1-3)記稿.2015/12/01
その当時、フランスは奴隷制度を手放した。
その影響は植民地の各地に及んだ。
とくにブラジルの農地利権を維持する上で黒人奴隷の存在は欠かせない部分が大きかった。
奴隷から解放された人々の多くは
大方、自由の国アメリカを夢抱いたか、より稼げる仕事を探したかのどちらかだったろう。
中には、そのままそこの農場と労働契約を交わして残る者も居たかも知れない。
‥それにしても、労働力の激減は、起きるべくして起きた。
> そこに手を差し伸べたのが日本政府だったという。
「ブラジル移民希望者に夢を抱かせたのは詐欺か?、それとも妥当だっただろうか?」
1-3)1
日本ブラジル移民は、奴隷の代わりに使役されることが前提だった。
だから、今時の派遣労働さながらに、
現地のフランス経営農地からは、不公平な契約条件を突きつけられた。
‥しかし、条件的には、日本に居たままであれば叶わない可能性には満ちていた。
それは、開墾した土地が自分の物として認められるという実際だった。
(※土地の多くはブラジル政府管理にあった。)
ジャングルの開墾は熾烈を極めることになったが、勝ち取る者たちも確かにいた。
‥夢破れたとして、別の選択支を探す者たちもいた。
> ここで問題の焦点になるのは
当時の日本政府が、フランス政府と何らかの利権取引を絡めていた場合である。
なぜなら、是はそれままに人身売買に触れることになるからだ。
‥明らかに労働力の輸出に相当する中身である。
選択支として帰ってこられるだけの資金的な工面を、政府が折り合わせていたのなら
そんな意味合いは一つも無い。
しかし、まったくの自腹を要求するばかりだったなら、人身売買を同然視されても仕方あるまい。
> そもそもの、さらなる歴史の裏舞台として
列強に対して、奴隷制度の廃止を主張したのが、日本官僚の誰かという流れが思い浮かぶ。
確か‥国際連盟の創設に影響を及ぼした人物が居たはずだが、その流れかと思われる。
さぁ‥それもどうだろうか。
良識ある一官僚と政府の思惑は必ずしも等しいわけでは無い。
それでなくても大事業だ。予算の都合が大いに絡む話でもある。
1-3)2
> ここで言いたいのは、当時の実際の是非では無い。
移民や難民の裏側にあるだろうそれぞれの関わりに注意を払わないでいると
自らの行き先を、自らの選択で以て、自らを不徳に扱ってしまうと言うことである。
どこどこの国は、難民の引き受けに協力的で無い‥それは不公平だと言い放つ以前の課題として
難民が生じることになった経緯に目を向けるべきである。
‥海外渡航労働力にしても同じことである。
そもそもの多くが
現地政府の不徳が招いたことであるならば、
その政府の態度をどうにかするのが根本的に求められることだ。
‥それが現時点的にすべての支援における国際的なスタイルでもある。
‥当人ひとり一人を国家としてみれば尚更である。消滅させれば良いという内容では無い。
戦争が根っこにあるのなら、武器を売らない事が先決だ。
しかし、武器はどこからともなく調達されている。
どう考えても、そこにはまやかしが潜んでいるのだろう。
やろうと思えば、いくらでも封鎖できるはずなのにそうではない。
‥その根っこには、それが商売の自由だからと言わんばかりの事情がある。
> では、自然災害でどうにもならない事情に対してはどうだろうか?
難民の側はまず、その受け入れ先の国民としてのモラルを身につけるべきで有り
従来通りの勝手が即座に成り立たないと言う次第を理解するべきである。
‥できかねるようなら、どこの国でも起きているイジメ同然の扱いに見舞われても致し方あるまい。
しかしどうだろうか‥
その以前問題として、旅行先でさえ、そのどをわきまえぬ姿はどこにでも見られる。
同じ出身の者らが、それらを普段から撒き散らしていれば、
‥いざという時に受け入れて貰えないのは織り込む済みというものだろう。
難民として追い込まれると、そこまでの意識が尚更に回ることがない。
‥それは、集団になればなるほど手が付けられなくなる様だ。
しかし
基本的人権の宣言という奴は、そんな日常の私的感情をさらさらの論外にして存在する。
そう有るべきで有るとの一方的な通達でもある。それでも‥
自らの信条にそぐわぬ宣言を掲げているのか、そぐわないのは相手なのか
それとも自身の理想にあるのかは、振り返られるところに乏しい。
それの意味では、
基本的人権も又ただの言葉で有りえ、
戦争の放棄と同じく、誰も本質的な解答を示すことができないでいる。
科学力の伴わない、和合の伴わない理想的な宣言を、文言にしたためぬ方が好いのかも知れない。
1-3)3
> ‥所詮、宣言とて
方向性の提示であって、可能にあるかどうかは定かではない。
確かに行使されるかどうかにしても、状況や相手を選ぶことになるのが実際の所だろう。
‥そこの所を細かく示そうとしても、解釈は多様であり、ぼろは出る。
‥所詮は人材力なのだ。情熱を欠いた上司の下では何も進みやしない。
でも通常は、そこの食い違いを、選択の自由として認め合っている。
なればこそ、自由を矛や楯にしても、自由は勝ち取れやしないのだ。
自由を勝ち取れるかどうかは、普段からの誠実に基づく。理想の呪文にありゃしないのだ。
‥当時、移民として成功するかどうかも同じことであった。
それにしても、そこが地獄に見えたというのが現地に渡った人たちすべての本音だった。
> 当時、フランスを始めとした列強は、地獄を飼っていたのである。
自由を得るとは、理想の傘からなる保障になどない。
傘をかざす者は‥傘に安寧する者からは‥所詮何も開拓される所がない。良くてそこは地獄のままだ。
本来の自由権とは、自立への自由を意味する。
又そのような自由は、公共の自活へと広がって行くものだ。
‥自分勝手の自由なり、勝敗の自由性などと解釈する方が、そもそもにしてねじ曲がっている。
‥そのような連中と関わらざるを得ないのなら、飛び火込みもまぁ当然か。
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