↓6)向宜詠吟.2016/11/25
|手にふるる近さ砂丘の天の川 掛川市・句会あさかぜ
|砂の旅一握の砂塵天の川 渡り往くすべて故郷ぞ
(ここでの「ふるる」は触れるの意。ふるるOKです)
‥星の砂ってんならまだしも、砂丘ですからね
砂漠は海を例えていますが、砂丘ではせいぜい湖の範疇です。
そこはともかく、そこから‥「砂漠」×「天の川」の着眼に至りました。
「砂塵」を旅の一向に例えて置きまして、アラブ商人のシルクロードに思いを飛ばしとります。
(*自分らも故郷の一部、細胞ということです。ここ重要でーす。ただの砂塵ではありません)
|鵜篝の火照りは水面よりも来る 掛川市・句会あさかぜ
|水面より灯す鵜篝おどろきぬ 業為す夜漁いにしえの知恵
*鵜篝(うかがり)。火照り(ほてり)。水面(みなも)。
‥水面よりもの「も」ってなんですかね?
まぁ細かいことを云うと、水中では乱射してるんでしょうけどね。
あと鵜も襲ってきますからね。
まぁ、詠む分にそこまで云わないと気が済まないのは野暮というモノです。
(家訓として残そうって云うならありでしょうけどね)
‥ところで、是は言わずと知れた鮎漁の光景の部分です。
鮎の側から観た感じを詠まんとしてるわけですが、情景だけで鮎の反応は置き去りです。
+七七にしてみても、そこがどうにも不足するので、手直ししました。
> +七七に整ってみると、着眼と攻めは良かったんでしょうね。(はじめはさっぱりに思った)
1-6)1
|八月の太平洋に足ひたす 掛川市・句会あさかぜ
|八月の太平洋に足ひたす 聞き入るはなし「鉄の雨」降れり (るる訂正:2016/11/27)
‥まぁ一見、ネタの句だけですと弱い所です。
でも、+七七に仕上げてみると、なるほどと脱帽ものに見えてきます。
(実際、当人が何を狙ったのかなど知る由もありませんけどね)
(‥太平洋ってね、そりゃあーた、範囲広すぎっすよ。だいぶ捻り悩みましたっす)
|草の花広き地下壕残りをり 掛川市・句会あさかぜ
|草の花広き地下壕残りをり 告ぐる人なくば祈り続かむ
‥こちらも同じく、ネタの句だけでは素通りされがちでせう。
それはもう、日常のあるがままに同然かと。(地下壕なんて人気スポットにありませんから)
それを見てどう思ったのかを外しては、どうしたって未完成のままです。
> ‥ぶっちゃけ、俳句や短歌と云った縛りは要らないのが、詩というモノです。
> 何を伝えたいんですか?、巧さですか?、意外性ですか?‥違います。
> いつ何時とあろうとも「本音」です。「気持ち」です。それがダイレクトに伝わる感じです。
極端を云えば、それが「詩」である必要も無い。(暮らしが成り立てばそれで良いのなら)
‥詩人如きなんぼのもんじゃいという意味にもなりますが、その通りだと思います。
1-6)2
|腰かがめ一句拾へと木の実落つ 沼津市・七草はいかい倶楽部
|腰かがめ一句拾へと木の実落つ 食へ'ぬ秋より食へる秋かな
‥ネタが、余りにも気持ちを前面に出しすぎです。
句としては、ダメを押されるところですが、そのままを+七七に用いてみました。
「腰かがめ」の語順と云うか情景が、微妙に伝わりにくいところですが
他にも何か、銀杏やら茸やらと採っている最中にも思えます。
‥その何気なさを活かして、+七七に引っぱっています。
|栗拾ひ子より夢中になりにけり 掛川市・句会あさかぜ
|栗拾ひ子より夢中になりにけり 縄文の血の騒ぎよる
‥詩情が弱いと云えば弱いのですが
それにしても普段の自分の様子をそのままに詠んであるので、無いとは申しません。
まぁそういうものなんですよね。
> 「まずは自分を詠んで見ろ」それがそのまま詩になるのです。
‥とはいえ、ありのままをどう詠むかでもあります。
ほめすぎてもダメだし、自虐すぎてもよろしくありません。
ストレートすぎるても‥詩としてはよろしくありません。
又、いろいろな自分をさらけ出さないのも如何ともし難いのです。
後から振り返ってみた時に、成長が見られれば良しともできますが
その判断をするのもまた自分ですから‥自立とは何かとしたら、そこを判断できることでしょう。
そこを依り代にして、何があろうとも成長できるだけのよすがを得ている事でしょうね。
(‥愚痴に人のせいなんぞ論外なんですな)
|大口の栗羊羹の零れをり 掛川市・句会あさかぜ
|大口の栗羊羹の零れをり 相も変わらぬ食い気優先
‥わざわざ詠む程でもなきこと。そのあとをどうツッコミかですが
対象の年齢が不明にあるので、無難なところで折ってみました。
「品良く食べなさいよね」まぁそんなツッコミになりますかな。
> 最近の流れとしては、無駄口と一緒に食べるので、こぼすわけですが、
> 昔なら「口に入れたまま喋るな!」とした台詞が飛び交っていたモノです。
そんな今時の爺婆の光景なんでしょうな。(もしくは孫かな)
‥欧米化にも程があるというかなんというか。(などとそれほどに品なんて気にしませんけどね)
‥ようは、躾なんて大人からして為ってねぇんだから、何ムキになってんの?(それだけです)
> 躾なんてなぁ、まずは口癖を飛ばしゃいいんで、その繰り返しだけで十分なのッ
何をムキになって、体罰に走るんすかね、ほんと血が上りすぎだわ‥
そして自分の都合と云わんばかりです。
‥あとはバランスです。
躾け台詞ばかりでは、ストレスになるのは当然です。
ほめてやることが、ここに於いてようやく効力を発揮するんですよ。
‥時には、折れてやってわがまま聞いてやるとかな。(ほぼ経営と同じ)
で、ほめられるのが当然だと思っていると、即行容赦無き「ブラック」呼び攻撃です。
社会全体で、そうなら、ほんと国民性も糞もありませんな。
‥何事も手順とバランスです。「塩梅」とも言いますけどね。
|母しのぶよすがに栗の渋皮煮 掛川市・句会あさかぜ
|母しのぶよすがに栗の渋皮煮 伝ふるよすが得られ’ぬ寂しき
‥独創派なんで、教えられた方法を生涯守り通すなんて柄にありませんので
何を言わんとしているのかが、詩情として同意しかねます。
(腹に入っちまえば、皆同じよ!、食べ付けてないより食べ付けてる方が好い!)
伝統が後代に伝わらないのが残念とか、そういうのもまぁ有るような無いような
‥食い気に関しては、まったく以て、その時次第で十分などと思ってます。
> ‥でもまぁ、食が変わると体格にでるタイプも居るようで
> そういう人は、常にそこを振り返るべきかと思います。
それは結局生き様にも通じるんでしょうね。
(自分が次に生まれ来るよすががないと、身を削らざるを得ない)
クリアーできていない課題、若しくは、残されていない事柄があれば、
その分だけやり直しですから、先に進めず苦労する事になるかと思います。
食に関しての必要条件が絡むともなれば、尚更なんでしょうね。
> 昔の日本人は老いても正座できていたのに、どうしてそれができなくなったのか?
それは、そこを勘案するに、食の変化としか思えません。
正座ができる。しゃがんでのトイレも苦痛に無い。昔の食事はそれに適っていたのだと思います。
‥さしずめ、肉の食べ加減&甘い物の取り過ぎ‥なんだろうと訝しんでます。(欧米化ですから)
1-6)3
|山の日に靴音揃え白山へ 沼津市・七草はいかい倶楽部
|山の日に靴音揃え白山へ 行きも帰りも電車座れず
‥「山の日」というのが2016から施行されました。8月11日だそうです。
見た目良く整って見えるところ‥「そんなの知らねぇよ」と思いつつ、
夏季連休に合わせただけの祭日が頭に付いてるだけに、どこか腑に落ちません。
考えてみて思ったのが、+七七の下の句です。
沼津からですと、東海道線から大井川線に乗り換えて行くのか、バスかだと思います。
バスはこの時期は渋滞が絡むので避けるでしょう。でも東海道線で座れるかどうかは分かりません。
(‥少々大げさに詠んで見せています)
|置き去りの軒花揺らす秋の風 沼津市・七草はいかい倶楽部
|祭り来る軒花揺らす街通り 掛川囃子ぞ山車山車山車
*軒花(のきばな)
掛川市の祭りで費用を得るのに、軒花というのを手作りして
買ってもらい、それを通りに飾るというのがあるそうです。
で、置き去りにも、外に出しっ放しというところを詠んでみたらしいのですが
‥軒花の意図がまるで死んでしまっており、意図不明です。
「軒花」を季語として扱わない事には、ここは巧く整いません。(ガチに攻めましょう)
> それにしても、ググってみた感じでは、のんびりしていて自由奔放な祭りですよね。
‥ひたすらに山車が続いて、続いて、続いて、これでもかって云うぐらいに
囃子を奏でているだけのような風合いです。(それはそれでありかなと)
なんでも辺りの祭りをひとまとめにしてしまった合同のお祭りだそうです。(でそうなったのかなと)
*干支により、規模の大きい時と小さい時があるそうです。
1-6)4
|柘榴の実ませたりし友如何にをり 沼津市・七草はいかい倶楽部
|柘榴の実ませたりし友如何にをり 昭和のノリで平成ぞ無理
‥なにやら「柘榴」を子宝に例えて用いるのが定番に有るみたいですね。
「へぇ〜」と思いつつ‥この友の出生は、どの年代層かが気になりました。
‥と云ったところで、べたな発想で整えてみました。
短歌としては、こんな風にさり気なくなんてなかなか詠めません。(勝手に合作ならではかと)
|秋暑しどぜう暖簾の太き文字 沼津市・七草はいかい倶楽部
|秋暑しどぜう暖簾の太き文字 昔ぞ景気厚みふっくら
‥県民性なのか「どぜう暖簾」ネタが意外と多いです。
いくつか見てきたのと比べて思うと、これはなんの捻りも加えずにそのまんまの詠みですね。
俳句としては、極平凡ですが、+七七への上の句としては、持って来いの雰囲気です。
(‥さて、どう料理してやろうかと)
鰻重の厚みが同じでも、絶滅危惧種に至ってお値段が上がってしまっている‥
自分の財布の勢いもかつて程になく、厚みが減ってしまっている‥
‥とまぁそんな世間の事情を噛み合わせて整えてみました。
|クロネコがうちには来ない十二月 静岡市・しみず川柳かすが
|クロネコがうちには来ない十二月 己に書きたる年賀状
‥冗談にも、是は詠まんでしょう。勘違いされちまいますからね。(それともガチなの?)
まぁ下の句は、個人的にやってみたことがあります。
‥そんな奴にですね
中1の時、転校するからって部活の奴が、「俺も出すから年賀状くれ」って
しつこく迫られた事があります。
まぁ事情は察しましたけどね、キッチリ来ましたけどね。薄情にも出しませんでしたよ。
> 己に書いて出した段階で、著生の年賀状欲は、ほぼオケラになりましたん。
1-6)5
|秋の野に小さきリュック並びたる 沼津市・七草はいかい倶楽部
|秋の野に小さきリュック並びたる 自分のおやつを一杯詰めて
‥「小さきリュック」と云ったら、まず園児が浮かびます。
「遠足」は春の季語になってるので、「秋の野」です。
でも、家族のハイキングでも、自分も背負ってみたいお年頃なんてところもありかと。
今時の幼稚園の事情なんて知りませんから、冒険せずに無難なところでまとめてみました。
(一つでも並んでりゃ、ここでの句は成立しちまうんですな)
|秋うらら赤子の仕草に集ふ笑み 沼津市・七草はいかい倶楽部
|秋うらら赤子かわいや仕草笑み 天才ジェスチャー是にあり
‥ここでの主役は「赤子の仕草」ですよね。「集ふ笑み」って誰の笑みなんですか?
親も複数、赤子も複数だとしても、分かりにくいだけです。(両方を狙うのは無理かと)
|さそひ合ひ花火楽しむ橋の上 掛川市・句会あさかぜ
|さそひあひ花火楽しむ橋の上 見あぐるばかり老いも若きも
‥余りにも平凡すぎてますが
詠み手の暮らしぶりは、きちんとしてそうな日常にあるように思われます。
そうなると+七七としても、そうならざるを得ませんね。(捻る必要も無いと)
> さらに、是ってどこか、恋愛観もそうなんじゃないかと思わざるを得ません。
黄色い声援を発している割には、以外とそんなの期待していないのが本音で
横並びに弱いというだけのことでしょう。
‥なら、友達が結婚したとか、まぁその辺がその当人としては節目なんでしょうな。
‥そこを外すと潮時にもなりかねないと。(でも、待つのも平凡の口ですからな)
‥そんな時分に意図的にわざわざバレるように浮気でもされりゃ、お流れ確実です。
それの関係が終われば良いなどと思ってると、
そんな浮気者は、以外とそのあとが閑古鳥だったりと甘くないのも平凡との関わりゆえんです。
(だって慎ましき平凡を蹴ったんです。比率から云って、質も確率も下がるのは当然かと)
(まぁ付き合いの度合い・深度にもよりますけどね)
‥その時、一番に変わって来るのは、生まれ来るだろう子との相性もしくは関わりです
そんなの誰も推し量ってませんが、縁を司る神はキッチリ清算を求めてきます。
得するか損するか、そんなの分かりませんが、後に引きずらない事です。
> とどのつまり、結婚なんて子宝に尽きるかと
> 「そこの分からない女子ワークって何?」‥って思わざるを得ませんね。
どこまで行っても横並び意識にあるがゆえに、得たら得たでひとまず安心とばかりに
なにかこう、自分優先のところが有るままです。
そこの見切りというか度合いというかタイミングというのを、
‥その子を見て、判断をしてない空気が蔓延しています。
つまり、その鏡似性の裏返しで、子も親のことなんか知ったこっちゃナイを発揮するんですよ。
世の中がそんなだからでしょうね、余計に疲れるようなリスクに感じざるを得ないと
よくよく観察していれば、発見だらけの筈だと思うところです。
‥その子を見て、その子を発見すりゃ済むことです。
‥何かに当てはめようとしていると、全然ダメダメになっていくと。
‥歌詠みでもそうですが、型にはめようとするとダメダメですからね。
‥そこが掴めないのに、親に成ってしまったということが許せないとさらにドツボにハマっていくと。
頭の中が男になっちまってるんでしょうね。それで男に期待すると‥「馬鹿ですか?」
> 本当の意味での女子力とは、
> 子が何を伝えんとしているのかを掴み取る阿吽だと思うのですが、そういう声は聞こえませんな。
良いですかい、自然界でのオスは、ライバルの子を平気で殺めちまうんですよ。
女子脳までオス化しているなら、それの如しが人の側の日常でも広がるんですよ。
おしどり夫婦を希望したいなら、肉食を好むのんで日々を送るのもどうかと思います。
‥まぁ産むのに体力は必要ですからね、そういう工夫というか知恵を発揮すべきなんですよ。
‥何が美容だ長寿だと、見ていて思いますけどね。
‥斯様な角度からのCMなんて見たこと無いですからね。(アホにも女子自ら偏ってるわけですな)
|蓑虫のかぼそき糸や冬近し 沼津市・七草はいかい倶楽部
|悪ガキも無垢に見守る蓑虫や 一度は解体然もありなん
*蓑虫の糸の強度は蜘蛛の糸より2.5倍も強いそうです。
(解体したことが有るよう無いような、記憶曖昧ですが、崩しがたかったような気もしないでもない)
それにしても季重ねです。しかもハズしてます。
‥冬が近いからこそ、蓑虫の蓑虫たるぶら下がりが見られるのです。
‥昔の蓑虫は、長々と伸ばしてたような気もしますが、ググって見られる画像はそうにありません。
‥是は何か、気候変動の影響なんでしょうかね??(糸の特性に絡んでいるとか)
1-6)6
|新涼のソファー深くジャズピアノ 沼津市・七草はいかい倶楽部
|新涼のソファー深くジャズ響く くつろぐ座談に過ぎぬる午後
‥「ジャズピアノ」ってあーた、あんたが弾いとるわけでもないんでしょ。
主語の不明になるような語彙はぶち込まないの方が適切です。
|絵の具ではこの色でまい次郎柿 沼津市・七草はいかい倶楽部
|吾が画より色つやつやぞ次郎柿 農家の腕にガブリとまいる
‥「この色でまい」って誰がどっちに喧嘩売ってんですか?
自分の絵の自慢にも受け取れるような塩梅です。
気がついていないのなら普段からそうなんでしょうね。(自慢好きのなんとやら‥)
> 自慢好きの欠陥は、負けから先の敗北感を遮って、素通りしがちなところです。
‥気持ちをさえぎったままでは、どうしたって言葉にならないのです。
‥嘘が代弁するばかりでしょう。で、胡散臭いとか言われるようになるんですな。
まずは、負けは負けとして素直になって、洒落込んでやっつけるようにすべきでしょうな。
|連なりて茘枝の育つ竹格子 掛川市・句会あさかぜ
|支ふるや連なる茘枝垂れ見頃 カジキと和えりゃ乙な味に
*茘枝(れいし)=苦瓜=ゴーヤ。
‥詠みとしては整っているように見えますが
どうにも括りの「竹格子」の韻が目立ちすぎて、主役が死んでいます。
「茘枝」を詠んでるのに、一気に主役を持ってかれた感は、詩作としてはよろしくありません。
それは「育つ」の主張でもあります。「誰のお陰で育ってんの?、支柱があるからでしょ!」
‥まぁそんな置き方になってしまってるんですよね。
‥育って欲しいから支柱があるだけで、立場が上回る事なんてないんです。
(ググると「竹格子」とはまったくの別のものを指すようです。一般に支柱で通ってるみたいっすよ)
(支ふ「ささふ」を用いれば「支柱」は不要になります)
> ゴーヤチャンプルより美味しくいただけるのが、カジキマグロの切り身との合わせです。
切り身と云っても、切り落としで十分で、なぜかこれが合うんですよ。
(双方共に、薄めにスライスするのが好い感じかと)
> うた詠み終わります、ありがとうございました。
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