1-3)記稿.2014/12/02
|生き死にや痩せても枯れても修行中
|修行中、倦んで進むか「我こそは天下無双」
|「無双こそ修行の終焉とは‥何と浅はか」
|浅はかの矛先止めるが無刀の極み
1-3)1
「今や生き死にとは昔の話だろうか?」
いいや、そのようなことはない。
> どのような者であろうと、目的を持てばそこに生き死にが生まれよう。
人にプライドがある限り、
その怪しき内なる獣を、自らの内側でどう扱うかである。
されど、お互いに内なる獣を知らずして、そこの修養など成り立つまい。
なにもすべての内なる獣が、血を見るだけの騒ぎを好むわけではない。様々だ。
どのような者であれ、譲れないものがあると途端に噛みついてくる。
‥その時、まざまざと見せつけられるのが、力の差だ。
人とは、まさにその横暴・略奪を許せんとして、自衛の手段を模索する生き物だ。
自らに鞭打ち、限界に向かって鍛錬する生き物など人だけである。
‥その意味で言うなら、人なる意識は別格の波動である。
1-3)2
人として生きずとも、生き死には避けられぬのが現世の定め。
なぜ現世がそのように出来ているのかの問いなど、日々の暮らしの何の足しにもならん。
そうだ、何の足しにもならん。
無駄に自衛の技を磨き対策しても、敵が現れなんだら何にもならん。
‥しかし
面白きことに、本当の敵は常に己の内に潜んでいるものだ。
無駄になることなど、何一つとしてない。良く出来ておる。
‥それこそが、内なる獣の存在であろうか。
> 本当の備えとは、その内なる獣をどうやってたしなめるのかである。
とくに、恐怖した獣ほど扱いに面倒なものはない。
恐怖を前にして立ち向かう者、逃げ出す者、隠れて様子を窺おうとする者‥
その中でも一番に厄介なのは、No.1を目指そうとする連中だ。
何を以て一番と見るのか、
人類の多様化した時代において、その象徴を成したのがカネである。
‥しかし、そのカネを発行する権利は、武で支配されて来た。
何も紙幣の時代ばかりではない。コインの時代にしてもそうだった。
力を得ることが、武を得ることが、誉れとして崇められている。
‥だからだろう。欲が無かろうとも、その武を手にしてみんとして憧れるのも人である。
‥否、内なる獣を飼っている人としての特性だ。
> 内なる獣を知らずしてもまた武を極めること能わず
そんな内なる獣を、まずは最大限にまで解き放し切るのだ。
それだけの器の用意が求められるのだ。
それが出来ないでいては、本当の意味で迫り来る矛を止めることは成らぬ。
‥面白きことに
大抵の多くの者が、解き放たれる力の大きさばかりに目が行き、
そこで天下無双合戦が始まるのだ。
‥ドラゴンボールにしたって、ピカチュウにしたって、皆で大騒ぎである。
それを見て、強くなることだけを修行と思い、勘違いのままに歩むことになる。
‥なんと楽しそうで、なんと刹那であることか。
1-3)3
> まずは始めに戻ってみよう。
人は、他者の横暴・略奪を許せんとして、徹底した自衛の必要を自覚したのだ。
その自衛の仮想敵として、自らに獣を飼っている‥それが人だ。
「最も最大限に、内なる獣の力を解き放てる者が暴走したとして
止められる方法はあるだろうか?」
‥無いとしたら、大騒ぎである。
それこそ、人に本来的な意味での自由など始めから野放しで与えられるわけも無きこと。
> ‥そこで、こうなった。
内なる獣と向き合わせるためにも、
向き合って身につけた力と同じだけ矛を止める力も同時に身につくようにしたのだ。
如何なる手段を得ようとも、その均衡の確保は最優先されるべき事だ。
‥仮に、誰かに優遇があるように見えたとしても、そんな次第はどこにも無い。
もし有ったなら、そこから勝手に綻びが始まることになる。
天はその様子を見て、対処しているに過ぎない。
‥その様は、まさに傷の舐め合いである。
傷の舐め合いが、見苦しいと思ったなら、
お互いに素に返れば善きだけのこと‥
> 武とは自衛なり。自他の力を知り、力を培って尚、無駄な力を収め鎮める事なり。
> ‥生き死にに非ず。生かさんとして慈悲身につけるのみ。
‥剥き出しのNO.1への競争観など、片手落ちのお粗末なだけの考えである。
‥如何に暴走する者が巨大にして現れようとも、その比率が全体を超えているわけではない。
(まぁ修行だから、本当はちょびっとだけ超えているのが相場ではある‥)
(放置しておくと、そりゃいずれ加速度的になって、生き死にしか見えんわな)
人類全体で「無刀」の意味を心得る必要がある。
‥なにも昔の有名な剣の達人だけの生死観に留まっているだけではどうしようもないのだ。
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