↓8)向宜詠吟.2016/11/21
|湖の水紋走る十三夜 焼津市・宇宙蕗の薹俳句会
|二胡弾くやカヌーの奏で十三夜 すべるがごと水鏡出づ
*十三夜【じゅうさんや】‥十五夜の次の満月。日本固有の月見。
(15の次が13に不思議を思うも、なぜかは不明)
‥「湖の水紋走る」誰が走っているのかがまるで判りません。(月?詠み人?‥)
考えてみるに、不思議と湖は波立っています。鎮まることを知らないかのようです。
湖によっても違うのかも知れませんが、池よりは静かにはならない傾向にあると思います。
つまり、格好良く詠めているようでいて、実はありきたりの様子でしかない様です。
> そこで、満月をよく見ようと思ってカヌーを出してみた森人の若者を思い浮かべてみました。
なかなか粋な感じですが、十三夜は曇りがちにある傾向かなと思い
斯様な展開の詠みを得た次第です。
(湖は置かなくてもイケるだろうと端折りました‥池は想定内、沼は鳥が多すぎてダメ)
(夜だし‥真っ暗だし、二胡を弾くだけに流れのある河に出るわけもない)
> 斯様な二胡演奏を見つけました → 【二胡で弾いてみた】吹雪【艦これ】
|笛の音に鼓の和せる十三夜 焼津市・宇宙蕗の薹俳句会
|笛の音に鼓の和せる十三夜 月道あけよけふの叢雲
叢雲【むらくも】‥むらがり立つ雲。
片方は一人で月を導き、こちらは力を合わせての導きになっとります。
‥被るようでいて、そこが違うと。(好みの違いかなと)
‥それとこちらはどう見ても演奏会。もしくは宴の余興。
「けふ」が「今日」だけになく「京」に掛かろうとて不満ありません。
> 和楽の吹雪【艦これ】も見つけました → 【KanColle 艦これ ED】和楽器な吹雪【Spectra】
1-8)1
|鳥影の見えぬ渋柿留守の家 伊豆の国市・獺祭鹿の子句会
|鳥影も見えぬ渋柿民家あと ダム湖と散らむ先祖もろともに
|猪の我が物顔や空きの街 ベントに散りぬ先祖もろともや
‥「留守の家」ここが不満でして、あれこれと捻っている内にこうなりました。
「秋の街」では面白くないので「空き」にしました。まさにそのまんまです。(あれ〜)
|賓客に色変えぬ松連なりし 焼津市・宇宙蕗の薹俳句会
|賓客に色変え’ぬ松つらなりて 青ざめるはむしろ向こう様
‥どんな松でしょうかね??
まずは西郷隆盛が挙がるかと、西郷隆盛が十人いるとか
そりゃ、青くならざるを得ませんな。
武田信玄とか織田信長とか上杉謙信とか‥青くなるどころの騒ぎではありません。
‥どっちが賓客なんだか分かりません。そういう日本が見てみたい。それだけだと思います。
> 個人的には、土地柄もあるのか‥北条早雲を挙げますけどね。
|閉店の広き間口や秋の雲 浜松市・遊史句会
|閉店や広き間口の落葉たり 埋まらざるままつれなしき折
|閉店や広き間口を秋惜しむ 離れゆくのか背中泣く風
‥「秋の雲」ですと、どうしても外から間口を眺めている趣です。
そこで、客視点と営業視点の両方を詠んでみました。
1-8)2
|学校のフェンスにずらり子等の稲 静岡市・中央寿俳句同好会
|学校の柵にずらりと子等の稲 教育米のどこか温室
‥「フェンス」では、+七七の方が字余りになるので「柵」にしました。
趣としては「フェンス」のままで良いと思います。
それにしても、普段の田んぼにフェンスなんて立てませんからね。
そこに目を付けて+七七してみましたが、余計なツッコミ感は拭えません。
でも、改めて思い直す節もあるように存じます。
‥それはそのままに学校の問題になく地域の課題なんですな。
‥何気なく見て育って、変わらぬまま、課題意識ゼロ。それはそれで大人の側の無知でもあると。
‥変わらなくても良き部分、変わらざるを得ず部分。まぁ何事もそこに行きつきます。
|葱一本刻み行く末考へる 焼津市・宇宙蕗の薹俳句会
|葱一本刻み行く末考へる ところ狭しき限界社会
‥なんとも中途な詠みですが、「葱」を「禰宜」に引っかけると全然違います。
|日本の二本の意とは波の性 内より外に外より内に
|秋高しジェット機の影音も無く 静岡市・中央寿俳句同好会
|秋高しジェットの筋の渡る雲 どこか当然我が物顔や
‥これは飛行機を詠まんとしている訳では無いので、「機」は余計です。
「音」も要りません。近くで見ている様でもありませんし、詠みの意味合いも過ぎ去ったあとです。
「秋高し」からの引っ張りとしては、手直しの方でしょう。
> 狙った的に添うように、言葉が整っているかの判断が出来ていれば整ったはずです。残念。
1-8)3
|雲の切れしばしば覗く十三夜 静岡市・中央寿俳句同好会
|雲の切れしばしばのぞく十三夜 鼻ちょうちんに仰ぐあけぼの
‥「覗く」は、平仮名にして、見えたり消えたりしている様を強調すべきかと。
すると、月と雲のせめぎ合いに見せられます。
‥十三夜の月見の晴れるのを待っていたら、いつしか寝込んでしまい、朝方になってしまったよ
まぁそんなあけぼのを仰ぐのも悪くないなあ。
> 前の十三夜の二句と被らないように、ボケで整えてみました
|瀬戸内の月真ん丸にうさぎ島 伊豆の国市・獺祭鹿の子句会
|瀬戸内や長月跳ねてうさぎ島 噂に寄ればくれくれいいよる
‥「月真ん丸に」と、こじゃれたままでも味わえないこともありませんが
+七七にまで引っ張るにはもう一捻り必要で、イケてません。
「くれくれいいよる」‥うさぎの餌のことかと思えば、どっこい、
「暮れ暮れ良い夜」‥と引っかけてるんですな。本望は、同じうさぎでも月見のうさぎにござい。
|流行の先端をゆく案山子かな 焼津市・宇宙蕗の薹俳句会
|ググるたび案山子ぞ傾奇あれやこれ 青田の頃から気合立つとは‥
Googleの画像検索を見ていると、案山子の背景が青田だったりします。
‥数奇モノですよね。中には本物そっくりの力作も。(案山子で画像検索)
1-8)4
|空を踏む如く干されし祭足袋 伊豆の国市・獺祭鹿の子句会
|空を踏む如く干されし祭足袋 来年もそのまた来年も
‥「空を踏む」これをどう解釈するかです。
昔の日本でなら不敬極まりないところでしょう。
とはいえ、例えられているのは洗濯したあとの足袋です。しかも祭足袋です。
それはまるで、あの世に旅立った者らを敬いながら、断っているかの様でもあります。
そこのバランスがとても良く、
「空を踏む」と詠んで、長生きに引っかけるのも有りかなと思いました。
|空を踏む人生二百聞き及ぶ 終活ならぬ輪廻活どこさ!?
寿命が二百年ともなると、生まれ変わってしまうのも手ですが
ところがどっこい、魂分けが待ってるんですな。
‥地球に残れずの裏事情を知らずに終活とか、お笑い沙汰なんですよね。
‥まさに地球記念の終活になるんだろうと思わざるを得ません。
|灯火親し古典となりし愛読書 伊豆の国市・獺祭鹿の子句会
|灯火親し古典となりし愛読書 積みつ列べつさも誇らしげ
|灯火親し百で買い取るブックオフ 立ち読む若者ばかりだし
‥+七七にしても、べたなところですね。
こんな風に整うのも、明治の方が「灯火親し」なんて文化を残したからだと思います。
> それにしても
カネの工面で本を売るんですよ、客層の多くは素寒貧なんです。
そこに古本の前提があるわけです。気がついてみれば若者ばかりです。
‥子連れでもない限り、歳を取ってはスルーするしかありません。
店内にイス&コーヒーが引っ付いたところで
カネのある奴は、本屋の新品狙いですよ。なんの意味も無い。
行き場所に事欠くことになった中年が、アレなネット事情に流れるのは必然だったんでしょうね。
‥業界がネット上に無償公開期間を設けるのも流れかと。(そういうことかと思います)
1-8)5
|晩鐘の余韻に釣瓶落としかな 焼津市・宇宙蕗の薹俳句会
|晩鐘や釣瓶落としと子ら帰る 居らずかな寺小屋の縁側
‥「余韻」まぁ気持ちはわかりますが、そこを言葉に落とすのが「句」ですから
「かな」も音数が勿体ないですよね。もっと詠み込めた着眼です。
> しかしまぁ現代の風情としては、晩鐘自体それ程に聞かなくなりました。
‥ということで、江戸時代にワープ詠みです。
明治とか大正とか想像もできません。小説読まないせいだと思います。
せいぜい推し量れるのが、昭和戦前の様子です。(映像での記録が比較的多いから)
でも、明治は明治で、言葉の中にひっそりとどっぷりしてますけどね。(なかなか目立ちません)
‥明治と大正を見返したくても、思い出されるのは軍事色ばかりなのでしょうね
‥で、そこにあった空気感をどうしても避けていると、そこらを未だに気にするのでしょう。
紹介するのも悪くない時期だとは思いますけどね。
> でもそこにあるのは、どれを取っても派閥闘争ばかりかと‥(あれ〜)
文学からしてそうですからね。
そんな傾向を受け継ぎたいなんて思うのは、くだらんとしか思いませんね。
‥それが今の時代の空気でもあると思います。(細かく言うと昔からさほど変わり栄えしていません)
|春爛漫、多様化たるや当たり前 習うに能わず春自慢
|はらからの多き柘榴の鬼子母神 焼津市・宇宙蕗の薹俳句会
|はらからの子多き柘榴の鬼子母神 あやかりたきは旦那の絶倫
*同胞【はらから】‥同じ母親から生まれた兄弟姉妹。転じて、一般に兄弟姉妹。
*柘榴(ざくろ)
*鬼子母神【きしぼじん、きしもじん】‥
千人(万人とも)の子を生んだが、他人の子を奪って食したので
仏が彼女の最愛の末子を隠して戒めた‥という改心談な伝承に由る。
> ‥それにしても、旦那は如何ほど居たんでしょうかね??
え、数十人??、仮にそうだとしてもすごい絶倫ですよね。
もっとも凄いのは当の本人になりますが、旦那の絶倫有ってこそでしょう。
‥なんて改めて思っちまいました。(近親ピーしてそうです)
1-8)6
|電柱の消えた街並み秋深む 伊豆の国市・獺祭鹿の子句会
|電柱の消えた街並み秋深む やれば出来ると「でも、空ばかり」
三保の松原の辺りで、そのような改善をやると新聞に出てた覚えがありますが、
それでしょうかねぇ。
‥だとすると、「秋深む」も空ばっかというのがオチかなと思いました。
|ビル解体倍に広がる秋の空 浜松市・遊史句会
|ビル解体倍に広がる秋の空 かげ去りてゆかしと思うらむ
‥どうやって+七七にしようかなと思い悩んだすえ
俳句のままでも十分なんじゃねぇ‥と思わざるを得ません。
でも、無ければ無いで、なかなかこういう塩梅には整えられなくなるのが流れです。
そもそも、どのぐらいのビル解体を前提にすべきかが悩ましいのです。
少し昔なら、四階建てでも十分にビル扱いでしたが、今なら八階以上かなと‥
‥それでなくてもビル解体の裏側で
よろこぶ人と泣く人の両方があると、その中間を勘案して、斯様な詠みになりました。
> デカすぎるビル影ほど、消えて欲しいと望んでるかと思います。
> スカイツリーとかよろこんでる向きもありますけど、景観として勝るかどうかだと思います。
ビル群ってのはそういう意味では、山に劣るように思います。
だったら、全体の風の流れが穏やかになるように、山を造っちまえば良さそうですが
‥どうなんでしょうね、ただでさえ利権がどうのと騒ぐのがオチです。
‥でも、動く島を造ろうと試みる向きへの賛同はあるようです。実験としてもまずは島なんでしょう。
1-8)7
|忘れごと殊に多くて鵙の贄 浜松市・遊史句会
|忘れごと殊に多くて鵙の贄 名刺の多きご縁なくござい
*鵙の贄(もずのにえ)
収穫とばかりに、狩りをしたまま餌を忘れてしまっている鵙の贄を
名刺に見立ててみました。
「ともだち百人できるかな」‥なんて唄がありますが
その様を名刺に置き換えて見立ててみました。
‥それほどに作る気概も無いのが、仕事での付き合いなんだなぁと思わざるを得ません。
知人は百人出来ても、友達付き合いとなるとなかなかにしんどい‥それが私たちなのです。
だいたい、面倒くさいとばかりに大がかりなパーティーを催してやっつけるのが精精です。
‥それに参加できるのがステータスとか、自己満も甚だしい風情だと思います。
‥でも、無くなってしまった途端に結束もしおしおと。まさに正月なんてそれですから。
> それにしても、このネタの句‥
「鵙の贄」にまで例えた着想は面白いと思うにせよ
‥詩情としては、全然ですよね。
そもそもの「鵙の贄」に、詩情なんて誰も感じてませんから。(あるのは疑問に謎だけかと)
疑問を投げかけるのも詩情と言えば詩情ですけど、未達な域でしかありませんから。
‥好き嫌いの分かれるところのようですな。
|癌封じ巡る古刹や初尾花 浜松市・遊史句会
|癌おそれ巡る古刹や初尾花 吾も医も人なり世はご縁
|良き縁の科学ぞ未だ枯れ尾花 ただ救うご縁に仏あり
*古刹【こさつ】‥古い寺。古く由緒ある寺。
まるで、ジャンク語のような趣の言葉です。
‥きっと特定範囲だけで使われていたのではと思われます。(戦時用の隠語とか)
どうして「封じ」と詠んだのかわかりません。
まだ病んで無いのでしょうか?‥それとも誰かの為のお参りでしょうか?‥
勢い余っても気持ちは伝わりません。そんなこんなで「おそれ」にしてみました。
(「古刹」に絡めた意図があるのかも知りませんが、その辺どうでも良いと思います)
> 今時の医療にもすっかり不信感があふれています。「何が科学か!」と思うほどです。
実際そこに有るのは人と人でしかありません。
‥ご縁が気になるのは、基本だと思いますが、ここがまた「科学が良い」と同根です。
‥なにをするにも結局は、最後に自分が受け容れるか否かですから。
にしても、癌だけは受け容れることが出来ないと
まぁそりゃそうでしょうね、癌の多くは偽造病ですから。
そうなるように、食べ物に仕込んできたと言われてます。
まぁそりゃそうでしょうね、石油由来の着色料に香料が、金儲けの都合で登場してますから。
そそのかすなんてチョロいもんだったんでしょう。
とくに甘味系はそれで、何がどんな風に悪影響を及ぼすかなんて、わかったもんじゃありません。
‥世界規模での砂糖事業が奴隷労働から始まった段階で、不可解極まりない足音だったんです。
‥今じゃそれ以上に怪しいのが遺伝子改良種のあれやこれです。
原材料がトウモロコシとか、大豆とか怪しいばかりです。
‥遺伝子改良のそれらを油に絞った後、再加工して出来上がってる添加物かも知れませんからね。
‥まともに食べられなくなる方に荷担&依存してきた、それが金融という名の欧米化の本質です。
1-8)8
|抱きついてパパ嫌いだよ拗ねてみせ 静岡市・川柳グリーンの会
|拗ねり寄す「パパ嫌いだよ」‥添うたまま おねだり下手にこたえ下手かも
※拗ねる(すねる)
‥誰が抱きついて、誰を嫌いだと言ったのかが、微妙に曖昧なのです。
そこが見抜けていないようでは、この先も上達することも無きに思われます。
パパから「パパ嫌いだよ」でも意味は通じますからね、
(通常、言う方から拗ねり寄ります。言われる方から拗ねり寄ることはありません)
親が子に拗ねるなんて有り得ない‥そんな事は有りません。それが思い込みというモノです。
‥教育ママなんて、どう見たってそれと同根ですから。
「勉強しない子は嫌い」とか、兵器の如しです。(自覚が無いのが一番に嫌われるんですよ)
|プライドが邪魔して好きと言えぬ悔い 静岡市・川柳グリーンの会
|タイミングもって意もせずプライドかい? 今を見ずままの屁理屈らむ
|返答を聞かずに死ぬる選択に後悔なんぞありもせず未だ
|人を見て端から感想言うも無し ここぞと響けど裏付けなんぞ
|時間歴るほどに思うぞあれが好い 伝える気持ちも用意せずまま
|結局は裏付け欲しさや老いるまで 思い続けて思い込むまま
|変われずの自分の姿恥じたまま 言葉を持たぬ自分が居るだけ
|若き日の念いに応えよそればかり 胸に秘めたるそれだけの本音
|何故に熱き血潮の本音かな 己を識らずんば誰をも知らじ
|迷うまま狼狽したる恋心 最もなどと伺いみたとて
|移りゆく時の風吹く恋心 どこの文化かお一人ポッキリ
|考えて見れば見るほど無理ぞある 自然体だよ大好きなんて
|奇形とて愛する知恵と度量あらば 恐るるに足らず其ぞ無限
|美しさ欲するだけの恋路など テイスト抜きの未達な一杯
|おいしさの裏付けこそが汗に汗 力合わせず味わうなど不遜
> うた詠み終わります、ありがとうございました。
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