↓5)向宜詠吟.2016/12/01
|天に向く楓小さくたたしめて青光りゐる苔玉のあり 静岡市・しおん短歌会
|多々しめる楓ぞ散れる風に立つ いざ無念とはこの抜け穴よ
‥「たたしめて」がよく分かりません。
多々湿るなら、下の句の流れからして、散り落ちているようにも思えますが
天に向くと出だしにあるので、多々占めるとも解釈できそうです。
‥ですが
湿る[しめる]四段「しめりて」、占める[しむ]下二段「しめて」ですので、活用が異なります。
その辺がどうにもとんちになってしまっているのです。(分かりづらい)
(そもそも苔玉ってのは、苔の苗木みたいな奴らしいので、ますます分かりません)
‥まぁその辺は兎も角、「たたしめる」×「楓」は面白いと思いました。
> 状勢はとても悪い。すでに赤備えの兵も多くが失われている‥
> そんな中私はまだ生き残ってしまっている。
> こうなっては、もはや‥秀頼様だけでも逃げのびて頂き、家康に一杯食わしてやることぐらいだ。
> ‥誠‥無念とは、この抜け穴をくぐり抜けることよのう。
(むろん、拙者も武士としての本懐を遂げずに)
(ここに、生き恥を晒してでも、秀頼様の脱出を最後まで見届けなければならないのだ)
‥なんでも、手鞠唄に歌われた伝承通りだったそうです。子孫まで居りまーす。(TVで見たよ)
「花のようなる秀頼さまを 鬼のようなる真田が連れて のきものいたり鹿児島へ」
真田幸村の見てくれは、普通のオッサンだったらしいが
「鬼」とか歌詞に出てくるのは、それが逆に、討ち死に説をそそっているような気もするのだが
‥まったく以て謎である。
家康に迫ったのが別人で、幸村は大坂城に居たままにないと辻褄が合わない。
‥それとも、秀頼が出陣していたのか?
只でさえ生き残ってれば赤備えは目立つんだし、弾が飛んでくるんだから、城まで戻る方が難しい。
家康も逃げられたのを気取られないように、秀頼が出陣しなかったように書き換えたとしか思えない。
しかし、秀頼が出陣してればしていたで、そこから幸村が離れられなくもなる筋になるから
‥秀頼もまた多少豪傑に描かないと幸村のイメージもポシャる感じになっちまうんだよな。
|来年も見たいと思ふまんまるの神無月の月夫と一緒に 静岡市・駿府短歌会
|神無月の夫婦の月見まんまるや
|神無月の月見夫婦のまんまるや よしなに願うそのまたの月見
*神無月(かんなづき)‥陰暦十月(十一月)頃
‥無難に整っているので、直す必要もありませんがリスペクトしてみました。
やや、第三者視点の上の句になりますが、「夫婦の月見まんまるや」にすると
俳句としては悪くありませんが、+七七に引っぱると途端に面白くないのです。
1-5)1
|障害をもつひと兄と思ひなば互にこころ通はすならむ 静岡市・駿府短歌会
|障害を抱へ持つ人兄として互に思はむ日を願へば 手直し
*互に(かたみに)‥たがいに。かわるがわる。
障害をもつのが、実の兄なのか?、認知症で障害のように見えるのか?、
まったくの他人で‥兄さんとして慕うようにしようと決めたのか?
‥まぁその辺、微妙に分かりにくいのです。
「思ひなば」→「思ひなれば」の省略形(思う+断定助動詞[なり]+助詞[ば])
「ならむ」→(なる+助動詞[む]‥ここでは、意志のような強さまで感じられない)
‥「互に」の使いどころが、さらにややっこしさを醸しだしてしまっています。
片身に思う意を含むことから、それはお互いにそう望んでいるのかもあやふやです。
現在の所の如何なるかがどこにも有りませんので、介護の関わりなのかな?と思うだけです。
> 「互に」と「こころ通はす」は、ほぼ同じ意なので、くどいだけです。
> 「こころ」と置いてあれば、それらしくなるとか‥そう考えてるのなら安易ですな。
‥それにしても
手直しの詠みにしてもまだまだで、分かりやすく整えただけに過ぎません。
この歌をそのまま障害を持つという当人に、文として送ろうとした場合、どうしたって幾分失礼です。
失礼にならないように整えたいところですが、状況が不明なのでそこまで詠み込めません。
|麻機の蓮根旨し口々のシャキシャキだけでは言葉が足らぬ 静岡市・駿府短歌会
|麻機の旨し蓮根シャキシャキと言葉足らずも口ぞ語れる 手直し
*麻機(あさはた)‥静岡市内の一地区の名称。
‥「言葉が足らぬ」ここが微妙です。
シャキシャキと美味しそうな音がしているだけでも納得できそうに思うのですが
詠み手は、どうにもご機嫌な感想をそえて貰いたいらしい‥そんな勢いです。
あとは箸の動きがどうかです。
レンコンを、手を休ませること無く口に運んでいれば、それだけで旨いという空気になります。
‥その辺、詠み手自身が、物事を表面的にしか解釈できていないのが丸わかりです。(残念)
> ほめてもらいたい気持ちで、どんなに詠んでみようと、駄句を寄せるだけなんですな。
> どうにも農家の方の詠みのパターンにあるようです。
(作付け時にどうあるかなんて、知る由もありませんけどね)
‥集中力を妨げるだけの無駄です、エネルギーの浪費です。
ほめて貰えればもっと頑張れるとか、愚の極みにしか成り得ません。
好きだから、楽しみたいから‥それを為している。そこだけに集中すりゃ良いんですよ。
‥そして、無為に戻ってくる‥(ここがポイント)
(何事にも‥それの感情とは別に、その都度、目的が異なるわけですから)
(自分から聞きゃ良いんですけどね‥そういうときの返事ってお約束にも空返事ですから)
|注文のまな板届けど二十年使いしまな板まだ捨て難く 静岡市・駿府短歌会
|トントンと古きまな板惜しむ夏 この味継げよ新品のまな板
‥「二十年」とか気合入れて詠んどるようですが、恥にもなりかねないし述べる必要も無いかと
ポイントはあくまで、「捨て難く」の方だと思います。
詠まれた季節はたぶん「秋」かと思われますが
「夏」の方が、清潔感を求めて買い変えてみました感が伴って良いかなと思いました。
1-5)2
|秋の野に蜜を求める蜆蝶泡立草を忙しなく飛ぶ 静岡市・しおん短歌会
|せわしげに泡立草に蜆蝶 よろこびたる秋をたいらげむ
*泡立草(あわだちそう)、蜆蝶(しじみちょう)
‥「蜜を求める」こんな説明要らんと思います。(小学生でも知ってる常識です)
詩情としては、「もっと別のこと書けや!」そうなると思います。
(+七七としての上の句が、俳句として季重ねになりますが、具体的な方がよろしいかと思います)
|山肌が霧に包まる煙る時道行く人は傘さし始む 静岡市・しおん短歌会
|霧包む山肌しみて雨のごと 路往く人の傘さし始む
*始む(はじむ)
‥「煙る時」霧を説明する意味合いがどこにあるのでしょう
霧がどのようにあるかを度合いとして示す必要はありますが、霧が「ガスる」と表現されるように
常識を説明していられる程の音数なんてありません。
> 説明すべき事と、不要のことを適切に判断できないのでは
> 何事にもその先が思い知れとります。(入社試験ならアウトです)
でもまぁ、下の句のリズム感は悪くありません。
|雨上がりみどり清しき境内に白萩散りて姉一周忌 静岡市・しおん短歌会
|秋雨の上がれり姉一周忌 清しく散らむ境内の白萩
‥着眼に伴った穏やかな気配はよろしいのですが、どうにも整っておりません。
秋風情に「みどり清しき」なんて変ですな。
> 助動詞「り」の接続どころを学び直して、すっきりです。(上がれり)
でもまぁ、少し気になるのは、
‥雨で散っていたのか、白萩の花がまだ付いているのかがちょっと分かりません。
(でも姉一周忌が主体ですからね、ようやく心の整理が付きましたぐらいなんだと思います)
(‥その辺、咲き誇ってるとして言いきっては、おかしな空気になりかねません)
1-5)3
|南京錠この不便さが懐かしくこの今生きる昭和の吾は 浜松市・龍の会
|南京錠このアナログが心地良くスマホで施錠いぶかしく
‥自己満足感に漂ったまとまりですな。
意図されてあるのは、手直しの読みのままにあると思います。
さらに「昭和」しか書いてません。
「この今生きる」なんて書いてもそれが平成にあるのは明らかです
せめて「平成」ぐらい放り込んで置いて欲しかった‥
> 気持ちとして、比較がそこにあるわけですから
> 比較する対象をハッキリと示さないのでは、伝わりにくいだけです。
(そんなんでは、南京錠だって売れやしませんよ)
|目の端をよぎりて消ゆるひとつ影啼かない鴨が葉叢に潜る 静岡市・しおん短歌会
|目の端をすぎ消ゆ影やもぐる鴨 葉叢に待てるシャッターチャンス
*葉叢(はむら)
‥「ひとつ影」
どこかガッチャマンの登場みたいで、格好良さげに思ってしまう年代層かなと
どう見つくろっても変です。そもそも一匹で行動する鴨がイメージできません。
いつからそんなに、鴨のイメージが強くなったんですか?‥綴るだけ野暮というモノです。
ちなみに
すぎる[すぐ]‥@ある所を越してさらに先へ行く。よぎる。また、ある距離を越える。越えて行く。
という意味がすでに在るので、「よぎりて消ゆる」は音数の無駄で「すぎ消ゆ」で十分です。
> ここも、助動詞「り」の接続どころを学び直して、すっきりです。(待てる)
> ‥こんなにも鮮やかに整ってしまうとは、わたくしにも過去の詠みのチェックが必要でーす。
1-5)4
|立ち通しに休憩ほしいと思いたり小鳥が羽を休めるように 浜松市・龍の会
|「有給」悩み尽くして上司見る‥小鳥が羽を休めるような
‥散歩かハイキングか分かりませんが、とにかく休む暇がなかったのでしょう。
その日常感はあまりにもどうでもいいと思わざるを得ず‥発想を変えてみました。
> 有給でも取って休みたいと思うがそれすらもままならない
> 悩んでいるところ、どうにも上役の連中の仕事ぶりと云ったら、
> ‥小鳥が羽を休めているようにしか見えないのは、どうしてなんでしょうね?
|八十路なり多くの趣味に追われつつ好む道とて今日もいそしむ 浜松市・アカシア短歌会
|八十路なり多くの趣味を思いしも好む道ほど今日もいそしむ 手直し
‥八十路にもなると、どうなんでしょうね??
活発で元気な感じにあるのが読み取れますが、老け格差を感じざるを得ないかと。
そんなこんなで、発想を変えてみました。
|八百万何かひとつに秀でたり好む道こそいそしむべけれ
*八百万(やおよろず)‥数がきわめて多いこと。
(ここでは八百万の神の意を借りてきて添えている意を含む。無くても通る感じかと)
> 全体主義共生発想だからこそ、得意を伸ばせば良い
> 個人主義競争発想だからこそ、欠点の克服が欠かせず、結局はただの人の流れなのでーす
> ‥そろそろ気がつかれても良いと思う所ですが、世間はまだまだそんな風向きに無いようでーす
1-5)5
|毎日のバランス考え炊事する私の寿命のホームドクター 浜松市・アカシア短歌会
|毎日のバランス考え炊事したる吾の長生き吾ぞドクター 手直し
‥誰が炊事をしているのかが抜けとります。
それとも、「私には寿命のホームドクターが居るざんす」とでも自慢したいんですかね?
> ここはサ変なので助動詞「たり」の接続どころでーす。(炊事したる) (サ変訂正2016/12/13)
> あと、「ぞ」の使い所が欠かせないかと。
|自転車こぐ正平さんの背な見つつ商いにはげみし父が重なる 浜松市・アカシア短歌会
|正平の自転車漕ぎたる背な見れば商いはげめり父ぞ重なる 手直し
‥まぁそういうTV番組がNHKにあるようです。(にっぽん縦断 こころ旅)
> はい、ここも助動詞「り」の接続どころでーす。(励めり)
> (お父さんはすでに他界されてるようなので、連体形で接続できません。終止形で添える程度です)
こんなにもめちゃくちゃに使える助動詞「り」を今まで見逃してたのは、吾ながらにアホですな。
というか、多くの方がそういう状態にあるようです。(痛ぁぁああ)
‥ちなみに、助詞「ぞ」が使えない人も多いですよね。
|朝毎のラジオ体操できること喜びとして今日が始まる 浜松市・アカシア短歌会
|朝毎のラジオ体操イチ・ニ・サン‥青空見上げ今日ぞ始まる 参考
‥ここは、「も」として日常感で詠むのもありですが
「ぞ」と使うと、復帰した感が伴います。(特別な意気込みが折り込まれる感じになります)
でも、ネタのそのままでは、似合いませんので、
「ぞ」が似合うように構成するのが、「ぞ」のコツでーす。
それだけに構成力が求められるので、「ぞ」が使えるようになって半人前と言えるかと。
(‥なんかそのぐらいに「ぞ」を用いる人は少ないでーす)
(学校で教わる‥係り結びとの関連なんか忘れて、使いこなしましょう)
(自分の日常を綴るばっかりなら、特別な意気込みも入らないという事なんでしょうか??)
(その辺、短歌詠みと俳句詠みとで‥雰囲気がまるで異なるかと)
> うた詠み終わります、ありがとうございました。
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