オイコノミヤで「コモンズの悲劇」とやらを紹介していた。
それを見ていて、ぶったまげちまったので書いておく。
稲作型村社会で普通に成されてきた次第を、
欧米の経済学では、不可能だという見解で一致していたという事実である。
> まぁ、お前等が大事とする資本主義からすれば、悲劇にしかならんだろうな。
‥さらに、ぶったまげちまったのは、
コモンズの成功例を論文にして発表した学者がノーベル賞を貰ったという話。
そんなことぐらいの紹介でノーベル賞になっちまうんだったら、
まともな村社会を営んでいた昔の人々は、資本主義より上だって賞賛したようなもんだ。
‥しかし、村社会を認めないのが資本主義である。
だから逐一、難しい表現にして、まくし立てるのだ。
それこそコモンズの悲劇だと言うのに‥
1-4)1
お互いが、共有地(コモンズ)に牛を放つ、
ちょっと考えれば、牛が草を食べ尽くさないように合議が為されるはずだが、
村社会という考えがない前提で語るから、
わざわざ、お互いで草を食べ尽くしてしまうような解釈になる。
自分の牛をいかに数多く共有地にぶち込むかの競争を始めに正当化し、
草が食べ尽くされれば、共倒れであるというのが、コモンズの悲劇だという。
> これを資本主義の論理で見ると、競争は当然だからそうなるしかない。
本来なら、そこまでして儲ける必要があるかどうかは、生命において前提ではない。
お互いが暮らしていける分の牛さえ居れば十分だとする考えがこれっぽっちもないのだ。
‥コモンズの悲劇はそこの告白でしかない。
そうだ、資本主義には、競争が前提にあるだけで、
お互いの暮らしに必要な分だけで十分とする考えは認めていないのだ。
‥それを認めたら、信用創造から捻出したカネを回収できなくなる。
回収できなくなるどころか、商売にならない。支配にならない。
裏返せば、資本主義を前提にする必要などこれっぽっちもないとの証明でもある。
> 資本主義にとって、
生産物に無駄が出ることはどうでもいいことで、
生産物から得られる儲け損が如何に少ないかが焦点でしかない。
この二つは、一見同じように思えるが、実は全然違う。
カネ貸しにとって、借り手の在庫はゴミも同然。
自分の貸し付けがカネとして回収されないと我慢がならないのだ。
(本来なら余剰は蓄えとなる‥決して赤字なんかじゃない)
‥中世の頃のちょっとできる商人なら、その在庫でも勘弁してやろうという気概はあったが、
今の時代に至っては、誰もそんな気概を見せることなど無い。
だから、尚更にデフレにならざるを得ない。
1-4)2
> 一方のノーベル賞になった成功例の話はこうだ。
農地の水の分配の話で、農地の所有者が共同で管理する。
三年置きにルールを見直し、違反した者は罰金を払う約束事だった。
‥そんな単純な取り組みでも、ルールを犯した事の不名誉の方がインパクトが大きかった。
それだけの話。
まぁ実際にやるとなると大変だし、それでも基本中の基本ではある。
でもそこの認知が無かったというのが欧米の経済論だったという落ちでもある。
> そんなこと言ってたら、加賀百万石は神の世界だったって論だぞ。
そこを手本に汗した大名達は、全員ノーベル賞以上の存在だって話にもなる。
(‥資本主義なんぞ潔く自らの不用を認めて、さっさと地球から失せれば好い。)
それでも、当の農民たちが賞賛されることはない。
農民に納得があって石高も上がるというのに、みんな大名のお陰になっちまう。
どう見たって、半分半分であるはずだ。
‥そこの分け前が、半分半分にならないのが、村社会の悲劇といえばそうとも言えるだろう。
1-4)3
> もし、参勤交代なんかなかったら、
諸藩の財も安泰に至って、再分配の心意気もあったかも知れない‥
でも、参勤交代のせいで、年貢のほとんどは商人に右から左だった。
‥余裕があったなら、
例えば秀吉の真似をして、自慢の庭園で民と一緒に茶会なんて風情も有ったかも知れないのだ。
でも、どこもカツカツだったから、そんな風潮は生まれようはなかった。
将軍相手のおもてなし用庭園で精一杯、誰が支配者だとか、ほんとくだらねえ常識だ。
‥その前に、将軍自ら号令を掛けて行っていただかないと、
どこどこの藩では、かつての宿敵豊臣家の真似事をしている、あれは謀反ではないのか‥
なんてことで、吊し上げられかねない。
将軍にしても、盛大にやらかす由を理由に、諸藩から徴収する形にするべきだった。
それから、自藩でも盛大にやらかすように申しつけるべきだったのだ。
これは、何も参勤交代なんかに財を潰させるのではなく、民衆にねぎらいを催す形で、
財の再分配をさせる形でのやりようもあったと言うことになる。
‥まぁそれはそれで、武士の立場が違った意味で微妙になるけどな。
それでも、農民から支持を得ながら、流れとして商人も儲かることになるわけだから、
参勤交代の仕組みよりずっとマシに見えてくるというものだ。
> ようするに、江戸の世にしたって、そこまでの器が無かったってことだ。
常に将軍家の安泰が侵されることへの疑念しか無かったのだから、
将軍家自ら暗黙の恐怖をばらまいていただけということだ。
‥それでも世界に比べれば、マシだったんだから、
黒船数隻でビビらなければならなかった次第が、未だによくわからない。
世界は日本だけだとの、武士階級側のうぬぼれが招いた失態であったことに違いはない。
それがまた、世界に対して日本の村社会の印象にもなっている。
(‥なっていると言っても、一部の知識層の意向でしかないけどな。)
> その意味で言えば、村社会の可能性も、政次第だったとの落ちになるのだ。
1-4)4
どんな社会構造でも、人間は、贅を味わうことで、知識を得、
その数が増えれば増えるほどに、社会的認識力が加速される傾向を有していた。
結果として、
支配の側が自らの権限に安穏としてばかり居れば、
その差が縮まって、追い越される次第だった。
仮に追い越されても、人徳からの支援の末に、追い越されただけであったなら、
取り上げられる事には成らない。でも、実はそうでは無かった。
‥そういう意味では、納める国の大きさは、自分の理解の届く範囲で十分だってことだ。
王にせよ民にせよ、同じことが言える。
(国が広すぎて、恩を感じてもらえていなかったなんて、寂しすぎるだけだ。)
> なんでもかんでも一番でないと気が済まないとか、
> とにかく大きい方が素晴らしいんだという、イケイケドンドンの考えは、
治める側の思考として、単に落とし穴でしかなったという落ちでもある。
何がコモンズの悲劇だ、それをあたかも地球規模のテーマにしたてて、
村社会を過去の古いだけの形式に貶めて置きたいだけの経済論じゃねーか、このインチキが!!
‥経済学者にしても、本当に勉強してんのかよ、ふざけんなよな。この糞が!!
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