2016年10月06日

【つけたし短歌】あの俳句を短歌にリスペクト‥6射

向宜詠吟.2016/10/06

> 未だかつて誰もやらなかったトンデモをぶちまける‥
> いかにして名句の空気を損ねずに短歌に仕立てるか
> これができるのも当時の句が空想になくリアルだったからである。お間違いなく。


|古池や蛙飛びこむ水の音     松尾芭蕉

|古池や蛙飛びこむ水の音 しとしと雨間の江戸暮らし


 雨間【あまま】:雨がやんでいるあいだ。雨の晴れ間。あまあい。
 しとしと雨間:雨が降ってるような降ってないような春先の雨ゆき。




|閑さや岩にしみ入る蝉の声     松尾芭蕉

|閑さや岩にしみ入る蝉の声 山やま山そら立石寺


 ※立石寺(りっしゃくじ)

 今でこそ客観的に、「山やま山そら」なんて言えるのだろうが、
 当時の芭蕉がそれを詠んだとしたら、炎上に近い叱咤を立石寺から突きつけられたかも知れないな。




|我ときて遊べや親のない雀    小林一茶

|我ときて遊べや親のない雀 いまも変わらずひとり青空




|菜の花や月は東に日は西に    与謝蕪村

|菜の花や月は東に日は西に 行灯ちらほら摩耶の景




|柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺   正岡子規

|柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺 ちゃみせで見上ぐ夕にとけ




|降る雪や明治は遠くなりにけり  中村草田男

|降る雪や明治は遠くなりにけり マントゆくゆく母校の前を


 ‥何かといわくのあるというこの句
 本人が、実際に郷里に帰った時に詠まれたものにあるのかすら怪しい気もするが
 現代風に置き直すと次になる。


|若草や昭和の遠くなりにけり ブレザー光る母校の前を


> つまり、里帰りして其を目にした中村草田男の胸中に去来した思いとは


 (昭和一桁)都会じゃ見慣れているはずの学生マントが、
 愛媛の田舎の母校の児童も普通に着こなしている‥思わずこう思ったのだった。
 「なんだ‥そうだよな‥そうなるよな‥俺もあれ着て通いたかったぜ‥」

 まぁ、そういう句だったことになるのかなと。



> うた詠み終わります、ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 01:45 | Comment(0) | 短歌・俳句・川柳 | 更新情報をチェックする
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