2017年06月29日

【勝手句帳】120 29-6-27 其の1静岡新聞掲載分から

↓6)向宜詠吟.2017/06/29

原爆を語る翁の日焼顔         富士市・富士かりがね句会


 ‥ネタの「翁」が誰かは定かにありませんが
 ふと浮かんだのが、谷口稜曄(すみてる)さんでーす。

 そう思うと、着目のあまあまが目についてしまい
 「日焼顔」の放り込みとて、付け焼き刃の戯れ言に見えてきちまいまーす。

 ‥ということで、一句。


|原爆を背中に焦がし夏の痕 非核を叫ぶこれほどの怒号


 *原爆の背中で画像検索



1-6)1

|民意など忖度しないロバの耳       選者吟


 ‥「ロバの耳」は王様を指しての風刺ですが
 ‥どうにも外している感が痛いかなと

 もはやそれの事象の本質は、他人事ではありませんので
 童話ユーモアに茶化しても、琴線に触れはしないでせう。


|民意ほど忖度しない議会制 「スポンサー第一」負の事情


 ‥「民意」とは、とどのつまり負け組側の総意
 ‥勝ち組が我慢することなく勝ち組の為の政治こそが資本世界の本懐(スポンサー第一)
 ‥資本の言い分を肯定する限り、置き去りにされるを了解するも又負け組の無念

 (だって)

 ‥どいつもこいつもネームバリューだし
 有り難いにしても‥つまり勝ち組と酌めるって事だからな。
 勝ち組を礎にして、基盤を固めるのは、暮らしの必要としての当然の流れだしな。

 (人権理想などそこには無いのだよ、諸君)
 (そこにあったのは、力こそ人権たる愚の拝金姿勢だよ)ばーか、ば−か、矛盾ばーか。


 ‥「票」より「カネ」の仕組みに置かれてんだから
 ユーザー支持より本意の口糊って事よっ(稼ぎより大きく逸脱して、世話になってりゃそうなるわな)
 本意の口糊に感謝するのが第一で、他人事に切って捨てられないのが「忖度」の意でもありまーす。


> 川柳だからって、調子こいて批判すりゃ良いって次第に無いのが「忖度」の扱いでーす。
> 事の本質に目を向けさせるのも、川柳の醍醐味でーす。(童話のノリじゃぁ無理)



1-6)2

|青田風遺跡に作る古代米         富士市・富士かりがね句会


 ‥ネタの「青田風」の着目のスジは好いのですが
 時代をたたみ込んで折り重ねて眺めれば、もっと良かったかなと。


|青田風弥生の跡から籾ぞ出で 馳せるロマンは先祖の暮らし


> ‥ここがその弥生の籾が出土したという遺跡か‥
> さぞや今時期でいえば、その昔のここには、青田風が広がっているって趣か
> 先祖の暮らしに思いを重ねるってのは、実に感慨深いな


 ‥それにしたって
 その弥生の革新がなんだったかというと、縄文の駆逐だったわけです。
 そこにあったのも、使役目的って事ですから。

 (コメは兵を集める為の道具もとい兵器。年貢で搾っておけば嫌でも感心を向けざるを得ない)
 (便利は注目を集める為の知恵もとい殺意。中途にやらかすほどに当てはまってきまーす)


|文明は吐く「血を除く戦をロマン」と「汗する暮らしを地味」と
|無責任は説く「規制解除は善かれ保護政策は悪しかれ」と
|ロマンとは弱肉強食血のにおい狂える野生の欲のまま


 ‥「ロマン」=「妄想半分」=「本気度中途の無責任の気配」=「おつむお花畑」
 ‥近頃そうにしか思えてきませんが
 ‥必要があれば、人格だって分離し出すように思われます

 ‥分離させねばならないほどに構えていないのは
 過渡期だからかも知れないし、周りのこちらへの認知が低いからかも知れないし、
 「だから斯くあるべし」とした‥性急さに無い性格だからかも知れません。




|薄味の暮らし引き算リズミカル      森町問詰


 ‥ネタは、前向きに考えるあまり
 ギリギリの暮らしだろうと楽しんでいるような整いということなんだと思いますが
 「暮らし引き算リズミカル」って、どうしたって支配側のニヤついた顔が浮かび上がるのでーす。


|薄味の暮らし引き算リズミカル シロアリ囓れる庶民の財


> 下の暮らしぶりなんて、薄味で十分だろうが
> 上手に引き算してやって、その分、俺ら上の暮らしの方をリズミカルにすべきだよな
> そうそう、シロアリとか罵られたって屁でもねぇし
> もっともっと、下の汗を啜り取ってやるよ‥もっともっとだ(スポンサー注文だし)


 ‥勝ち組の勝ち組なんて所詮は斯様に驕った連中でーす
 確率で考えても、相当な悪党か、強かな善人。(その時点で警戒すべき度50%でーす)
 「そいつ等の兵隊」でもある意味としてのシロアリのレッテル呼びでもあるのでーす。

 (どっちにしても、身を守る為の保守組織(スパイ)が欠かせません)

 ‥もとい、勝ちを維持していく為の裏技・結束・インチキ劇場が欠かせないと言うことです
 で、聡くも、勝ち組同士で酌むのが流れと言うことです。

 (才能があれば輪に入れてあげるようにも聞こえますが、そうに無いのが其の本質です)


> 一人はみんなの為に心臓をささげ
> みんなは一人の為に心臓をささげる
> ただし、リスクと責任はよそ者に押し付けろ


 ‥そういう世界が、上に行くにしたがって、もたげ来るのでーす
 そらぁもう‥勝つ為&生き残る為&おいしい思いを味合う為の‥執念の巣窟なんすよ。
 欲しいものは手に入れる。傘下を求める。看板にする。
 才能にも目を付けられたが最後、中立なんて有り得ません。(とことんライバル視→逆恨み)



1-6)3

葉桜のアーチの先に抜ける空       静岡市・いきいき俳句の会


 ‥「葉桜のアーチ」そう来たか(ものは言いようだな)

 「抜ける空」がまた言いようで、確かに「空」しかねぇよ
 その空がまぶしい以外に、他を期待しても野暮なだけだ‥


 ‥ケチの付けようが無いぐらいに整ってやがる(平凡だけどな)
 ‥で、どうすんだよ?
 ‥このまま引っぱるしかねぇってか(やけくそだな)


|葉桜のアーチの先に抜ける空 なぜに青春はとどまらね


> ああ、葉桜のアーチの先には、ここの緑よりも価値が在るかのように青空が広がっている
> どうしてか‥その先へと行ってみたくなるのだ‥でも「ちょっと待て」
> 青空に在るのはただの広がりで、空気も薄く冷たいだけの無常地帯だ
> そんな過酷な環境に憧れるよりは
> ずっとこのままの葉桜その他色々としてある暮らし向きの方がずっと気が利いている
> どうしていつも、若さに借られた勢いは、
> 今在るよろこびを貶めてまで、あんな見た目だけの無常地帯を目指すのだろうか?
> (どうにも、飛んで火に入る夏の虫だよ)


 ‥まぁなんだ、かなり性格丸出し気味の一句に仕上がりましたとさ
 ‥高校生ぐらいから、斯様にうがったものの見方ができていると、注目に値すると
 ‥でも、オッサンは、そこまでのレベルにはありませんでした(痛ァアアア)



1-6)4

|人生は逢って別れて蟻の道        静岡市・いきいき俳句の会


 ‥ほへほへ、なぜか雲を思い浮かべてしまうのだが(な〜ぜ〜)
 ‥ググってみたら、一茶だっだよ(ほう、なるほど)

 それにしても「蟻の道」の印象が、随分と前向きに感じられる盛りですな。
 普通、「およげたいやきくん」ばりの盛りになるように思うのですが‥
 (蟻の列には並びたくねぇって感じに)

 ‥そんなわけで、季語としての「蟻」には
 個人的には注目もしないんすけどね(見方次第だったと)


|人生は逢って別れて蟻の道 日々の行きずり頼みにしつつ


> 人生とは蟻の道‥もとい、旅そのものだよ
> 持って行ける荷なんて高が知れている
> だからこそ出会いが欠かせない‥お互いの不足をそうして補うのだ
> 欲を掻いて、出会いを持ち歩こうとしてもそれも無理
> 縁が在れば、また逢うこともあるだろうさ
> だからこそ、お互いに機転を利かせた思いやりなり善意が頼みと言うことだ





|蟻の道雲の峰よりつづきけん       一茶


|蟻の道 雲の峰よりつづきけん 人ひと日との列なす夢路


> 人の世の暮らしの先には、極楽とも地獄とも死後の世界があると言う
> それって、蟻の道が、雲の峰にまで続いてるようなものなんだろうなぁ
> (ならば尚更に、人々が日々思う願いがそのままに続いていたらどんなに好いだろう)



1-6)5

神牛の全身擦る春の昼          湖西市・川柳今切れ


 ‥種牛を気取って「神牛」とでも、盛ってるのかと思いきや
 ググったら、全然違ってた。OTL

 「神牛」=「菅原道真絡みの謂われのある使い牛を象った像」

 ‥そのカラダを擦ると、擦った部位の病が治まり
 ‥そのアタマを擦ると、賢くなる(とかどうとか)


> はぁ☆、飼ってる牛の世話を甲斐甲斐しくも自慢げに詠んだんじゃねぇのかよ‥(紛らわしい)


|神牛の全身擦る春の昼 患い煩い飛んで行け


> いぁもう、病なんて奴は概ね縁だよ
> 良縁もあれば悪縁もある‥だからさせめて悪縁を絶ち切っていただこうってわけさ
> 科学万能と言っても、クソ医者もまじってるのが人の世だからね
> こうなると迷信だろうと何だろうと、神牛の全身に触れておけってもんだよ
> ‥神様が見ているなら尚更だろう
> むっつりして愛想の無いのより
> おバカに見えたってヨイショしてくれる方がかわいいに決まってる(たぶん)
> ‥擦ってこすって「患い煩い飛んで行け」てなもんでしょ



なる様にならぬ時計のねじを巻く     磐田市住吉町


 ‥この時計は、相当にくたびれているようです
 ということは、普段使っていないのに、使うことになったのか
 それとも、しまってあったのを見つけて、使えないかと奮闘している所でしょうかね??

 そんな人間関係ってのがありましたな。

 それを「腐れ縁」などと昔から言っとりますが、要らんところで顔を覗かせるもののようです。
 ‥川柳ですからね、解釈もそういう風にすると面白さも倍増すると。


|なる様にならぬ時計のねじを巻く 腐れ縁ほどめぐり来る針


> ‥もうダメだ、人生行き詰まっちまったぜ
> ‥こうなると昔のツテを頼ってみるしかない
> ‥ということで、昔のツテを掘り返していたら
> ‥事もあろうか、手癖の悪い奴とまさかの鉢合わせになっちまった
> ‥選択の余地が無い時ほどこうなるよな(あいつとは針を合わせたくなかったのに)



1-6)6

|クロネコのエサ代足らずする値上げ    静岡市葵区相生町


 ‥このネタは、佳作に選んだ選者まとめて「喝ッ」ですな

 「エサ代」とは、何ですか?
 誰を指してそれを盛ろうって言うのですか?(人権侵害発言甚だしい)


> テメエがそんな程度じゃ、川柳なんか辞めておけ、帰って寝てろ。
> 言葉をおもしろく盛ろうとする前に、正しく使えや。(それが如何に険しいか)


|クロネコのやり甲斐見合わぬ値上げだし 流れとしての未払い騒動


> クロネコが値上げするらしいね
> 結果的に、クロネコの値上げの言い分が「やり甲斐の見直し」だって事で
> 残業分の未払い騒動が取り沙汰されたわけか‥
> どうにも、値上げの理由に説得力を持たせる為の段取り的な暴露だったように見えてくるよね
> ‥にしても、アマゾンへの不満をも上手にダシに使ってるよな
> それで配送量が落ちても、忙しさの緩和になれば従業員的にもラッキーということか
> (とはいえ、値上げした後にどうなるかまでは、誰にもわからないと)




> うた詠み終わります、ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 21:50 | Comment(0) | 名句にポン/2017前半 | 更新情報をチェックする
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