2017年03月29日

【勝手句帳】089 29-3-24/3-25 静岡新聞掲載分から

↓9)向宜詠吟.2017/03/29

|川面はふの薄らぎ早桜           浜松市・三ヶ日俳句研究会水鳥発行所(3-25)

|桃林やうすらぐ靄から現れき ここはいずこか夢見たる里


 ‥ネタの句は、靄の薄らぐ光景の中に早桜があったと・・
 この早桜が、どうにも「川面」とあるので河津桜のことらしい。

 ‥「ほう」「へぇ」と、早起きしてみた甲斐の着目は悪くない

 ただ、「靄」と「桜」ではまったく以てピンと来ない。
 河津桜とあれば濃き印象にもなろうが、ただ桜では、靄同然に薄き印象だ。
 そこで、桃にして引っ張ってみた。所謂、桃源郷の趣である。




|日を背なに垂るる釣糸日永し         沼津市・潮音波光句会(3-25)

|日をせなに垂るる釣り糸春の海 わらう桟橋ポーズ次々


 ‥「日永し」でくくっては、そこが海なのか川なのか池なのかすら分からない
 そんな案配になろうなら、ざっくり「春の○」と盛ってしまえというものだ。

 また

 周りの様子の一つも無しに、自分の背中一つだけ見せて「日永し」のくくりでは、
 自分一人だけで釣りをしているとした雰囲気盛り盛りで
 ‥句としては、どうにもつまらん。

 (如何にもマニアながらのポイントで釣りをしていますと、語りたいかのようでもある)




|碧天へ相輪の風光る            浜松市・三ヶ日俳句研究会水鳥発行所(3-25)

|碧天へ相輪の風光る道 仏に学び仏を擱かむ


 *碧天(あおぞら)‥とでも読むのだろうか?
 *相輪(そうりん)‥仏教で、塔の上に飾る輪を束ねた飾りのこと。
 *擱く(おく)‥D途中でやめる。中止する。中断する。
         ここでは、自分の道を選んで進みはじめるぐらいの意。


 ‥ネタの句の「塔」の二音には、何の気持ちも意図も無い。(音数埋め)
 しかしまぁ着目はなかなかどうして‥「風光る」にピッタリか。

 学び学びといっても、何も専門家になるために学ぶわけではない。
 仏教だろうと同じことで、学んで何処を目指すかは自由である。
 ‥もっとも仏教の場合、「悟り」の言葉に惑わされて、挫折&居残り組も多いわけだが


> 「挫折上等!」‥其もまた仏教、もとい人生ということです。
> ‥挫折してみないとね、掴めないこともあるわけですな。


 (そもそもの仏教が、挫折の賜みたいなもんだし)
 (‥集まってきた弟子たちにしたって同じだったろうさ)
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posted by 木田舎滝ゆる里 at 23:03 | Comment(0) | 名句にポン/2017前半 | 更新情報をチェックする