↓5)向宜詠吟.2017/07/12
|聲はもうとどかず振れり夏帽子 沼津市・七草句会
|聲はもうとどかず振れり夏帽子 永久の別れを神風などと
*永遠(とわ)
> ‥これでもう‥これが今生の別れ‥
> そう思うといたたまれなく特別攻撃隊が見えなくなっても、空に向かって
> 夏ざれの陽ざしの中、帽子を振っていました
> (もうこれで、あいつらとは二度と会えなくなるというのに‥なにが神風かッ)
1-5)1
|紫陽花や嘘一つだけ閉じ込めて 焼津市・千草句会
|紫陽花や嘘一つだけ閉じ込めて 甚だ散るか零戦もろとも
> 俺は今、一つだけ嘘を付いて零戦の機上に居る
> 「俺だってまだまだ生きたかった」
> 一つ一つ毬を切り取ってすべて挿してしまったら、紫陽花は茎しか残らない
> それでも来年になれば見事に復活するように、だから紫の陽と書くのだろう
> ‥だから、そんな日本だろうと生まれ変われなかったら‥それこそ帳尻が合わないのだ‥
> (たとえ敵艦船を沈められずとも、魂まで滅んでたまるかッ)
1-5)2
|紫陽花の精ゆらぎ立つ朝の雨 焼津市・千草句会
|梅雨闇や生ゆらぎ絶つ志願しか 紫陽花果てど尚衛りたく
> ‥特攻の噂が広まり、もはや常用の作戦と化して
> 日々兵舎のハンモックの中で思いあぐねてきた、それが今日決定的になった‥
> ‥今更どうしようもあるまい‥たしかに俺は志願に○をしたのだ‥
> もともと命の保証のない戦闘を受け入れてここに居る
> それが少し限定的になっただけのことだ、俺たちが死ぬことでどうにかなるなら
> 誰も拒否などするまい‥でもどうしてだ、こんなにも静まりかえった夜の闇は‥
> (外で降り出した梅雨時の雨が、より一層俺たちを闇に追いやらんばかりだ)
> (もはや俺たちの命は、生けられることもなくそのまま海に捨てるだけの紫陽花だ)
|幸せも平和も見ずに還ります。ありがとうございました‥お父‥お母‥
|海原に紫陽花投げて祖国あり 死んで靖国よりも母の顔
|神風を砂利の如く舗装する 格差社会からの黙祷なんぞ
1-5)3
|軒下を五月雨が打つアンダンテ 沼津市・七草句会
|梅雨時の降りだしてきてアンダンテ コンビニ寄りゃフォルテッシモ
*アンダンテ‥歩くようなテンポで。
*フォルテッシモ‥極めて強く。
> なんだかまた降ってきたぞ、でも、まだ余裕がありそうだな
> さっきから同じパターンだし、コンビニ寄って立ち読みでもしていくかっ
> ・・・何だよ、いきなりのこの土砂降りは・・・
> (間一髪だったとは云え、どうすんだよこの雨)
1-5)4
|若き父赤子を抱え夕涼み 沼津市・七草句会
|若き父わたしを抱え夕涼み 写真が語るまあ子煩悩
> 写真で見る父の子煩悩は、今じゃすっかり懐かしい思い出である
1-5)5
|快よき音を浜辺のかき氷 焼津市・千草句会
|二人きりで‥「あーん」浜辺のかき氷 リア充ワロス貸し切られ
> 知り合いに頼まれて、海の家の方を休んで来てみればなんだよこれ‥
> 富豪のプライベートビーチで、イチャイチャしたあんな坊ちゃんと嬢ちゃんの為に
> この俺がかき氷を盛るのが仕事とは‥ワロス(実入りも破格っすから)
> セット全部あちら持ちで、なにやら撮影部隊も居るようだし
> 「なんで俺なの??」リア充は謎だらけだな‥
> うた詠み終わります、ありがとうございました。
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