2016年02月19日

【刮目】マイナス金利の整理

記稿.2016/02/19

> マイナス金利とは、お金を貸した側が借りている側に金利を払うことを想定する。


 すると、口座や当座に預ける側は、貸している側に位置するので手数料を引かれる形になる。
 しかしこの関係はややっこしい。


 まず基本的なこととして、ローンを考えてみよう。

 貸している側が借り手に利息を払う事になるのだから、
 分割が多くなればなるほど、貸し手が損をすることになる。

 できれば、分割を少なくしてその分を値下げしてでも、短い期間で支払って貰った方が好い。
 ‥しかし実際、非正規が増加傾向の時代に、短くなんかできるわけがない。
 ‥そして、ローンを支払う方としても、支払い期間が延びるのはうれしいことではない。


 BtoBでの支払いを考えた場合は
 思いっきり分割を多くすれば、政策になるかも知れない。
 ‥しかしそれはそれで、銀行側は支払いを細かくして分割を増やす対応をするだけのことになる。
 ‥無理に貸し付ける意味は発生しない。また、敢えて損を覚悟でそれをすすめる必要も無いのだ。

 ただし、銀行がそれを請け負わなくても

 企業間の側でお互いの支払いを細かくするように契約し直して、
 マイナス金利をやりあうことは出来るかも知れない。(感覚はポイント還元だろうか‥)
 ‥でも最終的には、銀行が自ら音頭を取る必要が出てくる。

 そしてこのマイナス金利の効果は、借りないことには発生しないことから(消費)
 ‥ただの割引と同じ効果として眺めることが出来る。
 ‥一番に割引を強いられることになるのは、まぁ銀行ということだ。


> では市中銀行としてはどうなのだろうか?


 まずは、中央銀行とは何かを考えるべきである。

 なぜなら、中央銀行に市中銀行が預金を預けなければ好いからだ。
 市場においてもタダそれだけのことだ。そうすれば金利の関係はぷつりと切れるだろう。
 それができれば、政策金利など何の意味も無い。
 ‥では、どうしてそれが成立しないのかに注目すべきである。


 市中銀行が中央銀行に預金せざるを得ないのは、
 流通している資本の大きさを届け出るような仕組みにあるからだ。
 お互いにその資本の大きさを確認しないと最終的に市場で何が起きているのかを把握できない。
 ‥その点を中央銀行に預けるという形で管理して来ている。

 余剰資金などを中央銀行に置くことで、
 国債を買ったり、市中銀行間で行われる入金と出金の差額から無担保コールなどを繰り返している。
 ‥市場に貸し出すよりは、そちらの利ざやが動機付けで金融が成り立っている。

 それもあるが、日々の利ざやの計算から中央銀行を外せない一番の理由は信用創造だ。
 中央銀行から借りてくる信用創造は、実は、入金と出金のど真ん中に位置している。

 「どうして市民が預けたカネを種銭にして貸し出すことが出来るだろうか?」

 それはそのままにぐるぐると回ることになり、市中銀行としては誰のモノかを主張できなくなる。
 預かっているお金が手元にあるとは限らない状況に置かれるからだ。
 そこで混乱を事前に小さくする為の手段として、担保を準備させる。(準備預金)
 その担保を中央銀行に定期的に納めることで、中央銀行から刷ったカネを引っ張るのだ。
 ‥簡単にそれを信用創造という。


 担保に金利は付かない。でも預けているのだからマイナスになると金利を払う形になる。
 ‥ただ、規模として担保の方が圧倒的に小さいのは言うまでもない。
 ‥それでも預けてある担保が小さくなると言うのは、市中銀行としては大問題だ。

 一般の預金で考えれば、
 それの総額は、市中銀行にしてみれば中央銀行に対しての担保上限の最大を意味する。
 ‥最大と言っても、日々の経営等での運用枠を外すことは出来ないから、尚更に目減りを嫌う。


 陰謀論的には、マイナス金利が庶民のカネを吸い取るなどとの懸念があるが
 中央銀行が政策金利で金利を得られる規模とを比較した場合、それはどう考えたって小さいのだ。
 ‥中小が借り剥がされて倒産に追い込まれるよりは、市中銀行が身銭を切ることになる方向性だろう。
 ‥トカゲの尻尾切りだ。

 ならば、市中銀行の選ぶ道は一つしかない。
 中央銀行を見限って、政府通貨に音頭を向けざるを得ない‥まぁそういう流れかと。


> 実際その前段階として、日銀はずいぶんと国債を買い上げている。
> 市場には潤沢に買えるほどの国債が無いのだという。
> つまり、日銀と市中銀行をいつ切り離しても混乱が起きない手順を踏んできていると考えて良い。


 日本政府は未だ陥落できていないようだが、日銀はすでに陥落できているように思われる。
 ‥黒田はちゃっかり・・・・イの立場にあるのではないのかと。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 23:39 | Comment(0) | 刮目/2016 | 更新情報をチェックする
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