向宜詠吟.2016/10/21
|門前のにぎはひ遙か夏通り
|本然の先たる護神欠き「門商分離」と変わり誤信かな
|門商の分離に果てつ夏通り
|涼閑や仲見世あるく先見えて
|客来ずとせめてもの蝉 アーケード
|町おこし門民一如ぞ天高し
> うた詠み終わります、ありがとうございました。
語稚草
涼閑【りょうかん】‥涼しげにも静かにある様。
‥転じて、人気がまばらで用意されてある日陰が広々としている様。
門商分離【もんしょうぶんり】
‥門とは流儀を同じくする集まりを指し、商はそのままに生業の集まりを指す。
そもそも昔からの商いには、門←→商←→民の流れを基本にして来た。
つまり、門とは、豪族だったり宗教だったり土着した勢力または一族を指す。
十分な保護がなければ商いは成り立たず、商いがなければ民の暮らしも見通しが立たなかった。
自然とその門を根城に町並みが整えられ、門に通じるように通りが結ばれていた。
門にあやかるように、通りが繋げられて形作られていたのである。
‥そこが分離してしまった状態を「門商分離」と呼ぶ。
> これに対して
門民一如【もんみんいちにょ】
‥門も民も平に暮らしの生業を兼ねるという意味であり
門商だった流通の主導を、門民にして出直す意向を指す。
一如であるのだから、どちらが上座でどちらが下座とする概念がそもそもに薄い。
(※言葉の都合上、差があるように見えるが、商いが無いわけでもない)
また、そこにあるべき「門」とは、精神の拠り所(柱)のことである。(イデオロギーとも言う)
↓5)稚草
> そもそも
門商分離の発生は、商が門を捨てて、
商のみに特化してもやっていけるだろうとの錯覚に見せられてしまっているところにある。
(明治維新の経緯を見るに、実際は、門が商に鞍替えした所から始まる)
すべてはインチキにも、戦争経済(兵器戦争)としてのカラクリだったのだから、
{資本の開拓}={戦争の都合}={略奪の都合}というだけの世界観でしかなかった。
よくよく考えてみれば、明治政府の改めた税制とは、戦費の捻出方法にしかなかった。
‥それが、商という門を自ら手掛けだした門と商のいきさつである。
※ 時代が下るにつれ、商が門を必要としなくなったのだ。
あるべきは談合だったと言えるのが流れでもあった。
つまりは、人の関係だ。お家の関係でもある。昔からのそれを資本にすり替えただけの話だ。
しかしながら、そこには、政教分離を掲げた無神論が台頭し
すべてを科学的に説明できるべきとされ、それは法律理解に置いても前提とされた。
‥その姿は、まさに門が、商に下ったと言い表しても構わない流れに嵌まったのだ。
1-5)1
> 何はともあれ、戦争ノウハウをバックにした商を野放しにしておいては、
> こちらが消滅されかねないから応じざるを得なかった。
しかし、戦争の都合だけに、民の暮らしは置いてきぼりで
いつまで経っても、江戸当時のような気風の良さには及ばないままだった。
歴史の教科書では、如何にも文明開化後の方が先鋭的と教えはするが
どうにも双方共に一長一短なところがチラホラしているのは確実である。
※ 持続性という点から云えば、江戸時代の方が圧倒的に上だが、
‥利便性の向上に見せられれば見せられるほどに
さらに改善された方向性もあるはずだと思い込んでしまう錯覚にもなっていた。
(すべてをゼロからやり直さないと気が済まない勢いは、病的だったとしか言いようがない)
1-5)2
人の暮らしの利便性の骨子こそ、門に通ずる町形成だった。
そこに見られたかつての姿こそ、
(城下町、門前町、寺町‥)(職人町、宿場町、港町‥)
‥としての門と通りの繋がった生きるに適った町並みとしての特色だった。
> ところが
商いの効率を上げるための道を優先とした都合から
その途上に次次と
(ショッピング街、駅前商店街、駅ナカ、道の駅‥)を作ってみたところで
所詮、門の形成には及ばないし、門を意識されて整えられたわけでもないのだから
流行り廃りの風が吹くと人が移動してしまい、あとは空っ風が吹くばかりに陥る。
‥行き詰まることで、さらなる開発を打ち立て、それが繰り返される。
故郷としての形などお構いなしに、資本の都合がそびえるばかりだ。
門に続く道に寄らば、そこには自然と扶けも集まっているものだったが、
そこを崩してしまってあるが故に、血の通わないどこかちぐはぐとした空気が澱むばかりになった。
‥如何に民度が高かろうと、澱みがあるというだけで、まとまりを欠き、つながりを欠くのだ。
そこにあるのは、門ではなく選択の自由なだけだ。
あるのは一時的な都合を被った上っ面ばかりだ。(一度動けば戻るとした選択が不思議と作用しない)
1-5)3
> ‥残念ながら、名目上の市町村という枠組みでは
その構成員がすでにシャッフルされており、土着性が薄れ
もはや、行政という機能がいくらてこ入れして見せようとも、門としての形が成り立っていない。
例えば、天理市のような信仰の角度で成功している都市もあるわけだが
選択の自由から来る好き嫌いもあり、昔ながらに信仰の形ばかりを挙げても仕方がない。
そこで、産業という形での町おこしがもてはやされる所だが
そこには、どうしたって豊かさへの先行きの心配もあれば、得手不得手もある。
‥まして、住み慣れた土地を離れて移る義理も縁も無いのだ。
(人権保障とか、当面の生活を優遇するとか、そういう問題ではない)
住めば都とは云うにせよ、どうしたって、人間関係のリセットされる次第になる。
(ここが一番の難所である)
そのような戦争厄災レベルの要求を易々と受け容れられるわけもない。
それでなくても、どこの行政も人口増を目指して、利便性を唱えるばかりで、
肝心の幸福感をまったく差別化できていないのだ。
故郷自慢なんかどこも同じだ。何を以て故郷とするかは、土地であるよりも人の関係の方が大きい。
(‥気の合う面子だけが寄り集まる保証なんか付いていないのが日常だ)
> 気の合う面子だけが寄り集まるには、まずは、顔の立つ人物による掛け声が欠かせない。
> その人物の土着への思いと方向性の提示も欠かせない。(中心となる気が無いなら頭から無駄だ)
今時の公務の在り方では、どうしたってそこまでを望む事なんて不可能だ。
‥そこが税金制度に縛られたみじめな有り様と言えるだろう。
1-5)4
> ‥やや繰り返すが
真ん中となる顔が立つだけでもダメで
お互いに得意が無いのでは、持続性も得られない。
(ここを行政はどうにもできていない)
木材はあるけど、仏師が居ないのでは、仏像は彫れないし、
生業としての面子が具合よく集まらなければ、村や町として暮らしていけない。
仏師が来てもそこでは彫れないも同然で、村の名前だけあって魂が無い状態だ。
つまりは、仏師を中心にするにせよ
‥その土地に寄り棲まうに相応しい共感・共鳴がなければダメなのだ。
土地に魅力はあるだろうにしても、そんなのはどこも故郷自慢なのは同じで、
きちんとした幸福感の差別化が求められているということである。
‥そんなことを云ってみても、自分の幸福感の方向性すら見えてこないのが今時の格差事情だ。
> そのそもそもが、繋がらないように破壊されてしまったのだからどうしようもない。
1-5)5
> ‥何が文明開化だよ、文明閉鎖への道だったんじゃねぇか。
> ‥それが資本主義の門‥もとい壁と堀だったという話さ。
戦後以来、民衆はすっかり民主主義の門についたと思い込んでいるようだが、
「会社経営はどうだろうか?」
大きくなればなるほど、経営陣との距離は開き
大きくなるほど、経営陣の選出は、下や内とは何の関係も無い所から決まってしまうのだ。
そこにあるのは、決して民主制度ではない。王政制度のままである。
‥否、帝国の有り様にある。
(経済バブルの弾ける度にいいように翻弄されてきたのだ。いつの間にかすっかりそうなった)
> まずは、そこの錯誤から目覚めるところから始めなければならないのが現状だ。
‥ただ立派にもリーダー願望だけでは
それこそ、自分の死ぬ間際になって、自分が生かされていたことを感謝してお終いだ。
(お互いに手を組むにしても、組まないにしても、多様化しているからな)
多様化をどれ程に理解できるかなんて、どれ程に多分野への理解が有るかだ。
‥そこに迷えば、自分が生かされていたことを感謝してお終いだ。
それだけの人生観で、何がしたかったのだろうか?
‥精精が、自分なりの生き方の虎の巻を描いてお終いだ。勝ちの蓄えを整えてお終いだ。
‥少なくともそれが20世紀だったのだ。
> ゆえに
民と民とが繋がる門を切り開く課題を負っているのが、21世紀のリーダー像だ。
‥通りを華やかにも枯れんばかりにしてしまうノウハウはすでに20世紀に出尽くしているので
‥そこを違えては筋違いと言うことである。
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