西暦21xx年、世界から国境が取り除かれ、世界政府が樹立された。
世界政府は金融を廃し、税制を廃し、
天下布金委員会なる組織を立ち上げて、金貸しの権利を独占支配下に置いた。
そして、
すべての地球人民に、とある電子カードが配られた。
それは「生涯貸し付け統一証明カード」だった。
1-5)1
> 「生涯貸し付け統一証明カード」‥
> どのような代物かというとこんな感じ。
借りる金額にとりあえずの上限というものはない。
ただし、金融と税制を廃した置き換えとして、
金利への一本化策という意味合いが込められていた。
金利は、10%の単発利息である。
システム的に、元金の完済を人類すべてに求めることは不能だった。
それゆえ、金利ポイント一億に達しない限り、先送りの如く借りることを認めた制度だった。
もっと簡単に述べれば、
消費税10%の10%の分が貸し付け後払い無利息で、
買う時に好きなだけ品代分の支払いが自動で行われると言ったところだ。
無論、金利分10%は自分が汗した資本で支払う必要がある。
1-5)2
> 単純計算をしてみよう。
一億ポイントもの、返済金利ポイントを未払いで溜め込むには、
年間333万ポイントを浪費したとしても、300年の猶予がある。
年間250万ポイントを浪費したとしても、400年の猶予がある。
実にノーリスクにしか映らない。
そこで、天下布金委員会は、
購入時に、返済金利ポイントの未払い状況を反映させるべく‥
贅沢の境目を示す購入基準ポイントを付することを思い立った。
これは、しっかり支払いをする人たちに対する返済義務のお膳立てでもあった。
返済金利ポイントが0の者たちは、一等級の物まで買うことができる。
(たとえば、土地の売買権利は一等級とか。)
それから下って、1000万ポイントに達すると級外とされた。
‥級外になると最低ランクの位置づけの物しか買えなくなる。
ただし、これの購入種別の判断は、最終的に販売元に委ねられた。
世界政府は、基準を示すだけであり、特殊な扱いのものを除いて大目に見られた。
なぜなら、企業の返済計画のそれに同時に規制が掛かるわけだから、
セール・サービス期間の創出までを取り上げることはできない。
個人の健全な消費感覚で言えば、一億ポイントまでの浪費が級内で行える。
一億ポイントを浪費するには、30〜40年程度と判断された。
その間までに、しっかりとした自立手段を確立して、返済金利ポイントがゼロであれば、
70歳前後まで余裕で級内ランクでの消費生活が可能と見なされた。
それ以降の老後年数は、もはや消化試合である。
惜しげも無く、返済金利ポイントの上限までを食いつぶしたとてかまわない‥
そのため学問と医療に関しては、級外扱いにまで多くの保障項目が用意された。
> ただし、
早々と返済金利の上限である一億ポイントを踏んだ者は、
社会への貢献意欲ゼロと判断され、一般社会からの隔離が決定された。
隔離後、その者たちには再教育が施されるのだという。
1-5)3
この流れを受けて、すべての企業経営にも同じ原理が用いられることになった。
正社員一人あたり、負債分金利上限に一億ポイントが許された。
一組織全員の合計が、その組織に許された負債金利分総ポイントの上限になる。
組織の負債を各個人が負うことはない。あくまで頭数の計算と見なされた。
ただし、金利の支払いが滞れば、人員を増やして雇えば良いというものではない。
売り上げが無ければ、給与は下がるわけだから、
健全な経営が求められる点に変わりはなかった。
> 会社の負債金利分蓄積が上限を踏むと、倒産である。
不渡り分は、各社の上限内にて、自動的に二度借り計算にて都合付けられることになり、
つなぎとしては機能できても、お互いにしっかりした経営を求める点において何も変わらない。
‥負債ポイントの蓄積は常時公開される。信用のない負債蓄積は嫌われるのが日常である。
まっとうな(?)経営上の行き詰まりは、経験の不足、失敗の必要として大目に見られるが、
嘘八百の経営からなるそれは、徹底して締められることになり、
それの経営負債金利の残分を、組織該当構成員に分配して扱う方針が下された。
1-5)4
国境はもはや無かった。
国家が経営に負債を議論することは無くなった。
ただし、地域自治は認められ、
それの運営資金もまた同じ原理が用いられた。
> さて、地域自治はどのようにして負債を賄うのだろうか?
自治区民の頭数までの負債上限が認められた。
一人あたり一億ポイントで試算された。これに常駐企業分の補正が加わる。
負債を先送りするための減額枠として、
自治区民の活力すなわち健全な経済発展、つまり、
負債に対する金利払いの年度分払いの集計金額がそれとして見なされた。
自治区民にとってのメリットとして、
自治区民一人あたりの返済金利ポイントの減が、ボーナス的に与えられることになった。
(0の者は、労働賃金のそれと同じように個人の口座にそれの金額が追加される。)
これは為替に変わる後払い的な支払いの原理とされ、世界的に競争する意味を持つ。
どの自治区民が一番に規範を保って活動しているかが、ランク付けされる。
規範を保つことが価値とされ、ボーナスが振る舞われるのだ。
ランクSやAに、枠組みとしての指定数制限はない。
> 仮に、自治区経営が破綻した場合‥
自治区は世界政府預かりとなり、一定の期間政府からのお目付が送り込まれることになる。
自治の負債計算はリセットされることになるが、自治区へのボーナス査定もストップする。
もちろんランキングは最下位となり、世界的に赤っ恥を掻くばかりになる。
‥それ以上の追求はされない。
1-5)5
これは従来の資本主義であるインチキ発行権の所在が、
ロス・チャイルド所有から大きく離れることが無いと判断した場合のケースとして下りてきた。
‥まぁそんな感じ。
だから、貸し付けという怪しげな内容が前面に出ている。
‥個人的には、皮肉をたっぷり込めて茶化して見せたって感じ。
金融緩和として、
もっともな日常感のままを維持しつつ合理的に締めているように思えるが、
10%ともなると、20%ものマージンが加算されていかなければ、難しいだろう。
それでも、従来税金分等が不要になるわけだから、販売コストは多少下がる傾向だろうか。
(‥このシステム、お互いにインフレ傾向過ぎるのも嫌ですからね。)
著生は計算が面倒なので、金利を単発の10%にしているが、
1%の年利(単利)でも、放置し出すとあっという間に近似値になるのかなと‥
ぶっきらぼうに発言しておく。
‥1%年利の方が、年度末締め計算、
返済金利ポイントゼロで、翌年一年間の一等級権利を主張しやすいだろうか?
‥計算能力等資料知識のある方は、試算してみれば良いだろう。
> それにしても、貯め込まれた金銭はどこにいくのだろうか?
やはり‥宇宙進出なんかの資金として権限の所在として、貯め込まれると言うことだろうか。
それとも、貯めるだけ溜め込んで、使われな〜いって落ちになるのかな。
給料だって、金利分で十分だろう‥なんて展開になるのだろうか?
まぁそこんところの塩梅もすべては、どれだけ金利を課すかってところになると思う。
これのシステムを鑑みてもわかるように、
天下布金委員会とやらに金利分資本がピンハネの如く集まる形だ。
これは銀行というシステムではまったくないので、適当に名を付しているが、
それら資本を何に運用しようというのかまでは、著生的には不明である。
‥強いて上げるなら、
せっせと掘らせた発掘資源を買い取る財源としての位置づけ?
対宇宙進出対策措置(兵器)を研究・製造するための正当な財源としての位置づけ?
何でも良いけどさ、キチンとしてもらわないとな。
陰謀渦巻く小賢しい閉鎖空間に、いつもでも生きながらえたいなんて俺は思わん。
生産活動的なモチベーションなんか、これっぽちも湧いてこね―。
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