2016年03月22日

【二次創作】のんのんびより 09 再び駄菓子屋への巻

↓2)改稿.2016/05/02...20160322...

 トンネルを抜けるとそこは駄菓子屋の見える通りだった。
 こちらのトンネル路から駄菓子屋に向かうのは、凸激には、今日がはじめてだった。
 その何となくの夢見感覚に、凸激はぼんやりとしたものを感じた。
 その余韻に浸ろうと思って凸激はすこしばかり歩みを緩めた。

 ‥先に、蛍とれんげが、駄菓子屋の中に入っていくのを見届けると
 凸激は、少し離れた位置から、そのまま店の外をしげしげと観察した。
 どんなに眺めてみても、こないだ来た時とさして変わりはない。


 そうこうしているうちに、店の中から和気藹々とした声が聞こえてきた。


 男一匹、女子のそれを聞く度に思うのは、どうやって切り込むのかでもあった。
 するとなにやら、茶目っ気たっぷりの一首が浮かんできた。
 ‥凸激は、店の入り口に姿を見せるや否や、言い放った。 


|トンネルを抜けて駄菓子屋 菓子の家 棲みたる魔女は楓姉


 「誰が魔女だッ!お前また喧嘩売りに来たのか!?」

 お約束にも店から外に届くほどに、楓の落ち着き所の無きむしゃくしゃが返ってきた。
 それにはさすがに、店の中で駄菓子を選びはじめ出した蛍とれんげも驚いた。

 ‥この二人の間に、すでに何があったというのだろうか?

 「駄菓子屋、なにそんなに怒ってるのん?」
 「・・・怒ってなんかいねえよ、気にしないでそのままでいいぞ」



1-2)1

 凸激は、れんげが楓のことを「駄菓子屋」と呼んだことに首を傾げた。
 それは、お店の店主を何と呼ぶかでもあった。
 駄菓子屋を営んでるから駄菓子屋でも、それはそれで相当になれなれしい感じである。

 ‥それは凸激が、かがやの主のことを「楓姉」と呼んでみても好いものかという疑問でもあった。

 字数に合わせて歌には詠んでみたものの、そこはやっぱり踏み込んで良いのかは分からない。
 まぁそんなのは、直接本人から聞いた方が無難だが
 ‥さて、どう聞き出せばうまく行くだろうか?


 「楓さーん、楓おねーさん、加賀屋さーん」
 「なんだよお前、今度は」
 「今さ、れんげが『駄菓子屋』て呼んでただろう
  どれも感じとして、しっくりきてないなーと思ってさ」

 「なら‥楓様と呼べッ」
 「へぇ☆・・・」
 「なんだよ、おかしいかよ」
 「‥ずばりおかしいだろう、お姉ちゃん‥自分の歳考えて言ってるのか?」


 「うる・・せ・・」、また声を荒げようとしたところで、
 楓の目に、れんげが飛び込んできた。そこで、楓はふと思った。

 なるほど‥こいつをうまく使えば、
 ひかげと夏海に毒されてきたれんげの「駄菓子屋」呼びも直るのではないのかと‥

 確かに、凸激の言う通り‥自分の歳を考えれば、未だに楓様などという呼ばれ願望を抱いているのも
 大人げないし、何よりそれでは、れんげにまたそう呼ばれかねないとも限らない。
 そうなのだ‥れんげには「楓姉」と呼んでもらいたい‥楓は常々からその思いを抱いてきた。
 ‥このチャンスを逃がすという手は無いのだった。


 「じゃ、楓姉でよろしくな」
 「じゃ、楓姉、俺のことは凸激でよろしく」

 「ちょっと待て‥

  その『とつげき』って言うのは紛らわしくないか?
  映画に出てくるエスピーやら警察の前で、そう叫んでもみろ
  テロと勘違いされかねんぞ」

 「なッ☆、そんなことないだろう、ここ田舎だし‥」
 「そうでもないですよ、ゆうちゃん」

 「うわぁ、ほたる姉いつの間に・・」

 「ぷ‥
  蛍は『ゆうちゃん』って呼ぶのか、あははははっ、そいつはいい」
 「ウチと姉ねえは『とっつん』って呼ぶのんな」

 「なら、『とっつん』で決まりだな」



1-2)2

 いつの間にやら、女子二人が聞き耳を立て、興味ありげにこちらに集まっていた。
 そりゃ注目もするし集まりもするだろう。店の中は狭いし、そういうものである。

 凸激は、「とつげき」の響きが大のお気に入りだった。自分では格好いいと思って来た。

 しかし、今ここに打ち砕かれてしまったのである。
 いまだかつて‥
 テロと勘違いされかねないなどという視界は、微塵たりとも(1ミリだって)考えたことがなかった。


|轟沈だ!吾が名の「とつげき」テロまちがう???‥このまま暮るる夕日かも OTL


 ‥凸激はそれを詠み上げることなく、心にしまい込んだ。
 そんな残念な名前などでは、決してなーい!

 俺の名は、夕向凸激‥だ、でっかい夕日の光景そのものなんだと‥

 凸激には、まだまだ
 女の子が「とつげき」などと‥路端で声を放つ日々模様が、どれほどに
 はしたなく見えてしまうかといった感受性は、培われていなかった。


|筋違い分かればスッキリ腑に落ちよう!YOUの視点のその未熟

posted by 木田舎滝ゆる里 at 23:22 | Comment(0) | ネタ文学 | 更新情報をチェックする
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