか‥
 「そびえて居り」の省略形のつもりなら踏み込みすぎです。
 (動詞を意味不明の助動詞風に格下げしてどうするんですか!?)
 (俳句詠みには、どうにも無謀な省略表記が多すぎる)


 ‥それにしても、「富士が凛として聳えている‥」
 ベタすぎるというか、ストレート過ぎるというか、それはそれで悪くない姿勢であるにせよ
 対象が対象だけに、上から目線にも見えてきてしまう所は痛いところです。

 「富士の山は、誠以て立派である。」

 ‥普段から斯様に人に説く御仁は居りますまい。(まるで偉そうです)
 この句はそれと同じことをやらかしていると‥(しかも脱字ともなれば、倍に恥ずかしいのです)


 ‥「西空に満月残し」、古来よりそれを「有明の月」もしくは「残月」と表現していますが
 それにしても、満月にあることが前提になっているわけではありません。
 さすがに、満月のまんまるを維持して見られるかは、太陽との角度からして想像し難いのです。
 仮にその様な類い希な光景を目にする機会を得たというのなら、
 それはそれで‥「この程度の詠みで良いんですか?」‥との見られ方がされるかと。


> というところで、まだまだ推敲過程の二つをドッキングさせてみました。


 ‥いわゆるアレのパクリにも見えますが、富士山から見た正月の光景としては有りです。
 それであれば、富士の山が凛とし直す姿勢も改めて有り得る感覚ですし、
 元日の御空に、三方相対した光景が如何にも互いの挨拶回りの姿に思えます。
 誰だって、姿勢を正してしまう初御空ということです。
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posted by 木田舎滝ゆる里 at 22:45 | Comment(0) | 名句にポン/2017前半 | 更新情報をチェックする