2016年08月11日

【プレバト】盆踊り、俺も詠んでみた

向宜詠吟.2016/08/11

|納涼や太鼓に提灯まわる御縁
|よき里や右に左に盆踊り
|いつ世でも久遠のにぎわい盆踊り
|醒めやらぬ囃子や踊り盆の夜



> うた詠み終わります、ありがとうございました。



稚草

> ‥詠めんのかなと思いつつ、すんなり降りてきた


 それはまさに、踊りに填まっている心風(ここち)
 まさに、盆踊りだよなと思うものの‥

 現代人としては、普段は冷めてるものだ。


 昭和アニメ定番のエンディング盆踊りを見ていても
 「なんだこれ〜」ってな感じになるし。
 地域にもよるだろうが、兎に角、様々な現代のヤリタイからすると
 ‥盆踊りなんか古いんだよッというのが日常の心境。


 ほうほうなるほど、でも結局は、個人主義では満足しきれていないと


 ‥それでも、格好つけんばかりにダンス必須とかになってると
 ‥どうしてそこに開きがあるんだろうね。盆踊りだって十分ええやん。

 ‥普通に学校祭で盆踊りだけやったって好いのに、そういう伝統は無い。

 ‥女子の浴衣姿見てぇんだろう、着てえんだろう、普通にそれで良いじゃねぇか。
 ‥何かがズレている。絶対におかしい。脱欧米化すべし。



手直しの手直し(4).2016/08/12

|胸踊る汝(なれ)の浴衣に音が響く  堀田茜
|君の浴衣に心音の響く夜  手直し(夏井いつき)


 ‥学生時代に彼と祭りに行って、いろんな音が聞こえていた。(心音爆々中)
 ということで、手直しが入ったわけだが、やっぱり1行詩のセンスだよね。
 それも、男が詠んでも女が詠んでも違和感が湧かないようなそつの無い攻め。

 「君」の言葉の持つ響きはどうしたって、「彼女」の代わりなんだよ。

 ‥女が読むなら素直に「彼」って使えやぁ‥って思うよな。
 ‥しかしこの場合詠み手は女子なんで、そのように読まざるを得ない。


|心音や彼と浴衣で夜風かな
|盆踊りよそに隅へと手を引かれ
|何するの?‥俺とお前の納涼祭‥ キタ━━━(゚∀゚)━━━!!
|聞こえ来る囃子の蔭で睦ぶ夏



 ※ 学校で盆踊りを始めると途端にこんな光景に頭が痛くなりそうだが
 それもまたあってこそ、地元愛にも結びつくというモノだ。
 ‥そこを削っちまうお行儀の良さとは一体何だろうね。
 ‥意味有るの?、過疎化しだしたら秒読みだよ。




|亡き母とならんで踊る月あかり  秋野暢子
|亡き母と並びて踊る月下かな  手直し(夏井いつき)


 「おおっ、滑ってねぇ」‥ようやくこの手のテーマで師範らしいキレが見えてきた。


 ‥それにしても踊るで季語かよ。知らんかったぜ。しかも初秋。
 夏ちゃうのか?‥変だろう。「納涼」は夏でさぁ、「踊り」は秋??
 なんか納得できねぇな。昔の感覚に沿ってんだろうけど、だったら納涼も秋にしたいところだが
 「涼」の字自体がどうしても秋の余韻ではない。
 「浴衣」だって怪しいよな、踊る時に着てるじゃねぇかよ。

 どっちかを夏に押し込むとしたら、「踊」だろう。

 そうすると月がどうしようもなくなるな。だったら月を季語から外しゃいい。
 月単独なら、月は秋の季語。其の他の季語が入ってきたら、そちらが主体。
 ‥そういう約束事にすりゃ好い。星だってそうなる。
 ‥太陽だってそれに従えば、単独なら夏の季語にできるわけよ。
 ‥夕焼けが秋のくせに、最も頂点に来たる夏の太陽自体を夏の季語にしないのには不満があった。


 ‥では、花はどうだろうか?

 花はなぁ、まぁ微妙だよな。せいぜいが菜の花のパターンが好いところだろうし、
 表現としても字数ばかりを要求し、それでいて景色としての広がりとて同じ花でしかない。
 月下の花との表現にしたって、月だって一年中で花まで一年中だと、季節感なんて湧きやしねぇ。
 だからといって、月下の花が夜桜しか意味しないというのも味気ない。
 ‥でも具体的に書き入れようとしても、月下の○○花の形式にしかできない。
 ‥つまり、季語は花でも月でもなしに、もう一つ別の季語が求められてくる。
 ‥でもなぁ、それってくどすぎるでしょ。ルールの方向付けとしては有りだろうけどさ。


|月浴びるテラスの花鉢一夜咲き


 まぁこんな感じになるのかな。
 ‥月が弾かれて、花も弾かれて、テラスが夏の季語だという。風景としてはまんざらでもない。
 一夜咲きの代表花も概ね夏からが主体。
 でも、花の名前が出て来ないのにはどうしたって不満だし、すっきりしないが、詩にはなっている。


|太陽や浜砂利熱っちぃ素足跳ね


 ‥純粋な砂浜の少なき沼津では、こういう光景に出くわします。
 転がってる浜砂利が熱いのよ。とくに大瀬っすかね。(今でもそうだろう)




|熱帯夜悔しい夢見てスクワット  真壁刀義
|夢悔し夏の真夜なるスクワット  手直し(夏井いつき)


 ‥プロレスの修業時代、外出禁止でして、その頃寝起きに聞こえてきた囃子が悔しくて
 なんだかんだでスクワットをしていたという話。


 ほうほう、なかなかの題材。詩というより物語性に満ちた勢い。


 ‥どうしてそこを吟味して手直ししないのかなと、いつも思う。
 しかもプロレスラーさんらしくない単語をしゃあしゃあと並べちゃったりしてまぁ恥ずかしい。
 大体だ、お前さんのお堅い論理で行きゃあな、盆踊りと書きゃ夜なんだよ。

 「真夜なる」なんてのも要らねぇの。


 良く考えてみろ、修行は悔しいことなんかではない。
 夢が遠ざかることの方が悔しいわけだから、この時点での悔しいには意味が無い。
 だって修行中なんだろう。そこに自覚があるからスクワットを選んだんだ。
 ‥なら、そのままを詠めば良い。細かい私情は関係ない。それが句の世界。


|盆踊り聞こゆも修行ぞスクワット


 ‥すんなりこうすりゃ、スクワットの当人がプロレスラー志望だって多少は見えるだろう。
 悔しいとスクワットの組み合わせでは、何を目指した若者なのかちっともわかんない。
 又、そこにあるのは、悔しい気持ち、割り切れない気持ちなんだから、字余りだってOK。
 どちらかというと、俳句と言うよりは教訓とか流儀とか気合の詠み。




|盆踊り遠のいて行く兄の背か  キスマイ二階堂
|遠のいていく兄の背か盆踊り  手直し(夏井いつき)


 ‥なんでも、小さい頃の自分がまだ踊れずに
 兄ちゃんが踊っているのを見ていたが、その兄の背中が遠のいていく様子を詠んだそうだ。

 「ほへ、なんじゃそりゃ‥」

 ‥どう見たって、この世に舞い戻ってきた兄を見たような錯覚を詠んだようにしか思えん。

 でも違うと。それならそうと、そこに沿って手直しせざるを得まい。


|輪の端で兄ちゃん目で追う盆踊り


 ‥こうするとちっとも平凡な句になっちまうわな。(字余りだし)
 しかし、素直に場面を示せているかも大事なことで、出来不出来に酔ってばかりもダメ。
 囲碁で言えば、置き碁に徹するのと同じだと思うぞ。
 強さとか関係なしに、置き碁ができるだけで、誰もがプロだって思うものである。

 じゃ、俺もプロ級ってことで

 (‥そんなことは言われるまでもなく知っている。)



> ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 19:54 | Comment(0) | プレバト俳句 | 更新情報をチェックする
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