2014年01月22日

【刮目】消費税のスタート地点は、まさに生産税である。

1-4)0
 生産したものすべてに税を課すと、それは生産税である。
 しかし、会計上の売り上げから外れた在庫には、税が掛からないから消費税に落ち着く。

 しかしである。

 在庫は資産の扱いだから資産税の対象となり、結局は同じことだ。
 ‥大したもんだよ、人類の創造的活動すべてに税を課するのが消費税の思惑という次第になる。


> せめて、王様の正体ぐらい明かすのが礼儀というものだ。
> 礼儀知らずに、気持ちよく払ってやる文銭なんてねぇー。



1-4)1
 直接税とは、労働の対価に対して課せられる税の仕組みである。
 俗な言い方をすれば、国家的ピンハネだ。

 しかし、投資を進めたことで、
 機械化とロボット化からなる生産効率が向上し、
 多くの者を雇わずとも物事が成り行くようになった。

 その結果、

 直接税からの収益は、資産家同士の利食いから見ればわずかばかりとなり、
 お互いからわずかばかりのピンハネを奪い合ってみたところで旨みは薄くなった。
 ‥1%の原理を思えば、如何に旨みが少なくなったかである。


> そこで目を付けたのが、間接税の革新であった。(巧妙な屁理屈とも言う。)


 直接税が王の権勢から課されてきた租税であるならば、
 間接税のそれは、教皇の権勢がなしてきたお布施に近しい性質を有する。
 ‥誰しもが、生活の切り詰め等から差し出してきたそれである。

 つまり、消費税とは生産税であると同時に生活税と表現することができる。


> 消費税は行きすぎた税のあり方であり、
> その%を上げれば上げるほどに、搾り上げるだけの仕組みでしかない。



1-4)2
 王がなぜ租税を必要としたかは、国防と治安と保管に必要だったからだ。
 兵を動かすには兵糧が欠かせない。そして武器等の備えが求められた。

 ‥そこで、消費税の中身であるが、

 教皇が担ってきた弱者の救済である富の再分配趣向は明らかであり、
 なんだかんだと社会保障費の工面という名目が顔をもたげているのは申し上げるまでもない。

 ところが、
 持たざる者からも一様に徴収するのが消費税である。
 それも収支としてごちゃ混ぜになった途端に、社会保障費うんぬんなんて言い分は怪しくなる。


> 世界の市場は、多くの国々が、資本主義競争に参加することで規模を拡大できるが、


 そこにある信用創造のカラクリから流通する資本は、
 貸付金の総量であり、純資産としての他人資本を生み出す余地は総じてゼロに等しい。
 ‥例外を見せて台頭する才覚の持ち主も居るが、
 それらの資本とて貯め込まれるばかりで市場に出回ることはない。

 にも関わらず、

 市場の参加人口が増えた割合に適った発行増は見送られるばかりで、
 相も変わらずの国債発行量を、為替原理で押し込めて、
 少ない国債発行量を、増えた競争参加人口で割り算すれば、どうしたってデフレに陥るのだ。


> だから、投資家はこう言い始めた。


 お互いに市場を開放し合うことで、物流の循環に障壁を無くし、
 自国での少ない需要も、世界規模に広がれば経営の成り立つレベルになるはずだと。

 まぁそれはそれで、それに救われる業種形態もあることはあるだろう。

 しかし、元々の発行量が少ないのだ。
 人民の生活力を食い物にするところから生き残り、割り切れない者から離脱することになる。


 今現在の発行の仕組みでは、
 ルールで決められたお金の発行量が決定的に少ないから、
 例え、税と金利を無い無いにしてみたところで、
 少ない発行量を奪い合う形にしかならない。

 わかりやすく例えれば、

 稔りの少ない収穫物をみんなで頑張りましたって言い合って、
 額に汗した分を、換金しながら奪い合わざるを得ない状況だ。
 ‥運良くカネを手にできても、今度は、買い物の得の仕方でぶつくさ言い合う始末である。



1-4)3
> 以下は、戦国の世の楽市で、消費税を展開してみたら的なお噺。


「てめえ、誰に断ってここで商売してやんで?」
「場所代払えやこら。」

「場所代ですか、そんな小さな稼ぎよりも、わしならもっと良い稼ぎ方を知ってまっせ。」
「何だお前、俺たちを担ごうってつもりかい?」
「いえいえ滅相もありません。出て行けというのなら出て行きますが、
話ぐらい聞いてからだってよろしいではありませんか?」
「おし、聞いてやろう、その代わりちゃんと場所代払えや。」
「やれやれ仕方ありませんな、その代わり話の中身にとやかく言うのは無しですよ。」


「‥場所代というのはそもそもにして、わしらの売り上げを見込んだどんぶり勘定です。
でも、どうでしょう、結局は買い手が支払っているのと同じです。
売り手からむしり取ることばかりを考えても、売り手の数以上の収益は得られませんな。」
「じゃ、お前ならどうすんだよ。」
「買い手が買った分に場所代を課すのです。
市の入り口に関を設けて、買った者から、買った金額分に場所代を課すことを考えれば、
売り手の上がりから管理維持費を要求せずとも良いはずです。
わしらはその分、外から商品を多く仕入れることができますからな。薄利多売ってわけですよ。
他の市より安いとなれば、よそから買い物客がわんさか押し寄せますってね。」

「なるほど、お前ら商人が売る商売ものを多く仕入れることができれば、お前らも儲かり、
俺たち市の側も儲かるというわけか、おもしれえ。」


この楽市ではこの商人のアイデアを早速試してみた。
しかし、やり方がまずかった。というよりダイレクトだった。


「おう、お前さん、今そこの店で買い物しただろう。」
「はい、そうですけど何か?」
「じゃ、場所代払えや。」
「はい?、私は店を開いちゃいませんよ。」

「‥おいおい、相棒そうじゃねぇって。」

「いいかい、お客さん、ここの市じゃなぁ、買い手がお世話になった礼金を市に納めんだよ。
十文で一文だ。十文以下でも一文だ。十文単位で一文ずつ払ってもらう取り決めだよ。
その代わり、ここの市の値段は総じて安いってわけさ。どうでぇ、ありがたい話だろう。」
「‥ええ、そんなの聞いてませんよ。」
「市の出入り口に書いてあっただろうが、字読めねーのか?」
「そそ、そんなの知りません。見てません。」
「おいおい、それじゃ困るんだよ。買ったらちゃんと納めて貰わないと、
ここでのあんたの安全は約束できなくなるよ。いいのかいそれでも?」


このやりとりを聞いていた回りの客の半分が、
途端に興ざめして、すごすごと市を後にし始めたという。



1-4)4
> 消費税を戦国の楽市に置き換えると、まぁこんな感じだろうか。


 ‥噺の楽市の場合でも、もう少し賢く丁寧にやれば、うまく行くのだろうが、
 その状態が今日の消費税ってことさ。


 仮に噺の楽市が、怪しい商人の語った消費税導入に成功したなら、
 途端に世のスタンダードになり、どこでも薄利多売に陥ったことになる。

 ‥そうなると今度は、領主様に取り入って、専売特許を賄賂で買収するのがサバイバルだ。

 つまりそれの落ち現代版が、大企業優先であり、株式優先に通じる流れになる。
 ‥TPPのISD条項はまさにそれの怒本命と言える。


 庶民の規制緩和は、楽市で、損得抜きで自由に商いできることなのに、
 いつの間にか専売特許がやって来て、買い叩かれ、牛耳られて自由に売れなくなるのだ。
 さも競争に勝ったような顔で、実は、裏できっちり新しい不公平が台頭するのである。


> 裏の世界における競争とは、ルールを決めるまでの段階を指す。
> 日本人が真面目に考える日々に汗する競争を、裏の世界ではギャンブルと呼ぶ。


 そのぐらいに思っていないと、資本主義社会を無傷で渡り合うことなど敵わない。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 04:35 | Comment(0) | 刮目/2014 | 更新情報をチェックする
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