2016年06月09日

【プレバト】東京駅と虹、俺も詠んでみた

向宜詠吟.2016/06/09

|首都の駅 虹は東に日は西に
|喧鬱の合間に虹か‥都心雨後
|明日求め東京駅から虹と発つ
|太陽さえ雲借りずんば虹を得ず



> うた詠み終わります、ありがとうございました。


語稚草

喧鬱【けんうつ】‥喧騒と憂鬱。都会の忙しさに垣間見るような倦む日常。



稚草

> ご存じ、与謝蕪村の「菜の花や月は東に日は西に」をリスペクトしてみた


 ‥発句は、普通に読んでは単に
 東の空の虹もきれいだけど西の空の夕時な頃合いの太陽も良いよねという
 ちょっぴり欲張りさんな詠みになってます。

 ところが、裏返して読むと
 発行権が西にあっても、希望は東にしかないという意味になっとります。
 ‥東京駅はまさにその象徴的焦点かと。

 希望なんざな、所詮‥影。
 されど、太陽からしても雲の手を借りなければ虹すら架からない。
 虹の向こうに行こうなんて思うな、太陽になれ‥という次第でも片手落ちだと。
 ‥そういうことの言いたき四景句になっとります。


 いやぁ、なかなかにきびしい攻めだな。
 挙げ句は俳句じゃないけど、言われてみればそりゃそうだって云う一行訓での仕上げっすね。


> それにしても


 ‥東京駅とか新幹線とか富士山とか、いい加減にしろよ、ふざけんな!
 同じお題の繰り返しに、もはや着眼自体に風流を感じねぇッ。

 遂に来た、梅沢富美男の名人位昇格。以後その上の段位の師範に挑戦!
 ‥その中身が、名人初段からの名人六段への道のりというオチは、なかなかおもしろ。
 ‥師範の下に置かれた名人位の矛盾を、名人段位制で解消するとは、バラエティながらに天晴れ。

 ということは、まだまだ番組も続けると云うことか。
 俺はてっきりそろそろ終了するのではないかと思ってたけどな。
 ‥お題がワンパターンだし、その辺はほんと勘弁してもらいたいぜ。



手直し.2016/06/11

|父母兄も渡ってゆきし虹の橋  西郷輝彦
虹わたりゆきし父母そして兄  手直し(夏井いつき)


 お兄さんを二人亡くした気持ちが父母兄もの「も」に気持ちを表さんとしてのことだが
 ‥容赦なく、単数形に据え置かれてしまった。
 ‥単に「も」の用法にケチを付けるにしても、その辺を置き去りにしては失敬だ。

 見てると、いつも感心するほど器用に手直してるけど
 ‥相変わらずその辺のテーマになると繊細さがないよね。

 この番組の詠みの特徴というのか、他界した云々の詠みの手直しが必ずと言って出てくるのだが
 ‥自分で滑っちまってるって気がついてないってのは、ほんと毒舌の賜だと思うよ。

 あと

 「わたり」も「ゆく」も同じ意味合いをウダウダ連ねただけだよね。
 「逝く」と書くのか書かないかの違いで、そういうツッコミになる。
 そして実際、きちんと成仏してるかどうかも知ったこっちゃないし
 ‥そういうのを霊視してるわけじゃないんだから、そんな直し方しても意味が無い。

↓(という好奇心から、手直しにさらにツッコんでこうなった‥)


|遥か虹 亡きし父母そして兄's 




ベル鳴りて立つ七色の夏帽子  ミッツ・マングローブ


 新しい才能を見つけました。
 最後まで展開が一転二転して読み手を飽きさせない。
 本当にお見事、
 久しぶりに気持ちが良いです。
 直し所なんか全然無いですよ。  by 夏井いつき


> へぇ、そうなんすかね、まぁ好みの問題なんだろうな。


 この情景を順序立てて確認すると
 ホームの発車ベルが鳴った時点でふと空を見上げたら虹がちらっと見えた‥
 そのついでに、駅員か誰かの夏帽子にも虹のような柄か何かの夏帽子が目にとまった‥

 そんな状況の最中に、同時に二つの虹を堪能できるわけが無い!

 有り得るとしたら,先に帽子の方が目にとまっていて、気がついて空をみたら虹発見。
 ‥というのが流れになるはずだ。もしくはその逆だ。
 ‥つまり、時間的な制約からどちらかしか詠み込めていない状況。

 となると

 表現されたままに解釈すれば、
 単に、七色のなんか飾りの付いた夏帽子を被って立っていた人を発車前に見ましたというだけの詠み。
 それだけの詠みに、そんなにうきうきしちゃうセンスって
 そんなにその夏帽子が夏らしく見えてるんすかね?

 さらにツッコむと

 お題を知らなきゃ、何のベルが鳴ったのかまったく判別不可能。
 ‥非常ベルかも知れないし、ケータイのお知らせ音かもしれないぞ。
 ‥まぁケータイだったら、それこそ、さぞやおしゃれな夏帽子を被ってたんだろうなって詠みだね。
 ‥それはそれで、おしゃれに詠めましたって才能だろうね。

↓(お題に素直に詠めばこうなる)


|東京駅に立つ七色の夏帽子



|トランクの下の水たまりにも虹  梅沢富美男


 梅沢富美男はこれで名人位を取りました。
 ‥視点はとても良いですよね。

 でも、一つツッコむなら、「トランクの下」という見方が非常に残念。

 水たまりのある箇所って、いくつかまとまってるでしょ。
 ‥そうなるとですね
 水たまりがポツンと一つ二つしかないような雨上がりの空に虹なんかできませんよ。

↓(ならば、こうなる)


|トランクと歩く水たまりにも虹



> チッ、俺の詠みより、俺の直した奴の方がずっと良いじゃねぇーか!‥orz
posted by 木田舎滝ゆる里 at 22:06 | Comment(0) | プレバト俳句 | 更新情報をチェックする
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