記稿.2019/05/24
‥実写映像とデジタルアニメには大きな違いがある
どんなに光の反射計算をやってみたところで実写には遠く及ばない誤差がある
それは、地球が回っている分までを計算できかねる点である
お陰で実写映像は、デジタルアニメほどに単純に無く
ビットレートが増量されやすく、高くすることが容易ではない
‥では、暗室で撮影されていた昭和アニメはどうかというと
まず、セルの塗りむらがスキャンに反映してしまう弱点がある
その他撮影ノイズが映り込んでいたりする(セルの反射分からの映り込みだってあるだろう)
細かく言えば、撮影用のライトの揺らぎが映り込んでいる
‥などなど、下手をすると特撮映像より圧縮効率が最悪なのが実際のところだろう
3コマ撮りという如何にも圧縮しやすそうな技法を駆使してあるというのに
どうにも思い込みになりがちなのが3コマ撮りの事情である
> ‥とした差はあるが、どちらも実写と云えるフィルムに記録されていた点は同じだ
では、最近のデジタル実写はどうなのかというと
文字情報を書き込むのが前提である
それはそれで、圧縮しやすい部分と言うことになるが
全体で見るとそうでもなく
ビットレートの割り当てを文字の分ぐらいはほどほどに加減するという事でも無いことから
だから
ビットレートを高くしすぎると、文字の部分がアンバランスに見えたりするのだろう
そういう意味で文字周りを保とうとすれば
すべての前提を、平板である文字とのバランスに集中せざるを得ない
それはフェードだったり、ズームだったりと
文字に複雑な動きをさせればさせるほどに、怪しそうである
例えその実写作品に文字を盛り込む予定が無いとしても
ニュース等で使用されないなどを前提にできないことから、無理はできない
できるできない以前の話として、作品の方の内容がBDに収まりきらなかったりする
結果、文字の見映えのバランスに即した程度の品質に落とさざるを得ない
その点、デジタルアニメは、文字の動きなどからの違和感を避けて色付けを仕込める自由度が高い
そこの違いにはっきりと気が付いている御仁は少ないように思われる
> ということからも
> デジタル実写と言えど、デジタルアニメほどに高いビットレートを盛れない構造になっている
‥そんなこんなの事情は、品質で表現するとCRF(15)が適当に思っていたのだが
夕澄の夢にてCRF(14.5)を宛がってみたところ
JPEGノイズからの呪縛が解き放たれたかのようにスッキリとした画に仕上がってくる
それ以上に宛がうと、フィルムグレインが増幅されすぎて荒れ出す傾向だ
(DVDの品質だとそれがわかりやすい)
> CRF(14.5)ともなると、720pサイズと言えど、巷に転がる1080p程度の容量になる
> そりゃその辺の1080pよりも見映えで劣らないどころか
> JPEGノイズの呪縛から解き放たれた分の印象は強みだろう
> HEVCに換算したってCRF(16)の範疇だ(相当の画質であることに間違いない)
‥で、DVDアニメの3コマ撮りサンプルを444の10ビットだしから二度揚げを試みたところ
540pだとDVDと比べるとずっと好いのだが、時間を掛けて再エンコードをした割りには
多少の色の歪みが生じる箇所に出くわしたりと、ぶっちゃけBT-601の内容でしか期待できない
では、576pではどうかというと
CRF(14.5)ともなると実写では色の境界にぎっちぎっちとした雲行きがまばらにでてしまう
アニメだとそれ程でもないのだが、とにかく怪しい境に思われ
ここまで来て解像度を下げて対応しちゃうなんて有り得ないとしたジレンマがつきまとう
(BD-ts(アニメ)ではそこまでの印象は無いのだが、実写やDVD-VOBからだと無理があるっぽ)
さらに
DVD映像の場合、BDと比べれば遥かに低品質にあることから
夕澄の夢における参照距離(3)は、Bフレーム(3)止まりであることが判明した
(4)(5)と欲張っても期待される質は望めない
‥「まんが日本昔ばなし」の再エンコードを試みようと思っているのだが
夕澄品質を目指すと25分ものは、1〜1.5GB(音声込み)の範囲に収まればラッキーで
昭和3コマアニメは、それ以上を越えやすく、どうにも揚げ太りする雲行きである
‥それも23.976fpsに落としての予想である
夕澄の夢のキーフレームサーチの値が効いているのかどうかは定かに無いが
XMedia Recodeで
「はじめ人間ギャートルズ」VBR29.970 fpsを、CFR23.976fpsで試みたところ
思っていたより上手く仕上がった
一分間あたり平均2秒分ものコマ数が削減されていることから
普通に29.970 fpsで出すと、パンでカクカクしてしまっていたが
ジリっジリっぐらいの想定内に収まる傾向を確認した
(だがそれにしたとて‥再エンコードに意味はあるだろうか?)