ポイント2…中国人の結婚には家が付きもので、持ち家の無い男に嫁ぐ習慣がない。
これは多民族国家であり、かつ、格差の激しい国家でどこまで共通しているのかは知るよしもないが、富裕層や経済圏において常識のようである。
ポイント3…持ち家を買うのに中国人はローンを組まずに一括で買うのが常識のようである。これはつまり、逆から見て、ポイント2との絡みもあり、持ち家を担保に第三者からお金を借りるような習慣も根付いていないと予想される。
以上、ポイント1から3までを吟味するだけでも、中国での土地バブルが仮に弾けたところで、富裕層や企業が高値で買っただけという見栄と不動産会社周りで損失が多少出たぐらいの話にしかならない。
これは、資本主義社会で俗に問題とされる、住宅ローンが払えずに首を吊るような感覚が始めから防止された国家・国民体質にあることを意味する。
そしてここを信用創造の面から見れば、中国政府がバブルを可能な限りバブらせておいてから、一気に住宅価格を崩壊させたとしても、富裕層にしてみれば、手にした物件が値下がりしただけのことであり、担保入れで住めなくなったわけではないし、中堅層にしてみれば買い時に映るだけのことである。企業にしてもそこは変わらないだろう。
もちろん経営の行き詰まりによる入れ替えは起こるだろうが、全体的な競争数の桁が違うわけだから、入れ替えが生じた程度で収束されると思われる。元の切り上げがなされない限りそれは続く‥。
つまり、住宅ローンを組む習慣がない+結婚には持ち家が必要と言う内容は、信用創造の課題とされる発行資金の回収(インフレリスク回避)と、その後の再発行のサイクル(デフレリスク回避)が同時に成り立った風習とも言える。
そもそも、土地の所有権ではなく使用権という建前も、国家の政策次第で何とかして行くという約束のようなものだ。
いうなら、資金再投入によるバブルをなんどでも期待されているような感覚にある。
ただし中国側がこのようなバブル循環を可能な限り繰り返して行くための条件が2つほど挙がるだろう。
一つは、中国が世界の工場として成り立って行けるだけの通貨のポジションと、技術において世界一を自負しきらない点を維持すること。
もう一つは、国土開発における限界領域である。
少なくとも、中国という国家経済は、通常の資本主義経済の在り方よりは、3倍以上のタフなバブル循環体質を身につけていたと思われる。
結果、このような特徴があったがゆえに、リーマンショック後の中国経済はどこの国よりも迅速に回復してしまったという落ちだ。
それにしても、住宅ローンという習慣を持たずに、3億人もの人達が持ち家やマンションを買えていたとはとてつもなく驚嘆である。
‥といっても細かいところを見れば疑問は尽きないわけであるが、実に奇妙にある。
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