2017年07月04日

【勝手句帳】124 29-7-4 静岡新聞掲載分から

↓6)向宜詠吟.2017/07/04

|ストレス脳の酸素を持ってかれ    富士宮市・川柳芙蓉会

|ストレス脳の酸素を持ち出され 予定が変わる午後三時すぎ


> え、そんなに大幅にプロセスを変更するんですか?
> それじゃ始めからプログラムの作り直しじゃないですかッ
> しょうがないだろう、先方からの要望なんだから
> で、納期と料金の方はどうなるんですか?
> 決まってんだろう、だからこれから交渉すんだよ今時間もらって話してんだよ
> え、それって踏み倒されかねないって意味っすよね‥
> ‥ばか、大きな声で言うな、聞かれるだろうが
> ‥ということなんで、みんなにはうまいこと言っといてくれ(ガチャ)



1-6)1

寒暖の差に追い付かぬ老いの日々    富士宮市・川柳芙蓉会

|寒暖の差があるほどにうま味濃し ならば善かれと押し付けており


> ‥ということでプログラムの一から作り直しになりました
> あのうそれって納期が延期されたって事っすよね?
> その間の給料ちゃんと出るんすよね?
> ・・・・
> どうなんですか?、ちゃんと答えてくださーい
> (現在交渉中で、結果は社長が帰ってきてからです)
> え、良く聞こえません、もっとボリューム上げて言ってくださーい
> いや、まぁ、なんとかなるんじゃないかな
> 野菜も寒暖の差が大きい方が、うま味も増して濃くなるって言うし
> 頑張ったことは無駄にはならないと思うよ‥‥




|言い過ぎの言葉その場をそっと抜け   富士宮市・川柳芙蓉会

|言いすぎの言葉に押され去られをり 厳しさ選ぶのオメエでなしと


> ‥で、結局残ったのが自宅から通えている組だけか
> ええ、まぁ、そういう事になるみたいですね
> (やべ‥大丈夫とか言い過ぎちゃったかなぁ‥もっと具体的に言って話し合うべきだったかも)
> (唯頑張れの一点張りもな‥単に俺がこのままこの会社を維持したいだけの保守だからな)
> (見透かされてたか‥というか、もう一度同じサイが振られたらアウトだな)



1-6)2

意地張ったひとり相撲が空しすぎ    富士宮市・川柳芙蓉会

|意地共にひとり相撲で時すごし 大きな買い物買いそびれ


> ああ、あの時、私もあの会社見限っておけばよかったかも
> 結局あのあと、二度三度と変更を押し付けられて、というか‥
> その仕事しかない人脈の小さな会社‥何を意地張って付き合っちゃったんだろう‥
> お陰で貯金どころでなく、人生ぐしゃぐしゃで‥すっかりお一人様ですよぉ‥最悪‥
> 今から振り返っても、プログラムの世界なんて、どこかで勝手にブレイクスルーが起こって
> うちら下の頑張りなんて、一陣の砂の如しだぉぉ
> 始めから知ってたら、絶対に違う選択してたはず‥(ブーブー)




|紫陽花に遠き日の母笑ひたり      焼津市・みずほ句会

|紫陽花に遠き日の母笑ひたり アルバムめくり一枚が問ふ


> ‥母が急に他界してどれぐらいが経つだろう
> 荷物の整理がてら見つけたアルバムをめくっている内に一枚の写真に目が留まった
> それは、母が紫陽花と共に笑っている写真だ
> そのほほ笑みはまるで、今の私に「笑顔を忘れなさんな」と問い掛けているように思えた



1-6)3

|翻るものみな光る初夏の風       焼津市・みずほ句会

|翻るものみな照らす初夏の風 若々しさよ天つ夢得よ


 *翻る(ひるがえる)

> 空を游(およ)ぐすべての鯉のぼりが
> 初夏の陽ざしと風に息吹かれて翻っておる
> その空に天つ夢を抱き、若さみなぎらせておる諸々よ、それが夢に邁進するが良かろうぞ




|釣り竿に総身光となりし鮎       焼津市・みずほ句会

|釣り竿に総身ぞ光る鮎寄せて タモに収めつ思う塩焼き


 *総身(そうみ)、タモ(たも網)

> へへへ、来た来た来た
> この身の輝き、活きが好いねぇ
> ようし、ガンガン釣って今日はうめえ鮎の塩焼きで一杯やるぞッ



1-6)4

|木洩れ陽や瀬音とともに輝けり     焼津市・みずほ句会

|揺りかごや瀬音に飛び込む夏の子ら 大好きアタック抱かれをり


> おうおうおう、飛び込んどる飛び込んどる瀬音が盛んやのう
> 夏に子供はそのぐらい元気でないとのう
> ふるさとの川がこうしてあるんだからの、大好きアタックの一つも決めんのでは
> 胸を貸し合う阿吽からして学べん
> (揺りかごに抱かれておるような今の内だけやぞ、存分に飛び込んどけや)




|海光に風音澄めり貝風鈴        焼津市・みずほ句会

|貝風鈴澄める音から潮の風 思い出起こせ駆けし砂浜


> 貝風鈴の澄んだ響きはまさに潮の風の如しやっ
> なんて言ったらロマンチックかな
> ああ、思い出すなあの時の砂浜
> (まぁその為に奮発して、今ここにあるわけだけどさ)



1-6)5

|眼医者出づ瞳に一矢新樹光       焼津市・みずほ句会

|眼医者出で瞳射し来る新樹光 一つ一つの蘇り


 *新樹光(しんじゅこう)、蘇る(よりがえる)

> はい、それでは眼帯を外しますよ
> どうですか?光を感じられますか?
> それではゆっくりと目を開けてみてください
> ・・・・・・・・
> 「うおぉぉスゲーェ、先生の背後で新樹光が輝いてるwwwッ」
> え???
> やだな先生、喩えっすよたとえ
> 先生だって、いつも同じ台詞ばかり患者から聞いてもおもしろくないだろうと思いましてね




|ほうたるやの顔が浮き沈み      静岡市・わらしな渓流句会

|蛍舞ひ家族の顔の浮き沈む 斯くあるべしや走馬燈の狭間


 *斯くあるべし(かくあるべし)、走馬燈(そうまとう)、狭間(さま)

> いゃ、昨日さ家族と蛍を見に行ったのよ
> そしたらさ、真っ暗の所に蛍が寄ったり離れたりすると
> 家族の顔が、ほんと、ぼやって浮かんだり消えたりするのよ
> 死んだら見る走馬燈ってのもそんな感じなのかなあってさ
> 思ったらさ、どうせ最後に目にすることになるんだったら、笑顔が好いなって
> 思っちゃったのよ、ねぇっ、わかる?わかる?‥ううううぐっすん‥
> (なんだよ‥やけに気前よく驕ってくれるって付いてきてみれば、泣き上戸かよ)
> (まぁ確かに、こればっかりは家族の前で、もといシラフでも言えんわなぁ‥)



1-6)6

|黎明の光差し込む夏木立        焼津市・みずほ句会

|黎明の光遮る夏木立 厚かましきは一党独善


 *黎明(れいめい)、遮る(さえぎる)

> スピリチュアルの世界じゃ、もうすぐ、もうすぐってうるさいけど
> 地球の黎明もとい日本の夜明なんて気配もねぇじゃん
> それどころかどうよ、今や日本が戦争を請け負いかねない勢いじゃん
> 今年の夏にそんな気配の夏木立が一本立っちまったってことで
> どうにも厚かましいよね、あの法律、あの一党独善っ




> うた詠み終わります、ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 21:06 | Comment(0) | 名句にポン/2017後半 | 更新情報をチェックする
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