1-4)改稿.2015/09/10...20121103...
・信長誕生:天文03年(1534)
・鉄砲伝来:天文12年秋(1543夏)
・分国法である甲州法度之次第を定める(武田晴信):天文16年(1547)
・キリスト教伝来:天文18年秋(1549夏)
・楽市楽座(六角定頼が楽市令を布する):天文18年(1549)
・天下布武の朱印使用始め頃:永禄09年(1564-1565)
・信長が上洛:永禄11年(1568)9月
・信長が楽市令を領内に布する:永禄11年(1568)9月
・信長が布教を許す(二条城建築中の折り、織田信長と宣教師が出会う)永禄12年(1569年)
・長篠の戦い:天正03年(1575)
・安土城(天守完成。信長が移り住む):天正7年(1579)
・本能寺の変:天正10年(1582)
・豊臣秀吉による布教の許可証を発給:天正14年(1586)
・バテレン追放令:天正15年(1587)
(九州平定後、宣教師の退去と貿易の自由を宣告する文書を手渡す。キリスト教の宣教制限を表明)
・刀狩:天正16年(1588)
・小田原征伐:天正17年(1589)
1-4)1
‥キリスト教の布教が
その地を治める大名から許しを得られるかどうかは、宣教師にとって最優先の課題だった。
しかしそれ以上に重要だったのは、
自分たちの持ち込む舶来品または証書取引(為替)で、商売をしてもいいかの中身だった。
もし‥そうでなければ、大名が活動費等の多くを負担しなければならなくなるだろう。
そんな気前の良い保護政策が、はじめから通るわけがない。
だから、キリスト教がOKなら、舶来品での商売だってOKだ。
‥それでなくとも、彼らの手土産を見れば取引したくもなっただろう。(特に鉄砲とか)
> すると
彼ら一行がやっただろう証書信用による期限付き払い(証文転売可能)を見て、
興味津々になった商人や庶民がいたとしても不思議ではない。(外国とそれができる点が大きい)
それでなくても、
物々交換を日常とした村人が、労働対価の銭払いに遭遇することになったのも宣教師だったことだろう。
また、教会に行けば、西洋のご馳走にありつける‥なんて噺もあっただろう。
‥後は申し合わせたように
宣教師をはじめとした西洋人は金持ちだなんて噂が一人歩きすることになっただろう。
1-4)2
> そんな流れから、とある大名がひらめき、執り行ったのが楽市令だった。
その大名とは六角定頼である。彼に関する資料はほとんど見当たらない。
だが、勢力を甲賀の地にまで伸ばした程だから、
‥時代が情報且つ銭次第になる流れを、戦国大名の誰よりも先に理解したことだろう。
自由な市を開けば全国各地から商人が集まってくる。
その中に忍者を紛れ込ませればどうか‥そうすれば、全国の情報を容易に手にすることが適うだろう。
それには、全国から寄り集まってくる商人に対して銭流通を保障してやる必要があった。
> ご存じ‥銭流通の課題はその銭の準備枚数だ。
商人がただ集まってきたところで、物々交換だけにしかなかったら、大名はそこから潤えない。
その裏付けとなる金銀の供給もまた、負って欠かせない話だった。
(‥理屈はわかっていても、牽引役が居ないと地域としての目玉や盛り上がりに欠いた)
戦国大名にとってまず手にすべきは金銀にあっても、人口が増えなければ兵を増やすことは適わない。
財力共に兵力が充実しなければ、隣国を分捕りにも行けない。
‥金山と鉄砲さえあれば良いというものではない。
楽市に活気を取り込む上でも、キリスト教‥否、舶来の品々は呼び寄せ商品だった。(BtoB)
その窓口が一手に宣教師の権限にあったなら、機嫌を伺うにしても洗礼は手軽な手段だった。
キリシタン大名たちが、どこまでお熱にゼウスの教えに打ち込んでいたかは不明な点が多い。
‥それはまだまだ一地域的な空気感の中にあった。横並び意識で同調しているだけだった。
(関所の絞り込みに、橋や道路の整備には及んでいない)
> せっかく金鉱脈を得たとて、鉄砲を買うだけでは未来はない。
・市に可能性を見いだしたのが南近江の六角。
・褒美に黄金を積極的に活用しだしたのが甲斐の武田。
・数に頼んだ鉄砲の活用に、交通路整備に取り組んだのが尾張の織田。
・黄金での取引ではなく硫黄との交換に目を付けたのが薩摩の島津。(※硫黄は火薬の原料)
鉄砲の国内産地が今ひとつ不明だが、銭になることは認知されていたから
全国の諸処に工房がぽつぽつと生じたものと思われる。
‥それはそのままに、全国の市の中でもとびきりの最先端だったし目玉商品たれた。
> 日本に奴隷制度が入り込まなかったのは、ユダ金が捕虜を購入できなかったからだ。
ユダ金経済の循環の要にあった銃と金と捕虜の三角関係こそ奴隷貿易の代表だった。
しかし日本では、捕虜でさえ味方にして使いこなすのが流儀だったことから、
‥ユダ金お得意の非道三角貿易が成り立たなかった。
> アフリカをはじめとした世界とは、まったく異なった人道社会が日本にはあった。
‥ユダ金どもは、戦略の練り直しを余儀なくされた。
日本人が自ら鉄砲を手掛けるようになると、自分たちが用済みになることを恐れた。
でも、日本人は以外にも舶来品好みだったので、素知らぬ顔でキリスト教布教を続けた。
そして秀吉の九州討伐で疑いは及び、確実視され、追い出されるに至った。
黒船による再登場にしても、かつての日本攻略失敗から学んだ上での戦術だったのだろう。
交易と最先端兵器に目のない日本の武士たちは、まんまと餌に飛びついてきたという次第だった。
‥より強化されて帰ってきたユダ金経済は
平和だった日本に、再び戦争経済をもたらしたのだった。
「そして今やTPPと戦争法案、疑わざるはうつけなり!」
1-4)3
それ以前にも貨幣は有ったし知られてはいたが、役人侍坊主商人はともかく
村人がどのように銭を捉えていたのかについては、あまりよくわかっていない節がある。
道三の油売りの話とか、大仏建立に行基が布施集めに一軒一軒回ったとか、
関所を通る時に通行税を取られたとか、庶民にしてもそれなりに銭を使っていた様子が伺える。
又、禁制を得るのに必要だったことから、村には常に銭の蓄えを用意していたと考えても良い。
一方で
物々交換が主体だったから銭など無くても困るほどになかったという話もある。
‥日本昔話で有名なわらしべ長者の噺は、とくにそこを思わせる。
うつけ者吉法師にしたって、城から銭を持ち出して遊びまくってましたなんて話は聞かない。
否否‥うつけの意味の中には、それの手癖の悪さを意味していたのだろう。
‥何はともあれ、それこそを「うつけ」と呼ばざるを得ないからだ。
でも‥吉法師ぐらいだろう。
悪ガキ仲間を通して、飲み食い代ぐらい自分で調達するべきだと早くから自覚して学んだのも‥
市の維持=カネの循環=人の循環=財力=兵力=どちにしても侵攻あるべしを実践したと言える。
> 私たちは、それらが両輪にあったことを朧気に理解していながらも尚抗っている‥
「そこにあるのは何か?」
それはどう考えたって、宗教=善とした頑固にも偏った物の見方だろう。
とくにキリスト教にどっぷりはまるようならそう言わざるを得ない。
善い所だけを以て、悪い部分を無きこととして切り捨てて惚れる‥
生き方としてはまぁ悪くはないだろうが、それが中核に据えられている点を無視することはできない。
どんなに世話になったって、怪しいなら正すべきだし
それが神であろうなら、尚のこと自分の足で立ってみせて、手で以て改めるべきだ。
それが人としての心の使いようである。
1-4)4
‥それにしても
「なぜ秀吉はバテレンを見破って追い出したのだろうか?」
「なぜそれをするに至るだけの決断で挑んだだろうか?」
> こう考えることができる
秀吉は武士からの人気が今ひとつだったからそれの人気取りを兼ねた。
また、自分の権威を脅かす可能性の芽を先に摘むことにした。
(九州討伐の抵抗力の強さからそこを感じ取った、九州勢力への交易制限策としての側面)
天下人として確実な位置に昇り詰めたと言っても、まだ関東と東北が残っていた。
(南蛮勢力に向けた情報封鎖としての側面)
外交収益による私的な儲けよりも、まずは自身の安泰の確保を優先した。
そもそも、外国に売りつける上で釣り合う品々が少なかったので、黄金の流出を誰よりも懸念した。
(黄金の希少を考えれば、当然の選択肢)
‥特に幸いだったのは、宣教師の中に美女がいなかったことだ。
もし、異国の美女が一人でも混ざって居て噂に上ったなら、秀吉だってどうだったかは怪しい。
> ‥ちなみに
南蛮文化を受け入れるに至った九州地方には、それほどに仏教が浸透していなかったようだ。
それは空海が、九州の地で修行をしようと試みたところ、
土地に棲みついていた妖狐の霊から妨害に遭ったため、九州での修行をあきらめたとの伝承がある。
‥結果、四国等の各地で修行がすすんだということらしい。
空海はその後も九州の方には足を運ばなかったという。
その流れもあるのだろう‥九州の民は仏教よりもキリスト教を受け入れやすかったように思われる。
「歴史は実に良く出来ている。それはまた何のため?」
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