2016年08月04日

【プレバト】風鈴のある風景、俺も詠んでみた

向宜詠吟.2016/08/04

|風鈴や遙かな音色 江戸の風
|風吹けよ鳴らずに見飽くクソ風鈴
|チリーン リリーン‥夕べを見つつ食う西瓜
|出迎えや風鈴トンネル旅の駅



> うた詠み終わります、ありがとうございました。


おまけ

|チャルメラや宵の境に来たる余韻



手直しの手直し(6).2016/08/05

|空仰ぎ田舎思いし鈴の音や  石川恋
|風鈴を仰ぎ田舎の空思う  手直し(夏井いつき)


 相も変わらず、ごった煮な手直しだな。(どこに中七があるのか‥)

 どう見たって、「風鈴を仰ぎ、田舎の空を思う」の変形だ。
 ハッキリ言ってしまえば、一行詩。「を」を抜いて俳句と思い込んでるだけ。
 ‥五七五のリズムにはほど遠い。

 手直したそれを見れば、即
 ↓の方が、五七五に適った詠みやすさと分かろうモノだが‥


|風鈴や田舎を思い仰ぐ空

 正しい五七五のリズムとしては、こちらが型という事であり、
 誰しもがそんな五七五のリズムに乗せようとして喘ぐのだ。
 ‥それでも、それぞれ意図は変わらず、其を凡人の視点とか毎度ぬかしておる。

 テメエが、なんちゃっての変化球で自己満足している姿は実に腹立たしい。



|畳あと風の音溶ける夏の空  ホラン千秋
|風鈴の空 畳み目の残る頬  手直し(夏井いつき)


 ‥なんでも詠み手は、
 寝起きに見た風鈴と畳み目のあとが自分の頬に残っていたのを表現したかったそうだ。

 手直しはそれを受けて、器用にまとめてあるように思えるが、
 どちらにせよ、季語がまったく以て脇役と化してしまっている。


 ‥どうして、そんなんになっちまうかというと

 句を詠もうというのに、寝起きの目に飛び込んできた風鈴の風情よりも先に
 自分の頬に残った畳あとの感触が、同じ比重というのが実に糞。
 その糞さを削らずに、手直ししても所詮クソ。


|寝惚け目に風鈴の空 夢うつつ


 頬に畳あとのパターン詠みが‥掃いて捨てるほどあるというわりには
 何がくだらんのかを掴みきれていないというお粗末に、ほんと毒舌までもがくだらねえ。



|遅咲きの睡蓮眺め我を見る  高橋ジョージ
|晩成の吾と遅咲きの睡蓮と  手直し(夏井いつき)


 ‥睡蓮を見ている影=自分と、遅咲きの睡蓮に重ね合わせてみている自分の二つの視点
 なんちゃらとして、手直しをし出したのだが‥
 音数を合わせんとして、なんだか吾を【あ】と読ませようとしている。

 そもそもの義務教育で習う吾子【あこ】にしてもそれは当て字だろうし、

 だからこそ、吾【あ】の用例にしても、ほとんど無しと広辞苑にもある。
 ‥素直に吾【われ】で好いだろうに。何、教養ひけらかしてんの?(すべってんじゃん)


 それにしても、ツッコみたくなる句に思えるのは、

 ‥どんな我なのかが、不明瞭である点だ。
 ‥悔いてんのか、安堵してんのか、そこも分からん。直すとしたらそっちの方向だよね。
 ‥「と」と「と」の韻がどうのの、やっつけ手直しの着眼はどうでも好い。


|遅咲きの睡蓮眺めもっと向こう


 ‥まぁこんな感じなんじゃねぇの。まだまだのヤリたりなさはあるわけだからな。



|風鈴を一緒に見た彼夏の恋  横澤夏子
|風鈴を彼と見上げた日の恋よ  手直し(夏井いつき)


 「彼と」と書けば、「一緒に」が即不用に。

 ‥で、ごった煮にも手直したそれを見て気がつかない。
 彼と見上げてんだからさ、「日の恋よ」なんて「恋」も要らねぇだろうが,
 そこの所をもっと具体的に示しなさい。
 普段から具体的にせずにいるから見逃しの繰り返しになっている。さっきのと一緒。


|風鈴を彼と見上げし余暇の風


 ‥なにやら、チューチュー始まりそうなお色気な空気になってきましたよ。
 ただそこに、風鈴があるというだけなのに‥
 (縁側で浴衣でも着てて、かぁ、青春してんなって場面に見えてくるだろうが)
 (‥人によっては、買い物途中の光景か)


> ‥良いですか、よく噛みしめなさい。


 俳句は一場面しか示せない。一心情しか示せない。
 だからこそ、よりエッジを利かせて、
 攻守攻防の如きハイブリッドに言葉を掛け合わせようと挑戦し続けない限り上達しません。

 しかも、五七五ですから

 それ以前の問題として、言葉を掛け合わせる文化色と言語構造が両立していないと
 俳句なる表現は生まれ来ることがありません。
 なぜ、俳句が日本語に、日本文化に生まれたのかと云えば、そうなる土壌があったからです。
 そこの敬愛をよそに言葉を選んでも、粋には見えてきません。
 ‥まず、日本の文化・歴史に敬意を示しなさい。外国かぶれの感性をまずははじいておくべきです。



|風鈴のリンリンと鳴く青き夕  キスマイ 千賀健永
|風鈴のりんりんと鳴く青き夕  手直し(夏井いつき)


 詠み手はまだ俳句を始めて一年程度、それ以前の素養が無いことから
 まったく気がついていないが、
 素直に‥「青き夕」は夏の季語として確立していると思う。(またしてもやられた感)

 ‥そうなると風鈴は要らねぇなと云う着眼に挑戦せざるを得まい。


|鳴きつたふ やわらぐ風や青き夕
|風来たか、風鈴までも鳴く日暮れ
|夕涼み 散歩に澄ます山の肌
|とけたくてヒグラシ遠く宵の風




|滂沱たる風鈴の音や市の朝  梅沢富美男
|手直しなし by 夏井いつき


 滂沱【ぼうだ】@雨のはげしく降るさま。A涙のとめどなく流れ出るさま。

 ‥ようするに、たくさんの風鈴が激しく鳴ってる様を斯様にも表現しましたと
 実に見た目には見事と誉めても差し支えない句に成立してはいるものの、
 よくよく吟味してみると「夏の朝」の光景だとした点にケチが付く。


> 皆さん、夏の朝から風鈴の音を聞いたことがありますか?


 俺としては無い。無いよね、夏の朝から風鈴が鳴るという光景はほとんどなし。
 それが市の朝ってんだから、相当だよね。

 風速にして4〜5m程度かな。3〜4m程度だとちらほらな感じだろうか。

 朝から滂沱たる風鈴の音ともなると、夏の朝のイメージとしては怪しい。
 夏の朝のラジオ体操にしたってな、風なんか吹いてなかっただろう。
 ‥日本の夏の朝とはそういうものだ。

 つまり、ただの言葉遊びに完結してしまっている。残念!


|縁日や滂沱たる風鈴一つ買う


 ‥まぁこんな感じなら、滂沱の説明を不用にできて良いでしょう。
 あ、でもアレだね、ガラス製の風鈴が全部ひっくり返って割れちまったようにも思えちまうかな。
 でも、一つだけ買うってんならそんなこともないわけで、宜しいかと。

 翻して云えば、「滂沱たる風鈴の音」と伸ばして説明する必要が伴ってる着眼なわけですよ。
 ‥まぁ朝の部分だけを手直しするとすれば


|滂沱たる風鈴の音や市のかど


 ‥とでもしておけばすっきりかと。



>ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 20:23 | Comment(0) | プレバト俳句 | 更新情報をチェックする
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