2010年09月05日

【日記】俺と甥s

1-6)改稿.2015/08/21...201009&201012...

> 俺は人生の半端者で、立場なんて何もない人間だ


 ‥そんな俺の所に、結婚した妹が男児をもうけてやって来た。
 喜ばしい話なんだろうけど、俺の態度は微妙だ。
 立場のまるでない人間に、どうやって顔を合わせろと言うのか‥

 ちなみに俺のその辺の考え方は極端で、妹の旦那にも顔を合わせていない。
 その点からして、顔を合わせる順序が違うだろうとの意識がある。

 そんな俺の選んだ行動は、シカトだった。

 自分に無理をする必要はない。
 妹の旦那にも顔を合わせてもいないし、だからそうした。
 連れてくる度にそうした。だっこなんてしないぜ。
 甥が‥生まれたばかりのくせに、やたらとデカく感じられたこともそれを押した。
 (‥サイズは次第に小さめになった。なんでも少食ということらしい)



1-6)1

> それから12ヶ月も経った頃にまたやって来たので、気まぐれにも接触を試みた。


 そしたら、赤ん坊のくせにガンを飛ばしてきた。
 俺のことをじっと見ている。

 ‥俺も、とくににこりとする様子も見せずに、じっと見ているだけだったが、
 向こうはどう判断したらいいか判らずに泣き出した。
 (察するに、わけもわからずに叱られているように感じたんだと思うな)


> 赤ん坊の夏痩せというのに関心が湧いたのがその成り行きだった。


 ちょっと前までは、遠目に見てもポコちゃん似だったのに、
 近くで見ると、やばいぐらいに肉がね―じゃん。
 ‥そのげっそり感が、また一層にガンを飛ばしているよう見えたわけだ。

 その反応になんとなく、赤ん坊のくせにすでに自尊心みたいなのがあるんだ‥と思った。

 はじめてシカトしたときも、つまらなそうな顔してそっぽ向いてたしな。
 たぶん、にこりとしてよく笑うような赤ん坊でも同じなのだろう。
 ‥むしろ、にこりとしてばかりの赤ん坊では判らなかったと思う。
 (まぁ人なつこいなら、それはそれで遊んじまうだろうけどな)


 そのあと


 近くで再びこちらの目の前で這い這いしている所を正面から立ちはだかてみせた所、
 ビビって後ずさりしている‥うーん、甥との距離はすばらしいぐらいに離れたな。
 ‥わずか一年にも満たない数度の接触で、それだけの差が起きてしまうわけだ。

 つまり

 毎日顔を合わせていながら、積極的にかまってやる時間が無いともなれば、
 げに恐ろしい因果が起きていることになるな、それが分かった出来事だった。
 ‥子の父に対する苦手意識という奴は、そんな形ですり込まれてしまうのだろう。

 そして俺はその時、

 片親貧乏育ちの父の「我が子にどう接していいかよくわからなかった」という心情がよく理解できた。
 ‥その手の感情が枯れてたって事だな。
 まぁ、枯れてるんなら子なんて設けてんじゃねーよ‥と身も蓋もない激情が俺にはあるが、
 それはそれで自分に対する強い感性があるせいだろう。

 自分に素直に生きると、その手の学習の場が与えられると言うことだ。



1-6)2

> 妹が来る度に、甥をダッコしたまま俺の前に連れてくる。


 ‥はっきり言ってやらなきゃ良いのにと思うが、
 相変わらずの無愛想の俺に対して甥に変化が見られた。

 俺の顔を興味深そうに見ているのかと思いきや、
 顔を横に背けて「ナイ!」の仕草を2回ほど繰り返した。
 ‥どうやら俺に対して「あんたなんて嫌い」をアピールしたようだ。

 ほう、そう来たかい。

 赤ん坊は可愛がるものという考えを無視した行為の結果、得られたデータである。
 ‥まぁ、書いておくべきだろう。別に俺、養育責任あるわけじゃねぇからな。


> 赤ん坊はかまってやらないと本能的にその人を嫌うようになる


 ‥って、エサを貰わないとなつかない犬と同じじゃねーか。
 まぁダッコでOKならかわいい方なんだろうけどな。

 赤ん坊でそれが当てはまるのなら、幼児や少年期ではどうだろうか‥

 ‥考えてみるだけでも、もの凄い精神的ダメージを感じざるを得ない。
 つまり、反抗期と言われるすべてはその裏返しと見て良い。
 性格の良い子を誰もが好きとか言っても、それは結局、育てた存在への評価と言えるわけだ。

 ‥それにしても爺は爺で、孫との遊び方も知らないようだ。
 つまり俺はあれで育ったってわけさね。ははは。OTL



1-6)3

> たまたま、すりガラス越しの扉から見えてた赤ん坊の手に興味を持ち、居間の扉をかっ開いてみた。


 甥は、扉越しに現れた俺の姿を見て、
 まるで鬼が現れたのを見たかのように、「えーん」と泣きながらダッシュで逃げだした。
 しかし部屋にはママは居ないようだ。
 ‥逃げるってどこに逃げるんだい。お前はすかっりお部屋の中なんだぜ。

 まぁなんというのか

 7匹の子ヤギが狼から逃げるかのような騒ぎのアクションに萌えちゃったね。
 3ッ歩踏み出してへたり込んだ感じがさらに萌え♪
 ‥1歳ちょっとの赤ん坊が、本能でダッシュして逃げよとするものだったとは、知らなかったぜ。


 とはいえ、そうとう嫌われているぞいこれは‥
 はっきり言ってそこまで行くと単なる思い込みだぞ甥。

 ‥そこで帰り際に

 ママにダッコされながらも、猛烈にガンを飛ばしまくっている甥に対して、
 手を振ってバイバイをしてやったら、不思議そうな顔をして猛烈に「?」な表情を見せていた。

 「ああ、おもしろ」

 まぁあれだね。いい人しか知らないで思い込んで育つより、
 思いっきり想像力ふくらましてやって下さいって言うのが、俺の態度だ。



1-6)4

> 甥の俺への抗議的姿勢が、更にエスカレートした


 ママに抱っこされて安全地帯に居ると思い込んでいるのか‥
 たまたま、やって来たタイミング的に
 直ぐ目の前に俺は居た。その俺に対して、甥はなにやら一生懸命に変な顔をして見せている。
 ‥どこでどう覚えてきたのか、明らかに嫌がらせをアピールしていた。

 俺は、大人としてツッコんでみせた。

 「誰の真似、その顔?」
 ‥俺がそう言うやいなや、ママがその顔をのぞき込もうとした。
 甥は明らかにあわてている。
 明らかに、あの顔は、嫌がらせ作戦でしたといわんばかりである。

 どうよ。

 叱るも糞もなく、そういうことはダメなんだと理解したようだ。
 ‥それにしても、意外と陰湿な傾向だな。



1-6)5

> 妹の甥が二人に増えた


 その二人目の這い這いの様子が少し変だったので、嫌でも興味が湧いた。
 片足を引きずっていて、猛烈に腕の力だけで這い這いしている。

 ‥悪戯半分にも、這い這いの後ろから脚を抱え込み、どうなっているのかを見てみた。
 そうしたら、もの凄い力で進もうとする。
 面白そうなのでなんだかんだ見ていると、腕立て支持の姿勢になった。
 潰れる様子がないので、さらに体重が掛かるように下半身を持ち上げ気味にしてみた。
 へっちゃらの様子だ‥「へぇこれはおもしろい。」

 長男の方よりずっとやんちゃな口だな。

 ‥それにしてもやられたな。
 長男と同じで癖がなかったらどうしようかと思っていたが
 這い這いの様子が変というきっかけを‥天から頂いたって感じだな。



1-6)6

> まぁそんな感じで、長男も次男に釣られて俺に近づくことになる
> で、こんな事件が起きた。


 俺はお湯を沸かすのに電熱器を使っていた。(沸いてスイッチを切ったばかりだった)
 それに、次男の方が興味を示した。その表情に「やべー」と思いつつ
 長男が声を掛けてきた隙を付かれて、案の定、即行でかわいい手のひらに火傷を負ってやがる。

 べそが大泣きに変わった。

 で、結局、長男の方と二人で留守番をする羽目になった。
 「超、めんどくせー。」


 俺はとりあえず、長男の方は、思いっきりアナログなタイプで
 デジタルな付き合いは受け付けないと言う事を、
 何気に貸していた玩具を通じて、その反応を理解していた。


> そりゃもう‥おもてなしでございますよ。


 まず、コピー用紙を正方形に千切って、折り紙で爪を作って
 「ガオー」とか風に遊んでやったら
 ‥今までの分がぶっ飛んで、ほの字になってやがったよ。

 ああ、いいよね単純で
 それで、嫌いが好きになっちまうんだから、幼児ってお得だよね。


 ‥それでもまぁ、一度植え付いた苦手意識というのは
 記憶の根っこにこびり付くことに変わりはない。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 02:46 | Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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