2012年07月25日

【TV】信用創造、Eテレ番組で紹介される

1-4)改稿.2015/08/21...20120725...

 オイコノミア「貯金したって意味がない!?」(後編)

 出演:又吉直樹
 講師:大竹文雄(大阪大学教授)



1-4)1

> 舞台は日銀の紹介からはじまった。


 日銀金庫内の広さ、1426m平米(野球のダイヤモンド約2個分)
 ‥その金庫心臓部には、本物ではないという説明で
 ラップの掛けられたままの額にして一千億円分の札束が、
 これまた仰々しく鉄格子向こうの区画に管理されている映像を紹介。
 (※ 3分30秒あたりから)


> ‥あれが、ベンジャミン・フルフォードが俗に語るブルーバックだろうか?


 ‥怪しい光景に思えた。
 ちなみに、1億円分の札束の重さは約10キロとの説明。



1-4)2

> そんな振りから、話はいきなり本題に入った。


 世の中に出回っている金額、83兆9000億円。(2011年末時点)
 日本の家計の預貯金残高 783兆円。

 これをネタに、お金の正体、信用創造の話を切り出す。(※6分30秒あたりから)

 ちなみに、日本の家計の貯蓄総額は、1400兆円である。
 (※預貯金及びそれ以外の金融資産も含めた金額。)


 これは、1400兆円規模のお金が動けるだけの余地を残しているというのに、
 手元資金はそれの5.99%程度にしかあれていないという怪しい内訳。
 ‥預貯金783兆円で計算しても、10.71%台である。

 この10%の内訳を用いて、

 預けられたお金が順繰りに、教科書通りの
 貸して増える→預けられる→貸して増える→預けられる→・・・を
 繰り返しながらお金が創造されていく様を説明。


> ただし、発行権と金利の文言は一切無し!!


 これの話の前提には、企業間の支払いの多くが信用払いにある点が挙げられる。
 (‥お金を直接的に扱わずに、契約書類の対象となる現物は何かという内訳)



1-4)3

> ‥で、番組側がまとめたクリップ↓


 「信用創造とは、日銀から発行されたお金をもとにどんどんお金が創造されいく」

 日銀の発行額 < 世の中に出回るお金 = 全額負債

 預ける→貸して増やす→預けられる→貸して増やす→・・・
 いわば、実体のない負債のシステムがお金の仕組み。

 ‥その主体的内訳が国債であり
 それにまつわる金利が国民に押しつけられていることを何も語らずに、
 本題をすり替えて、「信用創造が途中で止まったらどうなるか?」に移行。(※10分30秒あたり)


> 其の説明をなぜか、ジョーカーを加えなかった二人だけの七並べに例える‥


 残りカード
 又吉:ハートのA、スペードのQ
 先生:ハートの2、スペードのk

 ‥どちらも先に上がられたくないからパスを繰り返す
 信用創造の本質を理解していると、その光景は単に、
 お金を借りない=預けるお金が無い=出回るお金が滞るもしくは止まった姿でしかないのだが‥
 実際はかなり違う。
 金利の貪りが大きいのだから、
 卓上に並べられたカードすら無い可能性も比喩として考えるべきになる。

 しかし番組では、それをローンを組んで買い物をしない消費者像に例えたいようだ。


> これの問題点は


 ローンを前提に消費者は買い物をすべきであるという金貸しの理屈の正当性だという事である。
 金貸しの言い分は言い分として認めたとしても、
 それが経済原理の絶対であらねばならないという根拠にはならない。
 根拠を示すべきだろう。支配者じゃあるまいし。

 本来なら、ジョーカーは金利の象徴である。

 そのジョーカーを、最後に手にしてしまえば、あたかも破産・倒産の様だ。
 それの説明を一つ飛ばしてでも、行き詰まってしまうのが信用創造であると‥
 そう説明をせんがばかりの意図が、その例えには受け取れた。



1-4)4

> さらにすり替えて(※貸す側の能力不足の指摘が無い)


 みんなが現金を手元にため込むと、世の中にお金が出回らない点を指摘して、
 デフレーションの説明に相成った。

 デフレーション:継続的にモノの値段が下がること。

 消費の冷え込みから来る不景気。
 ‥お金をため込みたい→消費が控えられる→企業の収益が悪化→給料が上がらない→
 家計が苦しくなり消費が控えられる→景気の悪化→ますますモノが売れない→
 値下げせざるをえない→値下げした分企業収益悪化→給与削減→将来不安→
 ますますお金をため込みたい→ますます消費が控えられる・・・

 ↑がデフレスパイラル。この説明で日本語に訳すと「貯蓄過多症候群」になるそうだ。


> ‥で、それの貯蓄過多の内訳を続けざまに紹介。


 世帯主の年齢層別貯蓄の分布状況(平成23年総務省統計局)

 60歳以上 64.6%
 50〜59 17.8%
 40〜49 12.2%
 30〜39  5.0%
 30歳未満  0.4%

 二人以上世帯における貯蓄ゼロ世帯 28.6%


 これの主要因を、
 今の高齢者が、子供の頃に国家的に指南した貯蓄意識の植え付け教育にあったとの説明。
 ‥それにしてももの凄い偏りだ。

 これでは、年金自体が成り立たなくなっているのが一目で理解できるだろう。
 理解できなかったら、それこそバカだ。
 政治家やコメンティターたちは何を前提に年金の話を未だにしているのだろうか?


> 「ふざけるなっww!!!、ばーか。」


 ‥こんな的を外した説明を始めては
 如何に高齢者ウケする商品の開発が重要であるかという下りになる。
 もはや別テーマ。信用創造の中身とは全く関係ない。
 


> で、講師のまとめが‥


 「経済が回っていくためには、お互いを信用するっていうことがすごく大事」
 ‥どうしていきなりそこに飛んだかは、見て確認するべし。

 結果、信用創造についての掘り下げはなく、
 可もなく不可もなしのノープロブレムにまとめ上げられていた。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 23:27 | Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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