海の砂漠化の仕組みを簡単に紹介しておくと、次のような流れになる。
1-3)1
1.人間の活動の結果がもたらした温暖化。それに付随して起こっている河川や湾岸をコンクリートで固めた結果の腐葉土成分、栄養素の海への適時流出の減少化。
2.とくに温暖化が起きることによって、浅瀬での昆布やホンダワラの成長が阻害される。
3.昆布の生息地は浅瀬であり、ウニの生息地はそこよりも深いところに位置しているが、本来ウニの生息に必要なだけのエサは、流れ藻によってまかなわれていた。
それが海水温の上昇により、一気に減少する。
結果、ウニはエサを求めて浅瀬へと進軍し、昆布そのものに齧り付く。
4.それだけならウニの個体数に変化は生じそうもないが、どこにでもいるサンゴモから放出されるジブロモメタンの成分が、変態間近のウニの幼生の変態を強く引き起こす。
それは数分間、ウニの幼生がジブロモメタンの成分の混じった海水にさらされるだけで、一時間程度の間に40倍もの早さで変態を加速誘発するという。
そこに生ずる幼生死亡率の低下により、劇的にウニの繁殖が進むことになる。
5.サンゴモが放ったジブロモメタンの影響下に置かれたウニの繁殖は、ウニ1個辺りの産卵で数千万個もの幼生が発生するとされ、1平米辺り数百〜数千個もの密面積を占める。
その有様は摂食前線と呼ばれ、数キロメートルにも及ぶという。
6.一見、ウニを採れば良いように思えるが、このような状況下にさらされているウニは栄養価に乏しくやせている。そしてウニは飢餓耐性に強く、サンゴモの表面を囓り取って生きることが可能だ。
サンゴモの表面は死んだ細胞である。そしてサンゴモは、ウニに表面を削り取られることでますます勢いの衰えるところがない。またサンゴモは自らも表面をはがして成長する。
7.一方で、コンブは胞子の拡散距離が狭く、拡大テンポが非常に遅いため、放置しておくと海の砂漠化が進むばかりで、その回復には人の手が欠かせない。
1-3)2
ここで気になるのは、サンゴモが放出するジブロモメタンの放出のメカニズムである。
検索してみたものの、その手の追求的研究はあまりされていないようだ。
はっきり言って、ここがわかっていないと、どうにも対処の決定打は望めない。
それでもわかっていることから、それの対応策をおぼろげに思い及べることができる。
1. ウニの天敵を検討してみたところで、やせていて、見るからにおいしくなさそうな獲物など、捕食対象にはならない。
‥そこで、あまりお勧めできないが、ジブロモメタンが織りなす幼生への成長反応を無効化する中和を検討し、それを散布してみる。もしくは、ジブロモメタンを放出しなくなるような何かを検討してみる。
しかしながら、個人的には、サンゴモのジブロモメタンの発生が異常になっているだろう要因として、やはり温暖化が原因だと考える。
なぜなら、サンゴモもまた、温暖化の影響で、自分たち表面細胞の死の加速が通常よりも早いテンポで起きているものと推理できるからである。
そもそもはサンゴモだって海藻なんだし、コンブや珊瑚がダメになるぐらいなのだから、サンゴモだって追い詰められているはずである。だからこそ、生き残りをかけてジブロモメタンの強制的分泌を繰り返しているように思われる。
もし、予想通りであればこれはどうしようもない。責任はすべて人間にあるということだ。
2.ジブロモメタンによる幼生の成長加速がなぜ起こるのかを超自然的に考えてみたとき、それは珊瑚の育成にも当てはまるはずである。
これはつまり、サンゴモの居る場所に珊瑚を繁殖させれば、珊瑚礁の回復に役立つのかも知れない。しかし、サンゴモの放つジブロモメタンの放出量をうまく調整するには、ウニをどうにかできなければならない。
そこで、コンブもどきのエサを使うことを考えてみる。
考えられるエサの代用には、燃料藻の絞りカスが思い浮かぶだろう。
その絞りカスにウニの好むような味付けを施し、流れの上流から、流れ藻を装って流すのだ。当然、ウニ軍団はどいつもこいつも飢えているだろうから、エサの流れてくる方向に向かって大移動を始めるだろうと予想される。
ウニがうまく動いてくれれば、しめたもの。
ウニをサンゴモ平原から引き離し、さらに密集面積を上げて一カ所に集める。そのままバキュームで吸い出して、養殖場兼搬送タンカーの中で、エサを与え続けて太らせてから出荷する。
ウニが移動して数の減った場所には、ウニが進入しずらくなるように簡単な防壁を築いてから、コンブや珊瑚、もしくは、燃料藻を計画的に植える。
ちなみに、その防壁には無駄に砂や石を積むのではなく、適度に栄養素の塊を積むことも忘れてはならない。
そして、植えた燃料藻から採った燃料でもって、そのウニ退治を繰り返すのだ。
‥まるまるうまく行くようなら、一石二鳥になるばかりか、雇用の創出にも繋がるだろう。
それこそうまく行くようなら、これから成る雇用創出効果は絶大になるはずだ。
1-3)3
‥人間は自らの身勝手な後始末無き経済活動によって、地球温暖化を引き起こし、知らずと海の生態系を破壊してしまい、自ら海を育てなければ生きていけない状況に追い込まれている。
なにはともあれ、海からの恵みが一番に大きい。
これを失うと一気に食糧危機が世界を覆いかねない。少なくとも、旨み成分とタンパク源の激減は、人類の生活をイライラさせるに十分だ。
そして、これら海の砂漠化現象は、何も日本の近海だけでの話ではない。世界規模で起きているのが現実だ。
> 「そこまで酷いとは‥」、知らなかったでは済まされるまい。
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http://www.data.kishou.go.jp/kaiyou/shindan/a_1/japan_warm/japan_warm.html
これは気象庁のHPでの海面水温の変化を調べた結果です。
個別の海での海面水温の変化はまったく異なり海面水温がむしろ低下している海すらあります。
多くの地域では1940年から1950年の間に海面水温が上昇しておりその後はさまざまに変化しています。 NHKは一部地域で示しておりますが実際の海ではさまざまな変化となります。
つまり海の砂漠化と海面水温が上昇する時期が一致している海は地域ごとに見れば一部にあるといった程度でしょう。
また地球温暖化と海面水温の上昇には日本近海に限れば相関があるとはいえません。