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【問】:金融革命の鍵を握ると言われる市民ファンド、はてさて如何な方向性として解釈しておくのが宜しいのでしょうか?
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市民ファンドの仕組みが大雑把にNHKで紹介されていました。
それによれば‥少額の一口三万円の融資を投資家から集めるとします。それを被災地の資金を必要とする所にピンポイントで提供します。その提供の在り方がかなり変わっていて、ファンドが前払いとして融資枠から給与を支払うという形を取ります。
一見ピンと来ませんが、支援という意図が大きく、元金の返済を求めない仕組みとなっており、その代わりとして、投資家への返礼のような形で、生産物をお届けするという‥投資ファンドならぬ支援ファンドと言ってしまった方がよさそうな在り方なんだそうです。
しかも、返礼に求められる生産物の納期が指定されておらず、支援先のペース次第というなにやらもの凄いサービスとなっています。
それもこれも、そこで紹介されていたファンドの前身が音楽のクリエーター発掘のための投資ファンドだったことに由来しているとのこと。素人新人への音楽創作に求められる制作期間と成果に対しては、投資家もとやかく言えない部分がありますから、そこの理解を被災地の支援に結びつけた形のようです。
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しかし、疑問があるとすれば、この手の営業はどこから給与分の資金を得ているのかという所です。紹介では、投資家から資金を集めるときに手数料を取ると説明していました。
でもそれは、手数料を取るにしろ、一口いくらの枠の中に保険業界と似たようなマージンを忍ばせておくにしろ、元金の返済義務が無ければ同じになってしまいます。
その点に不可解が付きまとうばかりです。
人から集めたお金でまず、自分たちで運用して、そこから得た利益だけを自分たちへの報酬にできると思うのが一般人の感覚だと思います。
そこをあからさまに、{投資}={必要人件費}とし、集まった資金からダイレクトにその一部を給与に充て、後で辻褄を合わせるどころか返さなくても良いとする概念は、どことなく税金と同じくする権限の在り方に映ります。
保険業界の商品でさえ、満期に利息を付けて返済する物もあり、借りたものを返す筋目が見られますが、市民ファンドの元金返済を必要としないルール導入は、まったくもって怪しいとしか言いようがありません。
> なんにしても、税金と同じように資金を集めて返す必要もなく、社会保障の如き行いをしているともなれば、これではまるで行政権限の代行ではありませんか!
> いつからそこまでの権限を選挙もせずに、難関試験も受けずに、国への登録だけで市民が行えるようになったというのでしょうか?
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しかし、昔からその手の唯一の例外的な存在が居るのもまた事実です。
> それが宗教団体です。
国に税を免除され、布施で集まった資金は使いたい放題の有様です。
市民ファンドの在り方は、金融の類に属するファンドではなく、とくにお金の運用の在り方は宗教にそっくりだと思います。
人のためとして寄せられる宗教への寄付との比較をしてみれば一目瞭然です。無論、宗教団体の資金運用に信者との話し合いなどございません。その点、市民ファンドは投資家への説明を、支援を求める側が直に会場で説明を行い、市民ファンド側はあくまで窓口です。
そこにある人と人を繋げる能力は才覚そのものですし、その才覚に対して文句を言う人もいないと思います。
> そしてそこにあるべき姿勢は、行政機能の代弁としての宗教そのものの姿です。
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【結論】:市民ファンドとは、金融の類に属するものではなく、布施に民主制を導入して登場し得た、新たな人助けのための宗教に位置すると捉えた方が魅力的である。
> しかし、当方としては、こんなのが登場してくると、「行政とは何か?」を改めて考えざるを得ず、自治と金融の合体を丸々公務にしてしまうだけでいいのだろうか‥という問いかけに到るのであります。
それにしても「仕事って何だろう‥」との素朴な疑問さえも、市民ファンドの在り方を分析してしまうと、{継続力と自立性を養うための人のための両方}が成り立っていれば、他人から集めたお金からでも直接マージンとって返さなくても良いんだって、改めて思わされますね。ある意味、やばい意味での目から鱗です。
ゆえに、こういうのは一時的に(社会基盤の足下が自立できるようになれる間)だけ、もてはやすぐらいが良いのであって、金融革命の鍵を握るとかの冠詞は付けない方がいいと思います。借りたものを返さなくて良い価値観の普及はバットだと思います。
あくまで、そこに需要と才覚があったからこそ許されるの類なんだと思います。宗教団体だってマンネリ化してしまえば、ずたぼろですからね。
> そして、そんな仕組みが慢性的に求められる社会要因があるとするならば、それこそ国家が主導でやるべき改革事だと理解します。
2011年07月25日
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