2016年04月23日

【二次創作】のんのんびより 23 卒業と蛍の巻

改稿.2016/05/14...20160423...

 ー 時は過ぎ、すっ飛ばして、蛍が卒業間近の3月 ー

 その年は例年になく、早くに桜が満開になった。
 卒業式まであと僅かばかりだった。
 三人は、机を窓際に沿い付けて、しばしの窓辺咲きを楽しむ。

 ‥凸激は懐傷にも、自分が転入してきた時の事を思い返していた。
 ‥それは蛍にしてもれんげにしても同じだった。


|過ぎし日々追い綴らむと花の咲く卒業近づく友との窓辺


 ついに卒業式の朝。
 蛍が記念に写真を撮ろうとカメラを持ち込んでいた。
 少しずつ散り始めていた桜の前、三人で一緒に写真を撮った。


|けふ風にひとひらひとひら散れり花 思いとどめむ卒業す友


 長かったような短かったような‥蛍との分校生活が終わった。
 卒業していく蛍の胸中が如何ばかりかなど、凸激には知る由もない。
 ‥ただそこに募る気持ちは、誰が巣立つ側でも変わらないのだろう。
 ‥桜だけが、それをよくわかっているようだった。


|舞い降って花も祝うか門出咲き泪か笑みかうしろがみ覚ゆ


 卒業式が終わった。門出咲きのその中を蛍が去っていた。
 四月からの旭丘分校の生徒は、れんげと凸激の二人になるのだった。


|在校の幹を残し友巣立つふたりだけに減りさびしき分校


 ‥この日
 凸激は、自分にしても小学校の卒業式だったが、そっちはまったく気にすることがなかった。
 なにしろ、また同じ校舎に通うのだ。それが旭丘分校に通うこの地域の事情だった。

 凸激が目標だった中学課程をやりきれたかというと、幾分まだやりきれていなかった。
 ‥そういう意味合いも含んでいたかも知れない。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 10:21 | Comment(0) | ネタ文学 | 更新情報をチェックする
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