2016年03月17日

【二次創作】のんのんびより 05 このあと歓迎会までにの巻

↓1)改稿.2016/05/01...20160317...

 本日この後(一旦帰宅してから夕刻)
 宮内家において、凸激の歓迎会が予定されていた。
 ‥凸激にはとくに断る理由はなかった。それよりも宮内先生の実家という所に興味が注がれていた。

 自分で詠んだ短歌のままに、凸激は、
 ‥宮内先生のことを、妹想いのよくできた良い先生だとして、まんま信じ込んだのだった。

 もとから、凸激は、自転車を学校に置きっぱにして、帰りはバスで帰る予定だった。

 この日の朝の都合上、
 どうしてもバスの乗り降りでヘマをするわけにはいかなかったし
 そもそも、日に数本しかないバスの朝一番の様子がどんな具合かは、
 実際に乗ってみるか、分校メイトから聞くまで、凸激には信じられない顔だった。


 そんなこんなで、凸激は、自分の自転車を校舎の中に入れて置くべく、
 れんげと蛍に校門の前で、少しばかり待っていてもらったのである。
 ‥二人にしても、凸激を宮内家まで案内する向きがあった。それでなくとも乗るバスは同じだ。


 「へへ、待たせたな。
  先生も『良いよ』って言ってたから、俺の自転車、校舎の中に置いてきた
  ほんと、宮内先生って、すてきな先生だよな、大当たりだぜっ(にこにこ)」


 「くふふ、どうやら大当たりの意味は、お気に入りの意味だったようですね」
 「浮かれていられるのも今のうちなのん
  姉ねえのいつもの姿を見たら、きっと残念に思うん‥」

 「くくく、ぷっ、あんなの見たら、ゆうちゃん‥どんな顔をするのでしょうか?
  今からそれを思うだけでも笑いがこみ上げて来ちゃいます。ぷはははっは」

 (ほたるん・・・なんかキャラ変わったのん)


 「おーい、二人とも!、なにしてんだよ、早く来いよ!」


 「んなっ・・・いつの間に、坂の下まで行ってるのーん」
 「それじゃ、わたしたちも少し走って行きましょうか」


|これからの通い路くだる帰り道 友よぶ声になんと青空



1-1)1

 その頃、宮内一穂は、職員室でひとり考えに更け込んでいた。

 転入早々の進級始業式に、まさかの校歌を覚えて堂々と唄っていた凸激‥
 教室で何を訊きだしていたかと思えば、短歌にしてずばり自分の当時の想いを言い当ててきた凸激‥
 その自信も才覚も、まさに、名前のままに突撃してきたのである。

 このまま夕向凸激を野放しにしていては、きっと、危うくなる‥

 それは、教室に置かれてあった凸激の持ち込んだバッグの中身を見ても明らかだった。
 中学用の参考書に問題集‥やる気満々に見えるのが、一穂には逆に痛い。
 自己紹介の時には何も口にしていなかったが、
 ‥あのバックの中身とその意味を、蛍とれんげだってすでに知っているに違いない。

 あれは、迷うことなく本気で攻めに来ている姿勢だ。一穂はそう考えていた。


 ガリ勉風には見えずとも‥否、だからこそ尚更に‥
 高校課程制覇までの道のりはそんなに生やさしいものではないのだから‥
 嵐になる前になんとかしなければならない。

 それでなくとも
 ここ旭丘分校は小中学校であって、高校でも予備校でもないのだ。
 そこを優先して良いなどということに偏られても困るのだ‥


 一穂としては、如何にして凸激にブレーキを掛けさせて、
 自分の知っている旭丘分校の校風になじんでもらうかだった。

 「一体‥どのようにブレーキを与えれば良いというのだろうか?」

 一穂に残された時間は少なかった。

 なんとしてでも、今日この日のうちに切り返す必要を感じた。
 それは、凸激自身が示してきた姿勢でもあったからだ。
 ならば、同じようにして切り返すしかあるまい。それが釣り合いというものである。

 残されたチャンスは、
 自分の根城、宮内家で催す凸激の歓迎会をおいて他には無い。

 一穂は、教師としての貫禄を示す為にも、その切り口を見つけざるを得ないのだった。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 13:43 | Comment(0) | ネタ文学 | 更新情報をチェックする
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