1-3)記稿.2015/02/24
> 地方主権が叫ばれる中、疎かになっている概念に気がついた。
地方に権限を委譲するにしても、
国家の中で起こった事件・事象をケアする機関がないとなれば、
場合によっては、境界を分断した‥たらい回しの出来事だって起こり得る。
ならばはじめから、
国家機能の中に、
国内で起きた事件・事象とそれに関わる被害対応を一手に引き受ける機関が必要だ。
外交と防衛だけが中央の権限として大きく取り上げられるが、
如何なる被害も被災の後始末も、その後のケアを担うべきは国家である。
1-3)1
> ところが、そのサイズとなると、実に中途半端になるだろう。
道州制の概念は、経済の規模からの検討でしかない。
しかし、責任の所在をはっきりさせようと思えば、都道府県のサイズの方が適当だ。
責任省を仮に設置するにせよ、出先機関が方々にある程度求められる。
(その後のケアに対応して行こうというのだから、それが当然だ)
仮に、今のまま道州制に移行した場合
省庁の機能を委譲したのだから、そこで起きた事件・事象はその州での対応とされる。
「では、国家の責任はどこにあるのだろうか?」
「省庁を分割委譲したことで、国家は責任を持たなくても良い‥そうだろうか?」
誰がどう見たって、最終的に責任を負うべきは国家である。
地方の問題だからと言って、そこに生じた事件・事象をそのままに任せるとするだけでは、
国家の名が廃れるというものだ
ならば、最終的な情報整理に保管、それから
国家たる名に懸けても、その手の窓口すべてを、中央が担うべきである。
1-3)2
> では、問題である。「責任省とは一体なんだ?」「どう考えれば良い?」
中央集権だからこそ、何かある度ごとに国家が最終的な責任を負う次第になってきた。
それはそうだろう。
時にその組織は取り壊され、時に責任者がすげ変わり、時効なんてこともある。
そうやって時間と共に、どこに行けば、ケアに付き合って貰えるのか分からなくなる。
‥そうともなれば、誰だって不安になる。
ところがどうだろう。中央集権といえど縦割りだ。
それぞれに該当する省庁に参じて訴え出るにしても、
責任の所在をたらい回しにしようとしているかのようだ。
それほどにして、責任沙汰のゴタゴタを抱えたくないのが官僚の体質だ。
縦割りゆえのエッジを効かせて、知らん顔をしているかのようにも見える。
まぁそれはそうかもしれない。
認可したという責任だけで以て、最終的にそのケアを背負い続けなければならないのだ。
誰が悪いのかと言えば、認可責任と言うよりは、事の次第を起こした現場である。
そこにある感覚のギャップはどうしようもなく埋まることが無いのだろう。
‥それが官僚という次第と言えようか。
> その体質は、権限を委譲しようと、はじめから請け負うことを宣言しない限り変わることはない。
> だからこその「責任省」の概念が求められるのである。
そこの概念をスルーしたままに、道州制への移行などあり得ないと言うことだ。
江戸幕府にしたって、飢饉対応は幕府が担うとして請け負ったのだ。
‥そういった所在をはっきりさせる必要があるとの見方である。
1-3)3
> ‥するとこうなるかもしれない。
庶民の誰もが、国家に助けて下さいと訴えに行く。
しかし、国家は多くの権限を地方に委譲しているともなれば、
‥これを官僚の糞融通の利かない頭でイメージすると、
「その件は、該当する地方の窓口でお願いします」と言いかねない。
ところがそうではない。
「はい、わかりました組織を上げて締め上げます」
‥まぁそんな感じになるだろうか。
> 国家こそが正義であるという気概が必要だった。
国家が権力を集中させて、一手に握るから悪者扱いにされるのだ。
ならば、水戸黄門になれば良い。
‥地方に沙汰を加える次第を中央の仕事にするのだ。それが責任省の存在感になるはずだ。
とは言っても、それがすべてではない。
最終的にケアに付き合うべき感覚は、どちらかと言えば、医療の感覚だ。
国家の不祥事でさえ、責任省が担うことになるのなら、
水戸黄門面でばかりでも居られないと言うことでもある。
逆に言えば、閣僚は訴えられるだろうが、責任省を訴えても意味が無いという中身になる。
これは中央官僚にしてみれば、革命的な解釈と言えるだろう。
‥ただし、資本主義のルール世界で、この責任省の概念は成り立つまい。
そもそもにして財源が課題になるからだ。
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