↓9)向宜詠吟.2017/03/25
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木洩日の木々に遊びて鳥の恋 掛川市・かざぐるま句会(3-18)
|春こしか木々に鳥な戯るもピーチクパーチク花ありてこそ
‥ネタの句は無季ですが、季節感としては春のつもりなんでしょうかね??
‥でも「木もれ日」の印象は、どちらかというと初夏頃からです。
通常、葉と葉の間からもれてくる光を木もれ日といい、花と花の間からもれてくる光を指しません。
そもそも春をよく観察してみると、うす曇りの日の方が多いので、木もれ日ほどの印象には無いかと。
(初夏の装いを以て、鳥の恋の詠みというのも変です。卵を産める時節は変わりませんから)
> もう春が来たかのように木々に集まる鳥らが恋に盛り上がろうにも
> やはり、ピーチクパーチク語り合うには桜が満開に咲いてないとなあ
> (人の暮らし向きにしたって同じだろうに‥要となるべき土台が疎かでは始まらないのだよ)
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霊峰の源兵衛川よ桜の芽 三島市・炎環三島富士句会(3-17)
|見上げれば源兵衛川に桜の芽 たけなわ近し春ぞいとけし
‥どうして近隣の小川の桜の芽を詠むのに、「霊峰」を盛らにゃならんのよ??
富士の湧き水を意図させるにせよ、それが「桜の芽」と何の関係があるんだか‥
「主役は季語なんだよ、分かってますか?」
‥ここでの源兵衛川は脇役だし
そのまた霊峰の湧き水なんか‥それこそちょい役だよ。
それでどうして「桜の芽」の風情が伝わるよ。
キャスト揃って写真撮るにしたってさ、それだけだよ。
> 「桜の芽」に関した様子は何にもない
‥ちなみに
「芽」と表現した途端に、「花芽」と「葉芽」の区別が意識され
必ずしも「蕾」を意図しているかどうかは定かには無く、何らかの説明足しが欠かせません。
手直し&引っ張りのような雰囲気が揃ってようやく‥「蕾」らしいと判断される程度かなと。
(「桜」とあるので、桜の場合は、花芽が先なのは当然ちゃ当然ですけどね)
> ふと何気なく源兵衛側の散歩がてら、桜の木を見上げたら
> 桜の芽が膨らみはじめて来ていたよ
> この辺りが開花するのももうじきか、ああ春ってほんとこちらまでが無邪気になるよ
|青空が好きで見上げる
春帽子 静岡市・虹の環句会(3-17)
|青空が好きで見上げる春帽子 たんぽぽラッシュの風に乗り
‥ネタの句の着想は、どうしたって詩であって、俳句としてはざっくりです。
そもそも自分のことを指しているようにも見えないのが、ここでの「春帽子」です。
どちらかというと、印象的に添えられている感じが強いのです。
つまり、客観的な向きが前に出てしまい、主観には成りがたいのです。
たしかに上五・中七と主観の言い回しにはあるのですが
‥その勢いも、季語にすっかり食われてリセットしちまっています。
> その意味において、実に不思議な余韻です。
‥ということで、空想的に引っ張ってみました。
> ああ、タンポポがすっかり綿帽子になっている
> まるで青空が好きで待ち焦がれているかのようだ
> そんな時分に吹く春風に、次から次へと綿帽子が飛んでいく
> まさに、この風に乗るべきと焦がれた青空へと飛んでいくのだなあ
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