↓4)向宜詠吟.2016/11/26
|月見れば人の心の惑わしさ 沼津市・七草はいかい倶楽部
|照らさるやひと世の垢など月に風 なぞらえ落とせ闇のまにまに
‥「惑わし」なる形容詞は無いようです。
惑わす[動詞]が本則です。
惑わすの連用形[し]+過去助動詞[き]連体形[し]=まどわしき、まどわしし‥への活用を見せますが、
惑わしいとは用いられず、「煩わしい」かと思われます。
で、犯人はと言うとATOKの変換に出てくるというオチでした。
(なぜそうなったのかは、分かりません)
通常「心」は、善い方に解釈して使うのが、短い詩文での用い方になります。
‥まぁその辺り、いろいろと言い回しがあるんですな。
> 月を眺めていると、私のこの世での思い患いなどどうでも良く思えてくるものだ
> それはどうしたって、覆い隠してみたとて、気持ちの晴れるものではない
> むしろ、月に風が吹くように、吹き飛ばしてしまった方がずっとおあつらえ向きなのだ
> ならば、満月を手本に心を入れ替えてしまった方がずっと良い
> それも表沙汰になる前に済ましてしまうに限るのだ(そうだろうよ)
|灯を消して満月に酔い酒に酔い 静岡市・しみず川柳かすが
|長月の天の明かりぞ酔ひ注ぐ 見かぬる事なき見透かさる宵
‥ネタは、句としてはちっとも冴えていませんが
酒に月ときたら、なぜか自分もと詠み攻めてみたくなるのです。
*見かぬ(見かねる)‥@見ることができない。たやすく見つけられない。
A見るに堪えない。平気で見ていられない。
見透かす‥@すかして見る。見とおす。
A(他人の心の中や将来の成りゆきなどを)見ぬく。あらかじめさとり知る。
‥どちらも@の意になっとります。
> こうして、部屋の灯りを消して縁側orベランダで、月明かりだけで飲んで居ると
> 月が隠れてしまっても、また顔を出した時にも、すぐに分かるものよのう
> (酔いが回ってきても)月見を見逃さずに済むというものじゃて‥まぁほんに良き宵じゃ。
1-4)1
|望月に吸ひ取られしや波の音 沼津市・七草はいかい倶楽部
|月光に吸ひ取られしや波の音 風やわらかに忘るるほどの
‥「望月に吸ひ取られ」どう考えても、ここは「月光」です。
「音」に「風」に、それらに勝るのが「光」だとしての対比でもあります。
「望月」に「満月」は、気持ちを思い重ねるのに持って来いですが
ここでは単に光景だけを詠まんとしています。(そこの違いを見誤っては勿体ない)
> ああ、なんと類い希な光に包まれた望月だろうか(ふと気がつけば‥いつになく静かだ‥)
> いつもの波の音でさえ、あの見事な月光に吸い込まれてしまっているかのようだよ
> どれほどの時間眺めただろうか‥風がやわらかくあるだけだというのに‥
> 昼間のうだるような暑さが嘘のように思える(このような月夜があるとはなぁ)
|また会う日指切りをする星月夜 静岡市・しみず川柳かすが
|また会う日指切りをする星月夜 幼き頃の舞踏会にて
‥絵本の世界のような詠みっぷりと「星月夜」が実によくマッチしています。
それに合うように、+七七で、夢見る舞台を足してみました。
1-4)2
|貌ほそき仏まします柿の里 沼津市・七草はいかい倶楽部
|貌ほそき仏まします月の晩 夢枕に及ぶありがたや
‥「柿の里」をググってみましたが
近頃流行りのデカい仏像と絡む線は見あたりませんでした。
仕方がないので、昔話に出てくるような塩梅に整えてみました。
どうして柿の里などと持ってきたのかが今ひとつわかりません。
‥ググってみると、あちこちで「柿の里の道の駅」として名乗りを挙げとるようです。
(ちなみに柿は、日本原産の果物です。仏はインド由来です)
|ジョギングへ満月照らす霜柱 静岡市・しみず川柳かすが
|霜柱吐き出す息の走り込み
‥「満月」×「霜柱」、よく分かりません。
無いとは言い切れないだけに、季節感は「冬」とせざるを得ません。
でも、課題はむしろそこになく、語順もとい掴みです。
満月に照らされてあるべきは、ジョギングしてる自分にあるはずなのに
どうして「霜柱」なんですか?
本則、季語が主役とは云え、ここでの主役はあくまで「ジョギング」の詠みなのです。
ならびに
「霜柱」を照らすのにわざわざ「満月」を添える意図が不可解です。
そのジョギングが日課にあるなら、無理に満月を添えずとも良いはずです。
|有明の月を背中に走り込む 霜振る腹のスリム目指して
‥同じ霜でも、こちらの霜の方が察しがよろしいかと。
1-4)3
|虫の声下弦の月とコラボする 静岡市・しみず川柳かすが
|虫鳴夜月の明かりに酔いしびれ 恋さけびたく歌うカラオケ
‥「コラボ」ってねあーた、それをどうやってのけるかが「句」だよ。
素材だけ並べて料理した気になったなんてね
料理番組の掴みだけ盛り上げて、料理しないタレントと同じだよ。
ちなみに、上弦の月と下弦の月とは
満月に向かう時の半月を上弦の月、新月に向かう半月を下弦の月と呼ぶそうです。
‥つまり季語としての顔は持ち合わせておりません。
「上限の月」とただ月と綴るだけよりは調子よく思えもしますが、
六音も使ってしまう意味がどこにあるのかと‥冒険と云うよりは、投げやりにしか映りません。
どうせなら「ヤーヌス」に「ジギルとハイド」辺りを引っかければ面白いとは思いますが、
もう少し適度に短めの響きにないと無理というモノです。
> ということで、どうにもひとりカラオケの雰囲気にまとまりましたとさ。
|十三夜雲間に顔をのぞかせる 静岡市・しみず川柳かすが
|十三夜雲間に顔をのぞかせる 斯くして合コン月あればこそ
‥+七七の上の句としては問題ないんですけどね
ネタの句としては、整っているようでいて、捻りが無いパターンです。
*斯くして(かくして)
曇りがちな「十三夜」と、外しがちな「合コン」を掛けて詠んで見ました。
「月」をその中のピカイチor好みに例えている訳ですが、運のツキでもあります。
月としては、他の男に興味が無いわけでもないが、ババを掴みたくも無いのが本音で
‥本性をさらけず偽って(隠して)挑むのは、ありがちなんだろうなと思っちまいました。
(ツッコんだところで、予定されていた面子が揃って居らず、そそらない空気だったりと)
1-4)4
|ぐい呑みに月を浮かべて妻と酌み 静岡市・しみず川柳かすが
|ぐい呑みに月を浮かべて妻と酌む ごろりと誘う若き頃をと
‥「酌み」か「酌む」か。まぁなんかその手の「体言止めが‥」などと言い分があるようですが
+七七に伸ばすと、「酌む」の方が歌いやすいのでーす。
|サンマ焼く煙に月もむせている 静岡市・しみず川柳かすが
|サンマ焼く煙に月のむせりたり 「姉ちゃんどいてみい」度アップ見れり
‥「月がむせるわけねぇ」と思いつつツッコミを考えました。
(マンガのネタにもあったし、地域によっては焼くのかなと‥??)
まぁ姉ちゃんが秋刀魚を七輪か何かで焼いとるんでしょうな。
ということで、姉ちゃんを「月」に例えまして、あとは下心ありありの詠みになっとります。
どちらかというと「奥さんどいてみい」かと思いもしますが、
秋刀魚も焼けないという印象も今ひとつかなと思い「姉ちゃん」にしておきました。
> 未成年の女性と付き合うだけでも犯罪視になってしまう昨今、まぁこんな空気が漂うんだろうなと
震災時の対応がさらに大変になりますな。スタンガンの配布も欠かせないのではないのかと。
日本人のモラルが好いと言っても、下のモラルはまた別という話がちらほらとしておるようです。
‥ハッキリ言って、グローブタイプのスタンガンでも発明されないと安全は確保できんでしょうね。
(ナックル部分が突き出て放電する感じで、スマホ電池と交換利用可とか‥)
(どうせ電池の予備は欲しいんだから、両手に持ってろよという次第です)
(ついでに、ナックルからの放電をキャッチすると)
(そのままスマホに特定の信号が送信されて、誰かに電話が行く設定にできるとか‥)
‥なにしろ組んで襲ってくるのが筋ですからね。スタンガン同士も組まないと数が合いません。
(逆に男衆がそれを持てば超危険!‥まぁ道具に頼ろうとするのはやはり野暮というわけですな)
> うた詠み終わります、ありがとうございました。
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