記稿.2015/08/05
> 目的の無い散歩は残酷だ‥なんて思っていたが
ナンバ歩きを習得して、さらにナンバ走りへと至る‥という好奇心を抱くと
そんな退屈感はどこへやらになった。
> ポイントは三つほど挙げられる
まず、足で歩くことしか考えていないようでは覚束ない。
先んじて腰で歩くのだ。
‥腰で歩く感覚とは
腕からパンチを繰り出す時、威力があるのはジャブよりストレートだ。
ようするに、腰を意識してツイストさせて脚を繰り出すのが良い。
そうすることで、歩幅が出せる。
ただし、そればかりを意識しているとフォームが悪くなる。
結果的に、先んじて後ろ首の付け根から歩く形になる。
身体全体の体重を左右交互に振り分ける必要から
姿勢を良くして軸線をぶらさずに首の付け根から、身体を左右交互にぶん回す感じになる。
> しかしこれだけだと筋肉一辺倒に陥りがちだ
ナンバ歩きはそれだけではない。
カラクリ人形のように、体重の移動を、骨でやり繰りすることも忘れては為らない。
身近な例で言えば、ペンギンだが‥朦朧とした人がふらふらと歩く時の状態がそうだ。
力を限りなく使わずに歩くにはアレが好い‥ギッコンばっこん‥ギッコンばっこん‥
右に倒れそうで、ふらっと左に寄って、左に倒れそうで、ふらっと右に寄る‥繰り返し。
これを、下り坂でやってみるとよく分かるが、力をまったく使わずに機能的に進む。
あと‥ある程度、路の状態は凸凹していた方が、そういう感じに歩けやすい。
そういう意味では、完全舗装の真っ平らだと、ナンバ歩きはたいへんだ。
‥そこで、積極的に身体をツイストさせて進行する感覚が大事になる。
> ところが
そんな感じで走って見ろと言われると
誰が考えても、反復横跳びで走らざるを得ないだろう。
右側に体重が掛かる‥そこをグッと堪えて、やや左前に跳んで‥
左側に体重が掛かる‥そこをグッと堪えて、やや右前に跳んで‥
スキーやスケートと同じ体重移動を、滑らない状態でやる形になる。
スキーやスケートの場合、滑るという行為自体の中に、体重の移動とバランスの確保が備わるが
滑らない状態では、どこでバランスを保つのかという課題が生ずる。
そこで、両腕をヤジロベエのようにして扱うということらしい。
‥ようするに、無駄に振る必要がない場合は、ほぼ腕を左右に置いたそのままだし
必要とあれば、バランスを取るために勝手にヤジロベエが反応しているという趣になる。
> まぁそんな塩梅で、すっすっすと歩けると、明らかに従来の二足歩行とは違うという感じになる
しかしまぁ、身体が慣れないと
少しリズムが変わるだけで、そんな感覚はどこへやらだ。
‥その前に体力落ちちまってんで、疲れると同時に集中力も途切れる。
とにかく、ナンバ歩きで歩こうとすると、自然と背筋を伸ばして歩かざるを得ず
気がつけば、ものスゲー集中している状態を発見する。それはまるで「歩く禅」とさえ思える。
‥江戸の士は、無駄な物をぶら下げていたのではなく
ものスゲー集中力アイテムをぶら下げていたとも言える状態にあったと思われる。
そりゃ、身体の使い方が違えば違うほど、その個人の集中力も雲泥の差だったと言うことになる。
(ナンバ歩きでより速く動ける=腰を積極的に使えている=無駄な動作が少ない=集中力ハンバない)
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