2017年01月20日

【勝手句帳】071 29-1-14 静岡新聞掲載分から

↓5)向宜詠吟.2017/01/20

星空に葉もなき梢のそよぐさま天の声とも目をこらし見る      藤枝市・合歓短歌会

|流れ星葉もなき梢のそよぐさま 天の声とも目をこらし見る


 ‥なかなかに整っています(着眼は妬けるほどに申し分ありません)
 ですが、下の句の大ざっぱに対して上の句のバランスが足りていません。

 「星空」ではなく、ここは「流れ星」と置いて、冬の流星群の時節を誘った方が宜しいかと。

 ‥普通に「星」を凝らし見るなんてのは日常です。平凡です。
 その日常とは少し違う意味としての「天の声」に当たるのが何か(?)
 とした掛かりをどこにも添えないのでは、どうにも詰めが甘いかなと。



1-5)1

|さはやかな笑顔残して女学生自転車踏みゆくいつもの道に

|爽やかに回る銀輪朝の路 笑顔を漕げる高校生ら


 ‥「女学生」の響きに、詠み人の年代を感じさせますな。

 しかし、今の時代の女子高生のチャリ通学をググってみるに
 どうにも夏制服と冬制服のイメージ差が大きく
 ここでは「さわやか」を以て、衣替えの後を思い浮かべるしかありません。

 ‥如何にも時代なのか、冬制服でチャリ漕いでる画像は出てきません。
 どちらかというとそれは、ブレザーではなくセーラー服の印象です。

 ブレザーで出てくるとしたら、
 如何にも夏制服の薄着らしく、だらしない格好の瞬間を撮影された画像が多いのです。
 ‥どうにも、印象がヨロシクありません。

 (都会ほどその手の撮影画像をアップするお馬鹿が多いのかなと)
 (‥というか、そんな事情から、ヒットしないようになっているのかなと)


> 参考になる画像を得られなかったので
> 総じて、男子も女子もねぇなという次第のリスペクトになりました。




冬の朝登校の子等はつらつと「おはようござます」連呼してゆく  静岡市・玉鉾神社献詠歌

|三学期児童はつらつ朝のかど 「お早うございます」響く歩道


 ‥なんでも「挨拶」がお題だったのか、そんな詠みが一様に並んでました。

 向こうから挨拶してきた詠みが半分、
 お互いに挨拶を交わす詠みが半分、面白いぐらいに分かれていました。
 ‥まずは向こうから挨拶すべきが当然と思い込んでいるのが半分と。(是はそういう解釈です)


 ネタの句は、朝の小学生の交通保安を父兄が日々やりこなしている様子でしょう。
 (そういう意味では、どちらが先にするとかしないとかのもどかしさを封殺している着眼です)

 しかし、「はつらつ」「連呼」と来ると、休み明けの印象のように思えてきます。

 ‥となると、「冬の朝」の掴みでは
 日々の変化の違いの部分を誘えず、もの足りないのかなと思いました。


> あと、今時の児童の挨拶を「」してまで、歴史的仮名遣いに振る意味がわかりません



1-5)2

|デイケアを帰る頃には日も暮れて今日一日が無事に終りたり     藤枝市・合歓短歌会

|ケアえれば帰る頃には夕月夜 美肌生き生き傾城と酔う


 *【ケアえる】‥CAREえる。(整えるからの連想)
 * 傾城(けいせい)‥美人が色香で城や国を傾け滅ぼす意。

 ‥ネタの句の括りは通常なら「けり」が一般的ですが
 ここでは「たり」が用いられています。
 デイケアを終えて一日が終わるのではなく、終わっていく感触を含み詠むところが(やはり)

 「たり」=進行形としての用い方なんだなぁと改めて勉強になりました。


 ‥リスペクトは、そんな時間にもなれば、夕月夜が似合うだろうとして
 デイケアではなく、美容のケアの方で盛ってみました。


> で、提案動詞として「ケアえる」を思いついた次第です。
> その手のビューティーケアに通ったと言う事です。(説明の必要も無いかと‥)




|不可能と言うも口惜しいつの日か骨になっても月に行く夢   焼津市・「菩提樹」小川短歌会支部

|ムーンづくうわの空なる中二病 いつの日にか‥なぞなし「今っしょ!」


 ‥「え☆」、そんなにも月に行きたいんすか?‥「はぁ、そんな方も居るんすね」
 などと暫し考える事、その夢見がちな意味を示す動詞は無いなと思い


> 提案動詞「ムーンづく」をあつらえてみました。


 *【ムーンづく】‥MOONづく。(色気づくからの連想)夢見がちにも空想めいている気配。

 そこからどのように転じるかは、まだ判りません。

 中二病の代替語に使えそうですが、もう少しロマンチックな意を兼ねるのかも知れませんし
 そこから色気づくの色を取った、ムードだけを意味するのかも知れませんし
 ‥産気づくの隠語にもなりえそうです。



1-5)3

|日溜りを翅重たげに這う蜂の縞目鮮やかに師走も近し        藤枝市・合歓短歌会

|日溜りを翅重たげにハウス蜂 這う縞目の色もどこか師走


 ‥どうにもネタの句は、苺栽培でしょうかね??
 そうするとその蜂とは、受粉をしてもらう上でのハウス蜂と言う事になります。

 苺は夏の季語になっとるようですが、静岡じゃ冬が旬のような気もするが‥
 (概ね年中やってるんだろう)
 ‥まぁその点、ハウス蜂は、冬の季語として使えそうな余韻かなと。

 参考にしたサイト:
 ミツバチの力がイチゴの受粉を手助けしてくれる

 http://www.b-topia.com/course_yoho12.html


 ‥ネタの句は一見良く詠めているように見えますが
 「翅重たげ」と上の句に添えて置いて、下の句で「縞目鮮やか」は不釣り合いです。


> ‥あんた農家なんでしょ。その辺のバランス分からんで、美味しくなるんですか?
> どうしたって、変でしょ。生きもの相手にするってそういう事だろうと思うのですが‥



1-5)4

|ベランダの草木を前にしゃがみ込みあれやこれやと日毎のあいさつ  静岡市・玉鉾神社献詠歌

|ベランダの春芽を前にしゃがみ込み 是から毎日話し相手


 ‥季節感が欲しいかなと思いました。
 冬に種を蒔いても、即座ばやに芽が出るとも思えませんので
 時期がいつ頃かと分かるようにした方が、落ち着いた詠みになるかと。

 そこがハッキリすれば、「あれやこれやと」などと濁す意味も薄れると言う事です。


> で、その辺‥「草木」を「春芽」と大ざっぱに置き変えて、手直ししてみました。
> ‥しかしまぁ、句にするとこの手の着眼は「形」ですな。




|長き夜を聞こえてくるは風の音独り居の悲時もてあます       静岡市・駿府短歌会

|独り居の閑暇に耳こゆすきま風もの淋しくも是もまた友


 *耳こゆ(きこゆ)‥俺好みの当て字読み。


 ‥「独り居の悲時」意味が不明です。
 「悲時」を調べても、独り淋しいなどとの解釈はどこにもありません。

 仏教用語にありまして、しかも食事絡みの用語です。
 マラダーンのニュアンスに近い意味です。(‥会葬者に出す食事。なんて意もありました)

 ‥つまり、独りで断食修行でもしているかのような言い回しになっちまっています。
 そうで無いのは明らかに思える流れにあるので、しっかり辞書を確認すべきです。


> それとも、まじ飲まず食わずにも節約の詠みなんでしょうか??
> ‥それならそれで、「失礼しました」と先に断っておきます。


 でも、「もてあます」なんて盛ってあっては、カツカツには見えてきそうにありません。
 やはり、単に意味の未確認なだけに思われます。

 ‥このような仏教関連の用語で、日常でも使えそうな言葉は、
 熟語のつっかえとして結構あるので、自分で好いと思っても調べてみる必要があるのです。


> 逆にダイエットの隠語として、「悲時」と盛ってみるのも有りかも知れませんね。
> まぁそう考えますと、ネタの句は面白いぐらいに整ってしまってもいるのです。


 ‥独り暮らしながらダイエット中です。
 ‥空腹感の度に思うのは、目が冴えてしまうような長い夜には、
 ‥話し相手も居ないので、どうにも風の音ばかりが気になってしまうのです。

 (って、趣味とかねぇのかよ!?)
 (でも、寒い時には布団から出たくないからな)
 (長き夜は秋を思わせるし、風が吹く夜なら、尚更に秋の深まりを思わせる)

 ‥それにしたって、閑散とした生活感だな
 昔だったら、そんな時は草履編んだり、針仕事をしたりするなどと沢山有ったのです。
 買えば良いとかしか思えてないから、尚更に動かないし、ダイエットにもなりきらないと。


> ‥そういう視点から眺めると、ネタの句は
> 詠んで赤っ恥にあるだけのような気がしなくもない着想っすね。


 ‥と言う事なんで(手直しのように)
 ‥何気に「是も又粋ですな」‥と思わせる詠みにしてしまうのが「形」かと。


 「哀しい・寂しい」と思うばかりに縛られているのが「凡人」の扱いで
 「粋ですな」と前向きに詠めば、「才能アリ」というのも偏見と言えばそうですが

 ‥そこを人生の視点で問えば

 悲観的にウケが疎いのも流れというか形でーす。(その辺の空気を自覚して詠まれるべきかと)



1-5)5

|肩身狭き思ひに日々の運転す高齢者の事故相次ぎたるに       静岡市・駿府短歌会

|高齢者 黄泉にあないす踏み違え 交通戦争4ROUND


 ‥この手の題材がチラホラしておるようですが
 なにゆえに、斯様にも横並びに思い込めるのかが不思議です。
 (ネタの句は、そういう意味では無難にまとまって詠めています)


> ‥ということで、そこには何が隠れているのかを鑑みてみました


 事故を起こしている年齢は、面白いぐらいに、交通戦争の頃の働き盛りでーす。
 車に憧れて、車に慣れ親しんで、車がないのではもはや暮らせない‥その始まりの世代です。

 ‥そう考えてみると面白いですね
 交通戦争たる社会問題、交通社会での社会問題を先んじて世に問うのも又同じ世代にあると。

 ちなみに2ROUND目はシートベルト問題、3ROUND目は飲酒運転問題です。


> じゃ、貧困を問うて解決すべきは、概ね平成世代のカルマって事ですか??
> 貧困に付き物は、イジメでーす。偏見でーす。


 著生の世代はメルヘン云々の時代でしたからね、浮かれすぎがカルマって事でしょうかね??
 浮かれすぎの結果(無精査)が、格差を生み出しても来たわけですから‥
 面目次第もないのも著生の世代のカルマと言えそうですな。

 (とくに官僚‥俺っち世代のエリート。バリバリのシロアリ族ど真ん中野郎たち)
 (俺っちの世代は、暴走族バリバリの時代でもありました。いやはや‥そういう空気と言う事です)

 ‥年号が変わると騒ぐ昨今、世間的カルマの流れが次の段階に差し掛かっているのかなと。


> (話、はみ出しますが)戦後の貧困には、全国的な不作の年が絡んでます。
> あまり大々的に学びませんが、この不作当時の暮らしぶりが、今の高齢者には植え付いています。


 (国家による貯蓄政策うんぬん世代との分析は、概ね良家にも食うに困らなかった奴らの視界でーす)
 (田舎に食料が無いのに、都会の奴らが、買い占めるから地方は益々差が付いて飢饉だったのでーす)

 ‥そんな都会にも、食料対策を求める運動なんかがありまして
 ‥全国的だったと言わんばかりのカムフラージュがされています。(さすが抜かりねぇなぁ)

 (その勢いで、全国的な原発建設にも繋がっていったんだろうね)
 (貧乏から抜け出すには‥原発しかねぇと思いこませる流れすな)


 だから、今の高齢者は、お金も貯め込むのが当たり前に出来上がっているように思われます。
 一時的であれ、その頃に植え付いた不作時の貧困度合いが、根強く残っている模様です。
 (その分、無駄に車と家だけが財の対象に思っているカタい世代にも有りますけどね)


 ‥そこから一気に、金銭感覚が大ざっぱに成り下がるのがその後の世代です。
 (パン食化世代でーす。すっかり欧米化に馴染み始めのお花畑世代でーす)
 (自分の国の文化に自信を欠いてながら、自慢したがりの半端者世代でーす)

 で、年収が一千万あってもローン三昧なんてパターンが見られると‥(えらい違いっす)

 ‥この世代が無駄遣いをついついしちゃうから、経済が回っているとも言えそうですが
 若い世代は、そんな事を知りませんから、ますます貧困の度合いを推し量れずに
 トンチンカンにも、言葉の綾に振り回されてしまってるのかなと思わざるを得ません。


> いいですか、日本経済の世代的な実のカネの巡りは現状こうです


 ‥高齢者が貯め込むのは、若い頃の不作の印象が未だに根強いから
 ‥中高年の消費意欲は、育った環境からの賜で、使わずには居られないのが特徴。
 ‥若い世代がカネが無いとほざいても、中高年ほどに消費意欲を持ってていない。

 だから

 ‥効率で言っても
 中高年にカネを握らせた方が、経済的には回るというのが世代差の特徴になっている訳です。
 なのに、今や中高年とて、どんどん非正規雇用に成り下がる一方なので
 そんな社会構造で、景気が上昇するわけがないのでーす。

 それでなくても、経済博打で稼いだカネは、博打の種銭ですから
 誰かが、無駄に使ってくれるなんて話にはなりません。
 ‥すべて金融のプールの中で、呑まれたり湧いたりの妄想に有るだけです。



> うた詠み終わります、ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 05:48 | Comment(0) | 名句にポン/2017前半 | 更新情報をチェックする
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