↓8)向宜詠吟.2017/05/05
|ハーモニカ吹けば心の日向ぼこ 清水町・清流句会(4-28)
|ハーモニカ吹けば心の日向ぼこ 滲むさみしさ耳き入るような
*滲む(にじむ)、耳き入る(ききいる)
‥是は是は、一本取られた趣の余韻です。
> ハーモニカの音色はどうして心に響くのだろうか?
> でもその音色はどこか寂しげで、そのたどたどしく思える幽かな響きが
> どこまで続くのだろうか?‥と、ついつい思って聴き入ってしまうのだ
> どうして、その人がハーモニカを吹くと、あんなにも儚く幽かな調べが滲み出すのだろう‥
> ぼくはどうしてその音色に魅了されるのだろう‥
> いつまでも聴いていたいその調べは、まるで日向ぼっこのようだ
1-8)1
|頼りなくくもり空より洩れる陽に眩しいほどに蒲公英は咲く 沼津市・椎の木短歌会(4-29)
|人気なくここは穴場と春の声 タンポポまぶしく賑わいて
*人気(ひとけ)
> おやおや、こんな所に蒲公英が群生していようとは‥
> (ここは、知らなかったな)
> それにしても、春の声に浸るにはもってこいの場所だなぁ
‥空は曇っているわけでして
そこから「洩れる陽」と盛ってみたところで
それを以て「眩しい」との印象を引っぱるには、無理があるのでは?
大体、蒲公英なんて、雑草なんだから、群れてでも居ないとインパクトなんてないわけで
どちらかというと、ネタの詠み方は、花木向けの盛り付けです。
‥花木にしたって、群れて攻めてるような趣なので
ますます、蒲公英ぐらいが一輪あるような小粒に盛っては、どうにもしっくり来ません。
(「蒲公英」と漢字で盛っては、ますますそんな感じっす)
‥そんなに一輪の眩しさで演出したいなら、それこそ
ハーモニカが痛いほど心に刺してくるようなボロボロ精神状態で、魅入るように盛らないと‥
|牢獄に放り込まれて寒き晩 なにゆえ一輪そこに在りしか by ガッツ
> まぁ要するに、「眩しい」などとわざわざ強調する必要があるのか?ないのか?です。
> 心に強烈に残る何かには、それだけで眩しさを放った姿が在るがままですので‥
1-8)2
|いぬふぐり咲きたる土手を帰り来る瑠璃色揺るるほほえむごとし 三島市・銀杏樹の会(4-29)
|星の瞳 湧きたる土手をひとまわり 小さき瑠璃の笑顔しみじみ
> 星の瞳が土手に沢山咲いていたので、
> ついつい‥もっと咲いてないかなぁと思い、土手づたいを一回りしていました
> それにしても、いつ見ても、
> この花の小ささと瑠璃色の色合いには、しみじみとしてしまうよ
> (まさに、かわいいとはこの事を云うのだろう)
*イヌノフグリ‥3〜5月にかけて、淡いピンク色をした3〜5mmの花をつける。(在来種)
*オオイヌノフグリ‥秋に芽を出して他の植物が繁茂しない冬に横に広がって育ち、
早春に多数の花をつけ、春の終わりには枯れてしまう。
色はコバルトブルーだが、まれに白い花をつけることがある。
花は太陽の光によって開閉し、1日で落花する。
2日目にもう一度開くものもある。(外来種)
‥和名の由来は、果実の形状が雄犬の「フグリ」、つまり陰嚢に似ていることからに由る。
19世紀後半〜20世紀初当頃の命名。(牧野富太郎:植物学者)
> 古来からの呼び名では無いのなら、改称の余地は十分にありえ、検討されるべき課題だ。
‥音数を揃えんとばかりに
恥じらいも無く「いぬふぐり」とよく盛られるようだが
たいてい詠んでるのは女子にある。(なんとも‥はしたないにも程があろう)
実に、もどかしい命名だよ。
(ちなみに、オオイヌノフグリの果実はハート型で、イヌノフグリのフグリ型とは違うそうだ)
‥オオイヌノフグリの花は青系で、イヌノフグリの花が赤紫系でーす
‥一般に多く詠まれるのは青系っス
「なら‥ますます恥ずかしいよな、おい!っ」
> ‥只でさえ恥ずかしい盛りになっちまうってのに、ちゃんと勉強してるのかよっ
> ということで、「星の瞳」で盛ってみた。(オオイヌフグリの別称だそうだ)
‥ネタの「帰り来る」ってのは
イヌノフグリとは関係の無い詠み手の行動だけなので
文章的にもまぎらわしいし、クドいし、勿体ないので、そこは「ひとまわり」だろうと思いました。
「ひとまわり」の方が、花の繁茂っぷりとしても伝わってくるというものです。
さらに、
「咲きたる」では、下の句を詠むのに語意がかぶりやすくクドいので
「湧きたる」にしてみました。
‥まぁあれは、かなり小さいので、「湧く」ぐらいで盛らないと、目に付くように伝わらないと。
1-8)3
|きのふ見ぬ今日もまた見るも明日見むと咲くもはかなき桜花ゆゑ 沼津市・椎の木短歌会(4-29)
|昨日今日明日もまだまだ花通い七日の風情ひとしおの夢
‥「咲くもはかなき」→「散りてはかなき」
「咲くのが儚い」などと勘違いするようでは、どうしようもねぇって感じ‥
着目はなかなかのところを漂ってるに、どうにも、整ってなさすぎでーす。
> 桜は咲いてから(満開?)散るまで概ね七日だそうです。(最近知ったよ)
‥で、さっそく盛ってみたっ☆
こういうパターンはかなりある。実に不甲斐ない感じだが、結果オーライでーす。
ネットのブログ趣味の活動って、実に有り難い!(検索エンジンの性能もあるわけですが)
1-8)4
|しだれたる花満ち満ちて散りゆけば大社の鯉が花びら背負う 沼津市・椎の木短歌会(4-29)
‥一見面白そうな盛り付けのこいつっ
だが、しかし、どうしたって、ぎこちない。
上の句を部分的に活かして、他の場面に盛れないかと思い、試行錯誤してところ‥
どうにも、このままの流れで一杯一杯しかねぇようでーす。
> まず考えたのが
‥「大社」を「里の祠」の規模にして、山間の見晴らしからの眺めを想定した案
そこから‥「祠」と盛る必要も無いなぁと改めて思い
下の里(しものさと)に吹くだけの形にしたのだが‥
‥「花満ち満ちて散りゆけば」が、どうにもしっくりと繋がらないっ‥
どうしたって、「花満ちて」→「満開や」と盛るのが普通だろう。
「散りゆけば」→「咲きたれば」として、咲いたならばの意味にして使うのが普通だろう。
「散りゆくからには」なんて、特攻でもあるまいし、実に肌に馴染んでこないのだ。
‥さらに、その二つを通して見るに
「花が満開になったのだから散りゆくのが好い」なんて向きに見えてしまうのだ。
‥そう思えば
「なにを言ってるんですか?ッ」と云いたくなってくる。
> 満開は満開、散り吹くは散り吹くと分けて味わってきたのが日本のこころです。
> どんなに両面性が見られようとも、区切って味わうのが日本のこころです。
‥決して、散るのが目的ではありません。
散り際にも風情があるなぁとして感嘆するだけなのです。(総括もするけど)
|満開や上の見晴らし吹き放て下の里まで希望巡るらむ
*上(かみ)、下(しも)
> この見晴らしの上手からの満開の景色が、時に吹く風に誘われて
> 一面の舞いを見せようなら、さぞかし、下手の里にまで
> この華やぐ風情が、希望として隅々にまで巡ることだろう
> (かような時代を見てみたいものだなぁ)
1-8)5
|入り日差す河津桜の散る水面番いの鴨の波紋に揺らぐ 沼津市・椎の木短歌会(4-29)
|旭くべ流るる河津の花筏 連れよる程に水尾曳く鴨
> 満開のピークは過ぎてしまったものの
> 花咲く河津の里には、ちらほら花筏が見られる
> 朝日に照らされるその流れには、のんびりと鴨のつがいの水尾曳く姿が
> 春に寄り添う睦まじき光景として実に甲斐甲斐しい
‥ネタの掴みは十分にわかるのですが
狙いをどこに絞り込んでいくかが、まだまだのようですな。
まぁ普通に、その朝の光景を見せられて、詠んで見ろと言われたら
そりゃ難易度高いわけでして、そういう意味では、なかなかの筋ということです。
(まぁこの時は、まだまだ満開だったんだろうね)
(花筏が浮いていたら、そりゃもう少し焦点も変わっていたと)
(‥つまりなんだ、見頃ばかりを狙って出掛けても、詠みとしてはマンネリ&ちぐはぐと)
> ‥しかしまぁ、河津川を写真で見る限り
> 結構な川幅なんで、花筏がどれだけ映えて見えるかはわかりません。(あしからず)
1-8)6
|ベランダの大声小声春隣 清水町・清流句会(4-28)
|ベランダの大声小声春隣 聞きたくねえのに気になる経過
> 春の良い天気だってのに
> ベランダやら隣りこちらから、夫婦や親子の言い合う声がけたたましい
> そんなの聞きたくなんかなぇんだけどさ、どうにも静かになる度にその経過が気になるものだな
> (まるで、春の嵐の来ない春なんか素っ気ないって感じ)
‥俳句だけでも、引っぱりだけでも
どことなく名句じゃねぇだろうとした地味そのものの日常なのに
注釈を添えてみると一気に、なるほどと思ってしまうのは、まさに魔法である。
‥その魔法たる()部分は
句には盛られてないので、インチキにも見えなくないが、ゆえに魔法との解釈が成り立つのでーす。
1-8)7
|子燕の顔より大き口開けて 焼津市・みずほ句会(4-28)
|燕の子顔より大きく口開くる みんな元気ねハイ順番
*コツバメ‥チョウ目・シジミチョウ科に属するチョウの一種。
‥ということらしいので、「燕の子」とした季語で確立しているようです。
つまり、子燕ではアウトでーす。(きびしいっー)
‥あと、「大きく」としっかり綴りませう
多き(おおき)との日本語があるんですから、声に出して読んで見ればわかると思いますが
そりゃ意味不明っすよ。(それとも‥打ちミスか?誤変換か?)
> 燕の子が顔より口きな口を開けては、親はどの子かを判断できているのだろうか?
> 否、そうではない、よくよく考えてみると均等に成長しているかを見ているのだろう‥
> そうに違いない、きっとそうだ!
> だって、鷹のように二匹目三匹目が一匹目に蹴落とされて育たないのは、親が手を抜くからだ
> 燕の夫婦は、そろって手を抜いていないのだ、(スゲーなぁおいっ)
‥ということで
格差に育てる競争社会を「タカ型」
均等に育てる農耕育成を「ツバメ型」と呼ぶようにしませう。
じゃ、今時の糖度を高める為の果物の間引き栽培は、タカ型だね。
さらにその上を行く、トマトを飢えさせて糖度を高めさせる栽培方法は、自民党型だね。
(みんなでそれらを「おいしい」とか言ってりゃ世話ねぇよな)
> ‥じゃ共産党は
> 「つばめの親党(しんとう)」にでも、改称すりゃ良いんじゃねぇの。
ところが、今や都会辺りでは、ツバメの巣が鬱陶しく思われているのだという。
邪魔だから駆除の対象なんだとさ。(まさに鏡似性だよ)
‥どうにもキチガイが蔓延していると云うことだな
‥さすが、絶対資本体制のどうしようもなさ
1-8)8
|収穫後りんごの木々は裸木に 掛川市・南郷桔梗句会(4-28)
|もぐ程にまぶた閉じぬる赤りんご 並ぶる籠に艶々として
‥ネタの着目はあまり見られないので、新鮮にも見えましたが
「別に林檎で無くても良いのでは?」‥と思えば、そこが物足りないかなと。
そこで、どことなく童話の「白雪姫」連想で手直ししてみました。
> もいだ林檎を大事に大事に籠に収めるのは
> まさに赤ん坊を寝かしつけるのに似ている
> 寝かしつけた林檎の様子を見れば見るほどに、赤子の肌のように艶々としているなぁ
> (赤いほっぺが一杯にあるようでまじかわいい)
> うた詠み終わります、ありがとうございました。
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