↓4)改稿.2016/05/01...20160322..20160318...
れんげ、蛍、凸激の三人がバスを降りると
各自お昼御飯を食べて来てから、またバス停に集合という事になった。
それから
先に来て待つことになったのは凸激だった。
することもなく、バス停の長いすに座り込むと、凸激はのんびりと物事を観察し始めた。
|バス停の長いすで待つタンポポのふわっと飛んでく春の風
|ナナホシの飛んできて止まる吾が袖にゆかしと思えば飛んでゆき
|待つほどに風に揺れたるヒナギクの仰げばのんびり雲の行く
|姿などあるのかないのかわからない雲は肌着ぞ空すっぽんぽん
「おっ、来たようだぞ
やっぱりれんげが先かぁ、まぁほたる姉は時間掛かりそうだからな
予想通りだけど‥何を唄ってんだ?あいつ」
1-4)1
|なかなかの女子が一人やって来たそこのけそこのけにゃんぱすー
「とっつん、待ったーん?」
「軽いな、おまえ
俺は今、自分がデート待ちしていたのかと思ってしまったぞ」
「なぁ!☆‥んですと、いつからウチとあんたはそんな関係になったんですのーん?」
「・・・(ふッ、おもしろいこと思いついたぜ)
実は、ひとりで待っている間にだな、
先に来た方を俺の嫁にしようかなと言う恋占いをしてて
そこにやって来たのが‥れんげ、お前だったのさ」
「なぁ!☆‥そんな大切なことが、そんなことで決まってしまいますのーん!☆」
「ただの暇つぶしの占いだ、気にすることなんてないだろう
気になるなら、そこらのヒナギクで花占いでもやってみろよ」
「・・・・」
「いやんー♪」
(なんだよ今の間とリアクションは??)
1-4)2
そうこうしているうちに5分がすぎ10分が経っただろうか、
なかなか来ない蛍に、暇を持てあましたれんげが、なにやら動きだし
バス停ベンチの向こうぎわに咲いているヒナギクの一輪を引っ張って千切った‥
先ほどの凸激の言葉が気になっていたらしい。
「え?なに?、れんげ‥マジやるの?」
「さっきから、このヒナギクと目が合ってしょうがなかったのん
ほたるんまだ来ないし暇だからやってみるのん」
れんげはそう言いながら、戻ってくると、またベンチに座った。
「言っとくけどな‥あくまで暇つぶしなんだからな、結果がどうあれ気にすんなよ」
1-4)3
「‥‥なる、ならない、なる、ならない・・・なる☆!(痛ァ‥)」
「あーあ、なかなかに運命的な風を引っぱっちゃったな
ただでさえこれから顔を見合わせる毎日だってのにな、変に意識するなよ」
|風に舞う花占いの花びらの言い当てるまじ是ともなきに
凸激が何を思ったか、花占いの気持ちという奴を風流に詠み上げると
れんげは、ますます運命の二文字に弄ばれて行くような気分に誘われた。
「ダメなーん☆
ウチの婿さがしこんなところで打ち止めになるんなー
まだ小学四年生なんに‥」
「ぷわははははっ、それを言うなら俺だって同じだぞ」
「え‥そうなん?」
「れんげは、俺の来る以前に分校の男子って何人いたんだよ?
俺なんか、女子のいる学校自体が、今回はじめてなんだぜ
たまたまそれで人生決まっちまったら、狭すぎるだろうに」
「中三の兄にいが一人居てなー、学校では一年間だけだったん
あとはみんな女子だけなん」
|世の人の「世間は狭し」のたまえど ほんとの狭しぞ男と女
「あ☆ッ」(ひゅるりー)
凸激は墓穴を掘ってしまった。それではそのままを認めたような詠みである。ふたりして
何はともあれ、もしそうなろうものなら、それはそれでどうしようもなく冷え込むのだった。
ただでさえ頭数の少ない分校での出会いがそのままにゴールというのは、どうなんだろうなと‥
1-4)4
‥ようやく蛍が現れた。
「はーい、おまちどおさま♪・・・あれ、なにかしらこれ?」
蛍がやっと来たと思ったら、目ざとくも花占いのあとを見つけてしまったのだ。
蛍はそれを拾い上げると、茶目っ気たっぷりにこう訊いた。
「だれかなぁ、花占いしたの?」
この状況は‥
さすがに、れんげも小っ恥ずかしいと思ってか、目の焦点をずらしたままに黙っていた。
そこに凸激が、口笛を吹きはじめ、上の空を見上げながらそっぽを装って見せていた。
その様子を見て取ると、蛍にはなんとなくのおおよその見当が付いたのだった。
れんげもその様子を横目にして、何がどうなったのかがバレバレだと感づいた。
(花占いはお花畑でやらないとだめだったのーん、うっかりしてたん‥)
少なくとも、れんげが凸激の来る前にわざわざ花占いをする意味などないわけであり、
凸激が目の前でしてみせる意味はもっとないのだ。
ところが、それをあれこれ口にせずに
口笛一つで説明をしてしまっている凸激を見ていると、蛍はことのほかこう思うのだった。
(あのれんちゃんがねぇ‥乗せられちゃうなんて、ゆうちゃんて、ますますかわいい♪)
|年上に見られて冷ややか思うのは恋路に絡む二択かな
一方の凸激は凸激で、
口笛の音の中にかような気持ちを乗せて詠んでいたのだった。
‥凸激にしても、花占いのあとがすぐに蛍の目にとまってしまうだろうことを考えていなかった。
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