1-4)記稿.2015/02/14
剣の道を歩む時、まず、刃の怖さに臆病でなくては成らない。
そうで無き者は、間違いを素直に正せず‥ゆえに、大きく敗れることになる。
マネーの道を歩む時、まず、リスクや損失に臆病でなくては成らない。
そうで無き者は、間違いを修正できず‥ゆえに、大きく敗れることになる。
> 何事も、がむしゃらでなど強くは成れない。
始めに‥自らに宿っていた才こそを、まずは恐れるべきである。
非凡であれ、平凡であれ、進むべき怖さに臆病でなくては、いずれ進めなくなる。
1-4)1
> 剣の道を歩み、特定の段階に到ると、剣のみの強さにこだわっていない自分を発見する。
‥相対していたのは、剣では無く人であり、暮らしだった。
強さでねじ伏せようとすると、どうしても斬らざるを得ない。
同じ剣で語れぬレベルの相手を、斬り捨てても意味の無いことだ。
その無意味に何を見いだすかは人それぞれであるにしろ、その先を魅入る次第になる。
> マネーの道を歩み、特定の段階になると、利益のみの追求に飽きて来る自分を発見する。
‥相対していたのは、マネーではなく人であり、暮らしだった。
シェアを独占一極化しようとすると、どうしても行き詰まらざるを得ない。
真新しさを失えば、消費への関心は疎くなる。
圧倒的なNo.1に付きまとう宿命は、常に期待の壁である。
期待の壁に何を見いだすかは人それぞれであるにせよ、
土地の顔である由を自覚することであり、正しきを全うして行く事へと続いていく‥
> そもそもの始まりは、敗れる事への恐れであった。
恐れを弱い者の遠吠えとしか考えぬ者は、常に過ちを犯し、自らを責めずに他を責めているものだ。
他を責めることしかできないでいると、自分への評判を気にしてばかりいる自分に苦しむ。
「汝の目指していたものとは、評判か?」
恐いもの知らずの知識論者への眼差しなど、どこに行っても半信半疑でしかない。
‥だから、そこそこだ。
1-4)2
> 人として覚らんとすれば、まず、自らの持つ闇に恐れを抱き、臆病でなくては成らない。
人は何をしでかすかはわからない。何に巻き込まれるかもわからない。
「‥自分は大丈夫」などと思うのは、自らの闇を見ようとしていない愚かな姿である。
闇は誰にでも訪れよう。闇を知らずに生きることは叶わぬ。
闇を拒絶し、無理に正しくあろうとする心は嘘を胎む。即ち、闇を作り出すばかりだ。
ありのままを受け入れようとしない怖れを恐れと言うのではない。
自らが過ちを犯して、他者を巻き込むかも知れぬことへの恐れを恐れというのだ。
‥その恐れるべきを、自分の都合で無闇に用いるのはどう考えたっておかしい。
1-4)3
自らの過ちを恐れるあまり、人は臆病になるものだ。
それが行きすぎると、自分を人より下に見始めるようにもなる。それもまた闇の中だ。
自らを卑下することは、自らの輝きを放棄するのと同義である。
自らが優れていると‥うまく行きすぎると‥、人は横柄に陥るものだ。
それが当たり前だと思い始めると、自分を人より上に見始めるようになる。それもまた闇の中だ。
自らに増長することは、他の輝きを否定するのと同義である。
> バランスの欠如は、どうしたって乱れを呼び込もう。
> ならば、自らの闇を恐れるばかりでなく、他者の闇も恐れるべきである。
しかし、自らの闇に責任は持てても、他者の闇に責任は持てぬ。
持とうと思えば、それが闇になる。自惚れも好いところだ。
組織として責任を負うにしてもまた然り。その本音が、責任転嫁の見苦しさに現れていよう。
‥はじめから背負いたくないんなら、リーダーなんか望むべからず。
行きすぎた子どもへの躾ほど、当人の自律を尊重していない姿も無い。
教えるべきはただし一つ。「自分の心の闇を恐れなさい」それだけだ。
(親として、何が闇に相当するのかを子に教え諭すことは責任である)
(口でわからぬと思えば、手を下すにせよ、手から先になどと言う道理は無い)
(年齢不相応、当人不相応なやり方をしても良いという道理も無い)
それがわかったなら、
次のステップは、「自分の輝きを見つけなさい」そういうことになる。
(これは親が与えることでも、教えることでも無い。当人に探させるだけのことだ)
(親には、子が道を見つけられるだけの機会を与えるべき義務がある)
‥心の闇を恐れることを諭さずに
輝きばかりを掴ませようとする姿は、餓鬼にしか見えず見苦しい。
現代社会の教育は、まさにその見苦しきドツボを突っつき回しているだけだ。
まずは、自分の心の闇を恐れさせる必要がある。
ならば、
虐めが流行ったとて、何ら不思議はない。
虐待が流行ったとて、何ら不思議はない。
大人の側が、心の闇の恐ろしさを心得ていないのだから、それは当然として起きようか。
‥其は当たり前の流れにあろうか。
見よ、大人のしている経済の有り様を、滅びの手本でしかあれていまい‥そういうのばっかだ。
1-4)4
サムライの文化は、各々それなりに‥恐れを抱いて剣を学び、心技体を磨いて来た。
‥ところが、
黒船が乗り込んできて、「なんと野蛮なことか‥」と言いだした。
なんのことはない、そう言い放ちながら、兵器を売りつけることしか頭に無い連中だった。
戦争経済に参加することを促すばかりの悪党連中だった。
> どっちが野蛮だったんだよ、ふざけんな!
今や、剣で学ぶべきだった形が、経済で学ぶように変わってきた。
「その先にあるのはなんだ?」
どう考えたって、
人を殺めない経済である。人を困窮させない経済である。人を育てる経済である。
‥それ以外に何があろうか。
今こそ、ふざけた黒船文化に向かって、言い放つべきである。
(否否、非の打ち所が無いように備えるべきである)
「資本主義とは、なんと野蛮な経済だったろうか‥」と。
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