↓6)向宜詠吟.2016/09/05
|「おかげさま・お互いさま」に「お世話さま」大和言葉に仏やどれり 沼津市・萩の会
|丸くなるやさしき響きちはやぶる神意をつなぐ秘めりやまと葉
「はぁ?」‥仏?‥仏ねぇ‥仏かぁ。
そなたは知らんのか、言霊という言葉を。
仏なる言葉が登場したのはたぶん釈迦発祥だろうし、
日本に伝来する以前に、仏という概念はなく、もっぱら神もしくは霊が宛がわれていた。
さらにいえば
言葉に魂を込めるのは、発する側の心次第であり
同じ言葉だから大丈夫などという響きではないのだよ。
‥見てみるがいい、現代人の言葉の乱れを、間違っていても乗っかっている気持ちが大事としておる。
‥外人の発音だって、日本語で話さんと懸命ならそれだけで寛大だ。それが日本人。
‥しかし海外はどうか?、発音がどうとか言い出せば言霊もクソも無い。
‥大和言葉に方言はつきものだ。其までとやかく言う八百万の神なんて聞いたことがないぞ。
> 一方、仏はどうだろうか?
一字一句間違えないで唱えないとダメとか、そんな修行法を持ち込んでおる。
‥実に面倒くさい空気を持ち込んでおろう。
日本の神々に、言葉の乱れを厳にするように頼もうなら、そりゃ、あれだよ
途端に、背筋もピンとして生きるべしとした張り詰めた空気に変わり出す。
‥言霊にこだわると言うことは、そういうことなんだからな。
そこまでの覚悟が無いから、仏とか言うておるのだろう。
‥大和言葉が大事と言っても、その人の価値観次第でいくらでも変化する。
> 大和言葉の欠点を知っているかね?
それは、どうでも好いことには関心が乏しいと言うことだ。その様にしかできていない。
だから、他の言語をそのままに取り込んでしまえるとも言えるだろう。
乱れて当然、乱れ上等!
‥乱れからの再生こそ大和言葉の言霊の力。心髄。そうは思わないだろうか。
1-6)1
|青き海松原越しに伊豆の山々一望の内に眺め暮らして 沼津市・萩の会
|青き海松原向こう伊豆の山 縷々一望し眺め暮らしむ 手直し
‥松原越しって
堤防で何ら見えないくせになにをおっしゃってるんですか?
マンションの上からまたは山の方の住宅から見ているなら表現的に「松原向こう」が適当。
う〜ん、言っちゃ何だが、青くはないよね。黒潮だから青くはないよね。
青く見えるとしたら随分と山の方のお住まいに思うわけだが、それは自慢することなのか?
「眺め暮らして」と綴られていると、どうしてか自慢げに聞こえる。
一方で「眺め暮らしむ」と綴るとそうでもない。
ところで
「楽しむ」は動詞だが、「暮らしむ」は動詞だろうか?
「暮らし+む=暮らさむ」では変だし「暮らしむ」の方が自然に思える。
‥ということで、「暮らしむ」を動詞として扱ってみた。
1-6)2
|お揃ひの燕尾服風になびかせて今朝いっせいに雛の飛び立つ 静岡市・玉鉾神社献詠歌
|お揃ひの燕尾服風になびかせて今朝いっせいに雛ら巣立つ 手直し
「燕尾服風に」で八音になってます。「雛の飛び立つ」で一音削るかどうかです。
「雛巣立つ」と書けば五音で字足らずになってきます。そこで複数形にしてみました。
始めに「お揃ひ」と示しているのだから、丁寧に複数形にした方がしっくり来るのでは‥
‥それにしても、目の付け所がかわいいですね。
といっても人であれば、燕尾服なんぞ格差の象徴で、かわいくもなんともないのだが‥
1-6)3
|親つばめ急降下して軒下へ顔中口の子つばめさはぐ 静岡市・玉鉾神社献詠歌
|親つばめ急降下せり軒下へ元気な口数ちゃんとあり 手直し
‥親燕が帰ってきてまずすることは、雛の数の確認だと思います。
(子の数を認識していない動物も居るそうですけどね)
親つばめを主体に詠み始まってるんですから
雛のあんぐりとした口を主役に据え直す言葉数なんぞ、どこにもありません。
急降下するのは燕の特徴的な飛び方にありますが、
言葉としては急いでいる響きです。どうして親燕は急ぐんでしょうか?
‥親としての気持ちをそこにしたため示してなんぼでしょう。キチンと整えましょう。
(基本‥親つばめと示しているのに子ツバメなんてクドいだけです)
1-6)4
|山々は初夏の緑に衣替へつばめの風の水面を走る 静岡市・玉鉾神社献詠歌
|山々は初夏の緑に衣替へ影映ゆつばめ水面を滑る 手直し
「つばめの風」‥俳句のような縮めた言い回しです。
上の句のしっかりとした短歌の流れに対して、下の句がそれでは余りにも唐突すぎる嫌いがあります。
燕の登場なんてそんな風なんでしょうけど、何が水面に映っていたかと言えば影です。
> ‥順序に沿って、前後の言葉に添って、言葉を運ぶように心掛けた方が短歌には適切です。
1-6)5
|去年の巣に今年も来たり初つばめ園児ら集ひあかず眺むる 静岡市・玉鉾神社献詠歌
|舞い戻る今年もツバメと園児らの 雛誕生あかず眺むる 手直し
‥いやぁもうぎこちないですね。
(まるで籠の中の鳥になってしまった燕のつがいを、園児らが眺めているかのような残念な詠み)
で、どうして初ツバメなんですかね?
園児らがその年に見たのが始めてだったのか‥詠み手が見たのが始めてだったのか‥
そんな謎解きが始まります。(でもそんなのどうでも好いでしょ)
短歌に、俳句の季語な言い回しを持ち込めば、風情に結びつくと思い込んでるなら大間違いです。
> 短歌に欠かせないのは、上の句を下の句で如何にして受けるかとした整いです。
ツバメが来たからって、雛誕生まで間があるわけですし、
そこの間を如何にして埋めるかが、この詠みでのテーマでした。
‥燕のつがいだけをずっと見ていて飽きないなんて子は、余程の物好きだと思いますけどね。
1-6)6
|クーデターもテロも無き真実の平和を願う白き夏雲 藤枝市・合歓短歌会
|クーデターもテロも起こらぬ安らかな平和を願う盆の空 手直し
‥真実の平和??、白き夏雲??‥
まずですね、絶対に起こらないのが平和と思い込んでいるなら間違いです。
嘘があるから起きるんです。火のない所に煙は立ちゃしません。
その嘘を見ずに、ただダメと言ってみたって、そんな真の平和ほど嘘っぱちの安物もありません。
‥そこを踏まえれば、言葉も随分と変わらざるを得ないのです。
夏の雲にイメージすることと言えば、あれもしたいこれもしたいの煩悩です。
まぁ人それぞれだと思いますけどね、募る気持ちの代弁に用いられるのは確かです。
‥それの色を白と限定してしまうのは、少々しつこいんじゃないでしょうかね。
(平和を思って白を強調したい、まぁそうなんでしょうけど‥それがしつこいと)
(願ってるのは、あなたなんですか?それとも雲の方なんですか?‥そんな感じに見え出す)
> 料理のように、味に味を重ねれば、味わいが深まると思っているなら大間違いです。
> ‥言葉の誇張には、引き算も同時に発生している点を気にすべきです。
> うた詠み終わります、ありがとうございました。
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