2016年09月22日

【プレバト】富士と稲刈りと案山子、俺も詠んでみた

向宜詠吟.2016/09/22

|富士を背に忙しき影 案山子の背
|青と黄に映ゆる秋の田おらが富士    (2016/11/27)
|鎌を手に刈るたび伝ふ秋の音
|稲影やどんどん減れる刈田暮れ     (るる訂正:2016/11/27)



> うた詠み終わります、ありがとうございました。


稚草

 稲刈りも案山子も季語なので、両方は入りません。
 この案山子がね‥というか富士との絡みがムズい。
 ‥ググってみると、笑っちゃう案山子が流行っているかのようだ。

 お題の写真は、真面目にもベタに働いている動作を真似ており、どこか詠みづらい。
 田んぼだって、実りきっているのかというと刈るにはまだまだ二週間ぐらい先かなの気配。

 ‥つまり

 そのぐらいの時期に案山子を立てておかないと雀に目を付けられるという事になるのかなと‥



手直しの手直し(6).2016/09/28

|稲雀 青き富士に見張られて   櫻井淳子
真青なる富士の見張るや稲雀   手直し(夏井いつき)


 ‥これは器用に手直ししてるよな。

 でもまぁケチくせえ富士山だよな。
 少しでも雀にチュンチュンされるだけで、真っ青になってるような様にも見えて尚気に入らねぇ。
 直しとはいえ‥手直しした人の性格なんだろうな。(俺的にこうはぜってぇありえねぇ)


|青空や手招く富士と稲雀




|さやけしや高きに登る子らの聲   大野拓朗
|さやけしや高きを目指す子らの聲  手直し(夏井いつき)


 「さやけし」と「高きに登る」が季語で二重季語との指摘。(ほう、そうなんだ)
 当人は、さやけしを爽やかの意と勘違い。手直しもそれに間を受けた流れかと。
 (さすがの国語の先生でも、たまには間違えると)

 字引を確認すると‥さやかである、はっきりしている。とかなり曖昧。
 ちなみに、さやかとは‥はっきりしているさま。あきらか。音声のさえて聞こえるさま。とある。
 漢字で書くと、明か・清か。

 ‥明らかに爽やかとは異なる意味合い。

 じゃ、手直しにしても、「なにやら『上を目指す』との子らの声が聞こえて来たよ。」
 ‥という程度の詠みという次第か‥「風景が何にもねぇ」のツッコミはどこさ行ったべ?


> つまり、「さやけし」を俳句に用いる場合、後付けの説明が欠かせなくなる。


|さやけしや掛け声高し子らの聲


 ‥まぁこうすると遊んでる様が浮かんでくるよね。(秋祭りの光景にも見えるのかな)
 無駄に上昇思考というのも考えもんだろう。それで阿吽なんだからな。(壊れたゼンマイだぜ)
 そういうのは、川柳で思いっきりやって下さい。




|富士の下揺れる稲穂のワンピース  アジアン 馬場園梓
|富士のもと風の少女のごと稲穂   手直し(夏井いつき)


 ‥当人のうんちくが長いのだが
 お米にとっては嫁入り前、純朴な少女の最後のワンピース姿のようだと‥??
 (そんなに思うなら、新嘗祭を季語にすれば良い‥白のワンピじゃないけど白装束やで)

 それにしても、手直しが凄まじいな。
 (「‥ごと」という使い回しが非常にアレルギーでして、個人的にとても不快)

 ‥全体の意味としては
 「富士のもとにある稲穂」っていうそれだけの事でしかないから、スケールとしてはとても杜撰。
 「風の少女のごと」と味を付けてみたところで、稲穂と関係ねぇじゃん。
 稲穂は稲穂だし風でも少女でも無い。
 揺れてる様が少女のようだとおっしゃってみたところで、目くそ鼻くそだし
 どうしてそんな無謀な擬人化に付き合ってまで、ベタなレベルで手直しするんだろうね。


|見渡せば手を振る三つ編み稲穂風


 こうして詠んでみると、三つ編みお下げって稲穂のイメージだったんですね。
 稲作に関わる人口も減ったから、三つ編みお下げを好む女子もすっかり下火と。
 ‥なるほど、残念ながらにも納得しましたん。




|富士ヶ嶺に亡き父の笑み浮かぶ秋  鳥越俊太郎
|富士ヶ嶺に亡き父の笑み秋幾度   手直し(夏井いつき)


 ‥そもそも、上五に「富士ヶ嶺」と漢字が羅列されることで、富士の樹海を連想想起する。
 そう思えば、とくにそれ以外に情報の無いのが分かるだろう。
 兎に角、その辺‥微妙なのだ。なのに「秋幾度」では‥
 その手の感覚からすると、全体としてゾンビやら浮遊霊を余計に思わせてくる。

 「父上様は如何ほど枕元にでも現れたのでしょうか?」(状況が不在)


> さらに、ここでの浮かぶ秋の「浮かぶ」には、青空の意が込められているので
> ‥そこを汲まずに、無駄な三音として息巻くのもどうかと


 当人曰く、
 なんでも親父さんが、富士の近くに住んで自伝なんぞをしたためていたらしい。
 その当時の親父さんのにこやかな様子が忘れられないとのこと‥


|あの書斎 亡き父おぼゆ秋の富士




|晴天や富士を飲み込む稲の波  本郷奏多
|手直しなし(by 夏井いつき)


 自ら大げさと指摘していながら、その大げさの度合いを判断できていない。
 ‥どう考えたって、迫力不足だろう。釣り合いに欠いている。

 これに気づかないようではね、すべてが台無し。

 擬人化と比喩のバランスが良いなどとほめはやしても、実に空っ風‥残念。


|わはははと富士をくすぐる稲の波




|富士遙かあぜのかりがね寒き朝  梅沢富美男
|富士遙かのかりがね寒き朝   手直し(夏井いつき)


 「かりがね寒き」で季語だそうですが、「雁が音」だけでも季語です。
 ‥よく詠めてると思います。


> ところで、かりがね寒きと引っ張る意味はあったのでしょうか?
> この句のポイントは、「畦」の立ち位置です。


 まず、自分所の田畑から見ての「富士遙か」ではありません。

 その距離感というか、日常感を思うと、言ってしまえば当たり前な風景です。
 そこを改めて、「富士遙か」として掛かるとすれば雁の行方です。
 畦とはなんら絡みも無いのが実際です。
 そこで、スッパと「富士遙か」の余韻に任せきって、「畦のかりがね寒き」と詠んだわけですね。

 ‥お題が稲刈りだけに、場所をどうにか田んぼにしたかったと。
 でも、まぁ「鍬」でもいけそうです。


|富士遙か鍬も雁がね寒き朝


 ‥昔なら大根の収穫でしょうかね。よく知りませんけどね。
 お題の稲刈りとは随分と離れてしまいますが、
 ひっそりと家を出て、雁が音を聞きながら、畑にやって来ましたよ。
 それにしてもまたひとつ冷え込んできた感じだべな。さっさと片付けちまおうっと‥てな感じです。



> ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 21:15 | Comment(0) | プレバト俳句 | 更新情報をチェックする
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