2017年01月11日

【勝手句帳】068 29-1-6 静岡新聞掲載分から

↓8)向宜詠吟.2017/01/14...20170111...

|電飾の馬車で駆くるや雪の富士       沼津市・片浜松風句会
|電飾の馬車まわる雪花富士         手直し


 *雪花(せっか)‥雪片を花にたとえていう語。
 (降ってきたかなぐらいの場面のニュアンス、さすがにしんしんとしている雪には詠まんかと)


 ‥遊園地若しくはイベント会場から見た富士を詠んだのだと思いますが(富士急ハイランドですか?)

 ‥どことなく「駆くる」が強すぎる印象です。
 「雪の富士」は、雪が降ってるの?、それとも白いだけっすか?(そこが肝)

 雪降ってくりゃ、遊園地なら運休するか休園するんちゃう。
 (そこが雪国なら尚更の事かと、お客が帰れなくなる深追い営業はしないと思う)
 ‥と言うところで、小雪ぐらいの印象になるように手直ししてみました。


|電飾のガンダム駆くる月のうら 派手に飾らにゃ映えやしねぇ


 ‥とまぁ、ガンダムに発想が飛びまして
 (電飾のガンダムと言えば、ユニコーンガンダムっすかね??)
 月の裏側でのドンパチとか、よくよく考えてみると真っ暗闇です。

 すると認識できるのは、センサーからの解析映像だけでーす。

 そんなんで戦争をするとなると、
 それこそ、画面上にはレーダーの点にロックオンしてぶっ放す‥半ば潜水艦戦です。


> などという矛盾点に気がついちまいました。(まぁ、アニメっすからね)


 戦を死合うためには、それこそ規格された敵・味方識別発信電波を定義せざるを得ないかと。
 アニメでは‥無線封鎖絡みにも、音紋とか熱紋とか紛らわしい表現にもなっとりますが、
 宇宙空間の闇には、ずばり、中接近戦=識別電波が欠かせないと言う事に成ってきます。

 (なら、だまし討ちなんて成り立たないね、正面切って政治外交で話し合わないと)
 (出会い頭の戦闘開始宣言を儀礼付ければ、ガンダムらしいと言えばらしいけどね)

 ‥だから、リアルな宇宙戦争ともなると
 UFOで時間の海をくぐり抜けるとした潜水艦戦の如しという事に成るのかなと‥


 敵前&戦闘中に無線封鎖しないで会話が通じているアニメ表現の前提としても
 無線封鎖のなんとな〜く無意味感がそこにあったと言う事になってきまーす。

 暗闇でカメラ視認できない(そもそもにして高速物体同士の間にはかなりの距離がある)とも成れば
 ど派手に電飾しないとダメですが、耐久性やらで難しく
 ‥だからこそ、識別発信電波が欠かせないので、無線が通じ合っているのが前提だったと!!

 どうにも、オンライン戦争スタイルっす‥(やはりそうならざるを得ないと)


 無論、攻撃されても良いなら始めから発信を切るのもありですが、単独の奇襲作戦ぐらいかなと。
 (こちらから受信だけできていれれば、敵が編隊なら誤発射を嫌い向こうは発信を切れない)
 (そういえば、その点においてだけはベースシップは単独行動だな。モビルスーツは通信してるけど)
 (各機の機影を追跡解析してるからな、あれは切るに切れないシステムでもある)

 (まぁいずれにせよ、アニメの宇宙戦争の表現は、すべて焼き直す必要があることになりまーす)

 (太陽の前に出たら出たで、熱いし明るすぎだろうし、どうにも視認性は同じだろうな)
 (‥やはりそれの点では、スターウォーズの方がリアルっぽいのかなと。ワープ前提はうなづける)



1-8)1

|神ってる言いたいけれど何も無い      静岡市・むなぎ川柳会

|「神ってる」言われたいけど何もなく 言われてみたいのなぜかしら?
|「神ってる」日本語版の"Oh,my God!" 何とも違和感の神ぞな


 ‥「言いたいけれど」って、そこは「言われたい」の間違いなのでは??
 (当人がどちらを思ったのかは、まったくの不明っす)

 そんなに「言いたい」なら、そこは「叫びたい」だと思います。
 ‥それはそれでどこか変(演劇でもやれば好いに‥所謂、中二病発言♪)


> "Oh,my God!"の意は、概ね「スゲー(まじ☆)信じらねぇー」だと思いますが‥


 そこから、「信じられねぇ」の意だけが一人歩きすれば
 「馬鹿なんじゃねぇ」「DQNかよ」「空気読めてねぇ」なんて意味含みも想定されそうです

 ‥「ズバ抜けて空気読めてねぇ」の解釈になりかねないのも‥

 それもこれも、日本が八百万の神々の国だからでもありまーす。
 西洋の神事情にしても、いつの間にか一神教にすり替わり、
 その頃の多神教の西洋の人たちも、同じような気持ちを込めて

 ‥「神ってる」="Oh,my God!"=「ズバ抜けて空気読めてねぇ」を用いていたのでは‥

 それがだんだんと‥(神よお助け下さい)の場面に見られる
 信仰依存の響きに変容していき、すがるような意味合いにも成ったように思われます。
 ‥こちらの日本語としては、「南無阿弥陀仏」が妥当かと。



1-8)2

鰯雲少年やや解けし          静岡市・わらしな渓流句会

|鰯雲黙してわらべ夢追えり 暮らしに栄ゆるその汗と影


 ‥「鰯雲」「少年」「黙」の組み合わせにそそられました。
 解けるとか解けないとか、そんなのは詩情としてどうでも好いかと。

 「少年」のままでは字余りなので「わらべ」としました。
 (余韻としては、ちょっと残念っすが‥時代と言うことかな)


> まぁ考えてみるに


 夢を追えるなんてのは、バランスを見て育つことが欠かせませーん。
 過密すぎず、過疎すぎず、両方を知りうる立ち位置‥(当人にそこの関心が乏しいと成立しませんが)

 ‥地元しか知らねぇというのでは、さほど夢も湧かないように思います。
 (流行り廃りばかりの人気をなぞらえた願望では、夢としての意に乏しいと言う事です)
 (‥上しか知らねぇとか、下しか知らねぇとか、平凡すぎても同様です)


 ‥そこに在るべき社会の常識として
 実感として感じられる「汗」と「影」が見えてこないと、
 童心には、なかなか地に足が付いた夢にならないように思いまーす。

 (まぁ夢なんてぇのは、一つの出会いor出会いの入り口でもあるわけですけどね)




山里の雑木色づき秋深し          静岡市・ディサービス小平野句会

里山に子ら駆けまわり秋深む 旅する足にのんびりポッカ


 ‥ネタの句はまったく物足りません。
 「山里」と盛るから「雑木」しか思い浮かばないパターンにハマるのです。
 そこは「山里」とせずに「里山」だろうと思ったので、手直し半分に詠んでみました。

 「里山」と盛るだけで、一気に視点が生活感に向かうのです。
 (「山里」は如何にも閑散とした印象ですが、「里山」はその辺かなり曖昧です)


 +七七の引っ張りにある「ポッカ」は別にどこのメーカーでも良かったのですが
 今時、茶屋というのも何ですし、喫茶というのも里山として微妙だし
 どうしたって道端で一服の風景にしようにも、一服のイメージは「煙草」だし

 生意気そうなガキが多少なりともいる田舎なら、自販機はあるだろうとの判断にも成りまして

 適当な語呂として「ポッカ」という次第に成りました。


> ちなみに、著生はポッカなんて飲んだ試しがありません。もっぱら「UCC」っす。
> (飲むならブラック派なんで、ミルクコーヒーのポッカは論外っす)



1-8)3

|陽だまりの会話に笑いと笑顔あり      静岡市・ディサービス小平野句会

|陽だまりの会話に冬の笑顔かな チャイムの音に閉じ開きたり


 ‥「笑いと笑顔」
 だからそこをどう詠むかです。噛み砕いてどう味合わせるかです。
 調味料だけを見せられても、誰も何も味わえません。
 それこそ甘いだけに喜々として、そのまま砂糖をなめ回すような詠みっぷりのままです。


> ‥それにしても、時代はもっぱらノー・チャイムだとかなんとか??


 ‥まぁ思えば、俺らの時からノーチャイム習慣あったからな(所謂、ご近所配慮だったと)
 今の今まで考えた事なかったわ‥なるほど、そういうのはちゃんと理由を明かさないと学ばないと。

 (だから、事情を知らない奴らが、そこを知らずに学校の近くに住んで面食らってる事にもなる)


 でも入学早々ノーチャイムとか有り得ねぇよな‥日本死ねの時代だしさ。
 (同じ釜の飯を食う感性の意識付けを欠いて、学校なんて意味ねぇし)

 ‥ということで、学校側のご近所配慮としても

 児童・生徒にチャイムバッチを付けさせて、時間が来ると学校のスケジュール通りに
 「授業が始まるよ」「休憩時間に入りました」てな時報を知らせてくれるのが、今風解釈か。

 (発信器まで備える必要はないにしても、時間割のインストールができないのは厳しいな)
 (好みの音声にできるとか、遠足や運動会の時にもそれの時間割になるようにサクッとできないとな)
 (そのぐらいの機能がないと、児童から「スゲー」との声は上がらないだろう)


> ‥となると手っ取り早い方法としては


 電子教科書なんかに差し込むと、次の日のスケジュールタイムがアップデートできる‥
 朝若しくは帰りに、先生がそれを変わり目の時々に点呼して、教室でアップデートさせると。

 (生徒にもなると、さすがにスマホからやってくれって話だろう。必需品ということだ)
 (義務教育期間は、無償ということでスマホ本体ぐらい配布しろってな。そういう意味にもなる)
 (給食費払わない親も居る中、通信費まで払えってか‥まぁそこらが厳しいと)

 ‥でも生徒にもなれば、周りを見ればわかるだろうという解釈も有りと

 (まぁそうなると、業者に売っぱらうのを勧めてるようなものか‥)
 (‥それの意味では、アダルトロック済みも含めて推薦機種とした概念が登場すると)
 (アダルトロック解除不能を前提にすれば、大人でも買う奴が居ないから生徒は売るに売れないと)

 ‥どうせだから、生徒向けの電子教科書は

 まず、教室の机は、大きめのディスプレイだけの形にして
 電子教科書は、スマホタイプにして持ち歩けるようにして
 学校では、そのスマホタイプの電子教科書を、机にドッキングさせる形の方が、勉強するかもな。
 (というかそちらの方が、何かと二度手間にならずに済む。勉強するにはナイス環境だ)

 (大人になってからの再学習するにしたって、それを起動させりゃ良いんだからな)
 (場所取らないから助かるな、ついでだから電子辞書機能セットにしとけば、大人でも欲しいと)
 (‥大人用の再学習版があってもおかしくない時代だしな‥それなら俺もガチで欲しい)


> あと‥


 先生が学習状況をどれ程にチェックできるかなんて知る由もないが、
 取りあえず、モニターだけ反映する機能を用意しときゃ良いわけだ。
 (まぁどうせ使いこなせないだろうから、それの映像をディープに解析する流れになるかと)

 ついでに、板書内容もディープに学習させて

 先生の指導能力を推し量るシステムなんかも想定されるよね。
 生徒としては、中間期末の間隔で、板書内容を確認できると有り難いのかなと。
 休んでしまってもチェックできたり、違うクラスの授業を見てやったりと、
 ‥そのぐらいの記録確認ができちゃう技術が今やあるわけだし、前提にしないのはおかしい。

 試験で能力審査なんてねぇ、逐一時間割くの大変だし、よくて面接だけで良いだろう。
 ‥大体、その試験時間は、公務労働なの?、手当に該当するの?

 (毎年あるわけでもないが、どうにもその点においては、怪しげにしか見えない)



1-8)4

落葉して明るき窓となりにけり       沼津市・片浜松風句会

木枯らしや明るき窓辺作りけり 朝差して冬立ちぬるらし


 ‥「落葉して明るき窓」にってね、そりゃ「木枯し」でしょ。


 助動詞「ぬ」の連体形[ぬる]を用いる向きもすっかり薄れとりますが
 終止形[ぬ]ばかりでは、場合によっては、句切れの強調になってしまいます。

 「冬立ちぬる里らし」とした意としては、
 まだ布団の中でその景色を見ていない向きを含むからです。
 ‥まだ目にしていないということで、助動詞「らし」(‥らしい)の追加ということです。


> ‥そういえば昨晩は木枯しが吹いていたっけな、それで‥いつもより明るいのか‥
> それじゃ、外はすっかり冬めいているんだろうな‥二階からなら見晴らしよさそうじゃん
> (でもまだ眠いし、まぁいいか)




|散り敷き銀杏落葉の浄土かな       沼津市・片浜松風句会

|散り敷く銀杏落葉の浄土かな 極み短し枯れ楽土


 ‥「散り敷きて」の「て」と置くと、自分でやったの気配です。
 まぁそんなわけないので、連体形で接続した方が自然かなと。
 「散り敷くや」と区切りを付けたいところだが、字余り気味なのも痛いところかと。


> にしても、銀杏落葉を見て「浄土」とは、眼から鱗ですな。


 ‥でも、あれですよ、浄土とて名ばかりでーす。

 極まりなんてすぐに去りゆきますから、実際、斯様な歴史の繰り返しばかりです。
 スゲーと思っている頃合いが、どうにも‥「浄土」=「格差社会」らしいのです。
 で、そんなお上の間でも、喰らい合いにありますから、「枯れ楽土」としてみました。

 昔と違って、立て替え・差し替えしても構わない程度のデザインしかもたらせていないと。

 ‥庶民からしてみれば、その「浄土」はまさに「枯れ楽土」でもあると。
 (そう思うかどうかにしても、各々で異なりますけどね)




藪陰に小さき祠笹子鳴く          沼津市・片浜松風句会

|藪風に小さき祠笹鳴けど 風化の止まらね還る古里


 *笹鳴き‥冬にウグイスが舌鼓を打つようにチチと鳴くこと。(冬)

 ユーチューブで確認してみましたが、風情があるとかそういう趣としては弱い季語かと。
 言ってしまえば、脳内変換が前提の季語です。


 ‥ネタの句は、その脳内変換がとても巧みに描き出された掴みです。

 ですが「藪陰」に囚われている点が物足りないのです。
 そこから先の詩情に欠くばかりです。(鳴いてるだけの風景をそのままに詠んでは勿体ない)
 その風景から‥何を思い抱いたのかの言葉が不足しているのです。


> 過疎化の流れに晒され(冬ざれの藪から笹鳴きが聞こえるように)
> ここの小さな祠を拝むのも、どうにも私一人の様相だ
> ‥きっとこのまま古里ごと、自然に還るしかないのだろうよ



1-8)5

|何もないことも予定や年詰まる       沼津市・片浜松風句会

|何もなきことも予定や年始め 死ぬよりましかテロ報唖然


 ‥「年詰まる」の意図がわかりません(年の暮の意らしい)

 まず、何も起こらぬように鎮まっているべきが正月です。正月の寿たる風景です。
 どこに気負う必要があるというのでしょうや?

 詠みながらそこの着眼に行き当たらないというのでは、新年の挨拶も糞もありますまい。
 ‥「日本人何年生なんですか?」


> 年始という奴は、平穏無事に過ごせて何よりである
> とはいえ、わが家にはそもそもの予定というのも無いのだなぁ
> そこを年始から不満を垂らしても仕方のないところだが
> なんとも正月早々のテロ報を見せられては、命あっての物種と肝に銘じて置くよりほかあるまい


 「それにしてもNHKは馬鹿なの?」
 そんなの正月に時間ねっとりと報道せんでもええに‥国内ならまだしも外国のだし(空気読め!)
 ‥なにゆえに「三箇日」と表現するのか判ってるの?

 「まったく、日本人何年生なんだよ!」

 そんなだから、誰も支払いたくもなくなるってんだよ。




|体中の骨を集めて書く便り         静岡市・むなぎ川柳会

|木守りや骨身を削り書く便り 斟酌かまわね問う余命


 ‥「体中の骨を集める」、意味がわかりません。
 どうにか意図を見繕って手直ししてみました。(「骨身を削る」が適当かなと思われます)


 *骨身を削る‥体がやせ細るほど一所懸命に事に当たる。身を削る。
 *斟酌(しんしゃく)‥
 @あれこれ照らし合わせて取捨すること。
 Aその時の事情や相手の心情などを十分に考慮して、程よくとりはからうこと。手加減すること。
 Bひかえめにすること。さしひかえること。遠慮。辞退。


 「斟酌」は、同じ下欄の横に(老体に斟酌もない消費税)とありまして
 勉強とばかりに盛ってみた次第です。(それにしても馴染まねぇ言葉っす)

 (消費税としては、年齢云々関係ねえ。兎に角、目の上のたんこぶでーす)


 ‥にしても手紙ですか、そこまでして書かざるを得ないと
 どちらかというとそっちの具体的な心情の方が、詩情なんですけどね。
 (まぁ十七音では無理かもでしょうけど)


> ちなみに


 +七七の引っ張りは、当人とは関係ないかと。(連想による引っ張りなんでお間違いなく)
 ‥「骨を集めて」が詠み用の表現なのか(筋肉痛だったとか風邪ひいたとか)
 ‥当人の事情としても、なにを言わんとしているのか、その辺もハッキリしませんので。



1-8)6

|正月の気合に浸る餅の味          静岡市・むなぎ川柳会

|正月の気合を伝う餅の味 亡くなり機械に残念至極


 ‥自分で餅を搗いたんでしょうね。まさに気合の入った正月と。

 などと考えた事もなく、いとこのところから送られてくる秋田の餅が格別に
 格段に柔らかく伸びて「うめぇ〜」と思ってましたが、今年は味が普通に思ったところ‥

 いとこが嫁に行った所の爺さんが亡くなったそうです。(旦那は搗かないらしい「痛ぁああ」)


> という経過にて、この句を目にしまして、眼から鱗が落ちました。


 ‥正月に対する気概が薄いから餅を搗かねぇんだと‥

 「無知の次第、誠申し訳ございませんでした」‥m(_ _)m‥




|何もかも含み大根煮上がれり        沼津市・片浜松風句会

|鍋の海ぐつぐつ吸える大根や ほろほろ頬ばり喚ぶめる怒濤


 ‥「煮上がれり」、煮えましたって、捻りねぇじゃん。「フッ」
 まさにツッコんで下さいと言わんばかりかと‥整えてみました。

 伊達に料理漫画を目にしてきたわけでもないと。(ちなみに、こちとら作らねぇ奴でーす)
 ‥にしても、そこのギャップが当人的にはおもしろいのでーす。(如何にも料理のなんとかと)


 *喚ぶめる 喚ぶ[四段終止形]+める[推量・婉曲の助動詞「めり」連体形]

 通常、助動詞「む」で終えてしまうところですが、
 ここで「む」では、どうにも婉曲としての押しが弱いので、「めり」を盛ってみました。

 ‥あと「海」連想が伴うので、津波を避けて「怒濤」です。



1-8)7

|冬めくや風呂の温度を一度上げ       静岡市・わらしな渓流句会

|冬めくや風呂の温度を一度上げ 便利に浸かれど気持ちぬるま湯


 ‥ボタン一つで湯温が一度毎に調整できるのは
 建たった時期の湯沸かし器のバージョンにも寄りますが、あれを経験すると驚きます。

 でも所詮は、ワンユニット式の発想ですので、焚き返しができません。
 冷めざるを得ないのは、どうにも便利の思い込み‥もとい二択という奴です。

 (結局、節約になどならず、節約になるのはシャワーのみの解釈)
 (だからここでの一度上げとは、始めに熱めにしておく上での湯船の湯加減になります)


> ‥カネを掛ければ、両方できるんだけどさ
> 各々に差が伴うので、ここでは、どの辺りの技術水準を想定すべきかも互いに不明
> 暮らし上すぎて下を少しも知らなきゃ‥ちんぷんかんぷん間違いなしの引っ張りでもあります





|蕭蕭と天城の雨や十二月          沼津市・片浜松風句会

|蕭蕭と天城の雨や師走乞う 湯ヶ島温泉踏ん切って



 *蕭蕭(しょうしょう)‥
 @ものさびしく風の吹くさま。ものさびしく雨の降るさま。
 Aものさびしいさま。

 ‥こんなへんぴな天城の地で十二月に雨とは、実にもの淋しいな
 ネタの解釈はそんな所かと。

 面白い着眼です。
 (されど、漢字が難しいのと「十二月」を堂々と盛ってくる辺りはかなり不敵かと)


> 天城に来て雨にたたられるとは、時期が師走なだけに尚更にもの淋しいことだな
> こうなっては、ここは暮れのついでと、今年一年の垢でも落としていくしかあるまい
> さてさて、天城といえばやはりあれだな‥文豪の湯ヶ島温泉‥
> 少々値が張りそうだが、致し方あるまい(つかってみるとしよう)



1-8)8

|余所行きの下着に変えて病院へ       静岡市・むなぎ川柳会

|妊娠や勝負パンツで婦人科へ 医師の煩悩○か×かや


 ‥ネタの句は、恥ずかしくないように、わざわざ下着を履き替えて行ったと

 「??」なにゆえにそこまでする必要があるの‥と考えるまもなく
 これはまさに下ネタやん。
 ということで、面白半分にリスペクトしてみました。(エロマンガのノリ)


> こいつぁ‥困った来院っすね。実際の所どうなんでしょうか?(幾分興味あり)


 「産婦人科医なんだけど何か聞きたい事ある?」
 検索してみたけど、その手の質問は見あたらない気配っす。(まぁどうでもいいか)




|歩くとは生くることなり冬木の芽      沼津市・片浜松風句会
|歩きたるしみじみ生きて冬木の芽      手直し



 ‥「冬木」は歩きません
 詠みの閉じ方としてはどうにもおかしいというものです。

 「冬木の芽」を散歩がてら見かけました。
 そのしみじみと生きている姿に、しみじみと生きている自分に思いが重なりました。

 ‥とまぁ、そういう事らしいのですが、詩作としてはまだまだ中途の気配かと。


|生くるとは鎮まるなりや冬木の芽 萌し来たれと思う小春日  (2017/01/14)


 「小春」と、求めたる「春先」ではまったく異なります。
 ‥さらに、小春は陰暦十月の異名なので、小春日と置くほかありません。

 「萌し来たれ」は、
 ただ春を待つのではなく、準備もしておかないとタイミングが揃わないとした趣を含みます。

 ‥しっかりとして己に定まっていれば、あとは鎮まって春を待てばいいわけですが
 どうにも、己に定まった暮らし向きなんぞ、誰も知り得ないところです。


> プラス七七の詠みは、
> 理想を述べ立てたにすぎませんが、詩作とはそこの整理という事でもあります。



> うた詠み終わります、ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 17:51 | Comment(0) | 名句にポン/2017前半 | 更新情報をチェックする
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