2022年02月19日

【詩】ぼろ雑巾の心得

向宜詠吟.2022/02/19


雑巾こそは勇者である

毎日毎日、みすぼらしい姿に変わり果てつつ(満身創痍)
なんだかんだと見映えとしてイマイチなのに(老兵)
すっかりと片付けてしまっては、こちらが困るとばかりに

厨に食卓の上にと最前線に置かれてある
まさに、雑巾こそは勇者である

その評価は、三つ星料理長より上に讃えられるべき姿であり
終には、潔くポイ捨てされてしまう姿にしても
こちらの頭が下がるばかりで、向かう所敵無しに見える


まさに、雑巾こそが、勇者の中の勇者なのだった


三つ星料理長とて
まず一番に学ぶべきは、常に雑味を取り除くとした綺麗にする心掛けであり
美味しい素材の知識を覚えることでも、マージンに適うように腕を磨くことでもない
そもそもにして、綺麗にする心掛けに乏しき料理人など、澄んだスープづくりをやらない貌の如しだ

だがしかし、世の中にはぼろ雑巾に成り果てたいとした願望は低い
せいぜいが三つ星料理長止まりで満足げにある
そこまでを以て、幸福の創造などとイキがっている

その挙げ句の結果が、少子化だ(世界中でそうなっている)

まるで、ライバルは少ない方が良いとした本能を働かせて‥そうあるかのように
食卓に座る頭数が減り一人ともなれば、それだけ雑巾で拭くとした所作からして朧になりがちだ

そうではない、己を他人とした見立ての中にこそ、他者への気遣いを育む土壌があるのだ
そこには、ダラダラと贅を貪るとした欲を薄くして、おもてなしとした姿勢があるばかりだろう


その第一歩こそが「雑巾」なのである
そして、真の勇者たる結末としての潔く去るとした姿をも体現してあるのが「雑巾」なのだった


「つまり勇者とは、雑巾にて始まり、ぼろ雑巾にて終わる者らを指す」

─ 其に、至福を見出すか否かは貴方次第ッ!!! ─



> うた詠み終わります、ありがとうございました。



posted by 木田舎滝ゆる里 at 14:29 | Comment(0) | | 更新情報をチェックする