2017年04月22日

【勝手句帳】096 29-4-14/4-15 其の2静岡新聞掲載分から

↓5)向宜詠吟.2017/04/22

|旅立ちはさまざまな事桜舞ふ         焼津市・いせぎ句会(4-15)

|旅立ちは様々なこと花巡る 背中押しつつ引きとめる風


 ‥ネタの、下五の「桜舞ふ」の括りの込めようは
 単なる心象風景のまんまで、全体の輪郭まで見えてきません。

 様々な事柄も同時に浮かんでいるとの着目にあるので
 様々なことには好いことばかりでも無いわけで
 そこのバランスを考える必要があります。


> ‥そのような二極性が絡む場合には
> 単に思い起こされるとして、軽めに的を絞る感じで攻めてみるのがコツです。


 花であっても、咲くこともあれば、散ることもあるわけです。
 そこの両方のニュアンスを、様々な思いへの二極性に重ねて、どう表現するかがポイントでした。

 ‥そしてそこには

 未だ離れたくない気持ちもままあるわけです。(着目にしたなら当然)
 そこがサッパリしている性格or事情持ちなら、斯様な情緒を詠むには至らないわけでーす。




|峡を縫ふ宅配便や春浅き           富士宮市・裸子玉藻句会(4-15)

|峡を縫う宅配便や春の雲 都会の空気の往きかいて


 ‥「春浅き」では、今年の遅い春の事情にとらわれすぎかなと
 まぁ日記としてならありですが、普遍的な日常を感じさせるには不足です。

 ‥「峡を縫う」とあるので
 どう考えたって、宅配が来たのではなく、
 宅配のバイクなり車の走っているところを見かけたとの印象です。

 そしたら、あれですよ

 峡での暮らしなら、「どこのお宅かしら?」「何を注文したのかな?」なんて
 人口密度の高いところとは違って、ご近所さんの顔がちらついたって不思議はありません。


> ‥そんなところを


 「春の雲」とおぼろに盛った方が、
 峡の暮らしののんびりというのか‥春先の穏やかさというのか‥
 雰囲気が醸し出されるように思われまーす。

 (まぁ住んでみたこともないので、妄想に近い発言で申し訳ないのですが‥)
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posted by 木田舎滝ゆる里 at 20:37 | Comment(0) | 名句にポン/2017前半 | 更新情報をチェックする