↓6)向宜詠吟.2017/07/29
|黒南風や吹奏楽部音合わせ 島田市中河町
<評>「黒南風(くろはえ)」は、梅雨どきの南風のため、天が暗くなるのをいう。
そんな中で、吹奏楽部の面々が、演奏前の「音合わせ」をしているのである。
「黒南風」という季語がよく利いている。
これに対し、梅雨明け後の南風は天が明るくなるので、白南風(しろはえ)という。by選者
|黒南風や吹奏楽部音合わせ 今は未熟を乗り越えたれと
> ‥この頃、先生の指導がなんだか急に厳しくなって
> 今、私たちの吹奏楽部では、部員同士の呼吸に不協和音が雑じってしまってます
> (未熟なんだから、音合わせすれば下手な音も混じりますけどね)
> 頑張りの歩調が合わないのではダメということなんだと思います
*↑舞台の京都では、黒南風なる言葉は使わないと思う。
|風鈴売りのリヤカー揺れて陽を弾く昭和の音の蘇りくる 浜松市中区元魚町
|リヤカーに鈴なる風鈴 日を弾く 昭和の余韻 響き交ふ風
> めずらしく風鈴売りを見かけた
> リヤカーに鈴なりに飾られた風鈴が、道端で日を弾いていた
> ‥ああ、なんと懐かしい‥
> 昭和の頃を思い出させる一陣の風に、しばし聴き入っていたよ
1-6)1
|髪切りて夏の風のなほ心地よく 静岡市・河内野静岡句会
|髪落とし風涼しくもなほ重く 同行二人の一歩たらむや
*同行二人(どうぎょうににん)
> 四国お遍路を決めたからには、まずは
> 同行二人として恥ずかしくないようにと、真似事で、髪を落として見たものの
> 頭ばかりが涼しくなっただけで、心の方はさっぱりのままでした
> ‥それでも、人生の問いに答えを求めるべくしての一歩に違いは無いと思いました
|片蔭も無き国道をひた歩く 静岡市・河内野静岡句会
|海沿いの片蔭も無くひた歩く 潮風吹けど札所ぞ遠し
> ‥だぁ‥これほどとは‥
> 行けども行けども波打ち際だし
> ゆく道に日陰が見当たらなくなって随分と来てるはずだけど
> まったく次の札所(ふだしょ)が見えてこない
> せめてもの凌ぎの潮風にしても、当たり続けてばかりだと疲労を誘うしな
> (こんなんで八十八箇所回れるんだろうか)
1-6)2
|常用の辞書は昼寝の夢も引く 静岡市葵区安東
<評>人生、常に傍に在った常用の辞書。
結局、夢も世界もその内容、項目から抜け出せない人生の悲哀。by選者
|辞書の意が棺の夢までつきまとう 衆に寄り添う摂理かな
> 人の学ぶことは、生き通しで、概ね辞書の意に縛られている
> かと思いきや、大衆の方が一度に方向転換してしまうと、途端に以前の意味では通用しなくなる
> 辞書とは云え、そこまでの絶対力は無い
> どちらかというと、大衆に寄り添うことこそが、字引としての本懐なのだ
‥否否、歴史の事実に寄り添うこともまた忘れては成らないとした立場もあろう
‥すべてを覚えられないからと言いだして、今だけのことがわかれば良いというわけでもない
‥たとえ見かけなくなったとしても、過去を失っているようでは
‥大衆の誰もに求められる普遍とした摂理には、遠く及ぶまい
|経典が棺の夢までつきまとう 悟れておらぬ証やと‥
> 夢の中でも経典(きょうてん・けいてん)に読み更けてまして
> 自分はもうすべてを覚えてしまっているんだと、上機嫌だったのですが
> 何やら自分の姿が白装束でして、死んだ後の姿だった様でした‥
> 夢から覚めてその意味を吟味してみましたら、もしかしたらと愕然としてしまったのです
> 死んだ先にも経典が必要な様というのも‥悟れて無いから‥
> 死んだ後にも経典が欠かせないなんて、供養されたい口の内という事でしょう
> (素直にそう思わざるを得ませんでした)
> ‥そう思った途端に、学んだことを何かに生かしてこそだなぁと思ったのです‥
|引力がオギャーと共につきまとう ぐるぐる思考の人生観
> 思えば、私たちの一生の思考とは
> 生まれてからずっと、何らかの引力に引き寄せられたまま
> 同じ所を堂々巡りしているだけのように思えてなりません
> その証拠に、馬鹿の一つ覚えにも欲しいものが同じままなのです
> また、欲しいものが無い状態を維持したとしても、それも又ドングリの背比べということです
> ‥潮の流れを見て‥
> その都度の必要を判断できてこそが、唯一のぐるぐる思考からの離脱のように思うも
> それの塩梅とするペースもまた、何らかの引力の枠の内のように思えてならないのです
|もてなしがオギャーの傍からドヤ顔で 骨抜き人生始まりぬ
> ‥産まれたからには、責任を持って育てるのが親に成るという事だが
> もてなし尽くしにも、箱入りで育ててしまっては
> 当人‥それが当たり前だと思い込むばかりで
> 自立志向に育たないのが、その手の世間の相場なのに
> みんなで、箱入りが出来る豊かさにドヤ顔なんだから、困ったもんさ
‥子らの自立心を骨向きにしちまうから、自分たちの未来も骨向きだって事なんだぜ
‥ほどほどで良いんだって塩梅を聞いた試しがねぇし
‥てゆうか、「ドヤ顔したい症候群」からして見直さねえとなぁ
|バイブルが懺悔をススメつきまとう 諸悪の押し売りこれにあり
> キリスト教ほどキチガイを内包した宗教もねぇ
> だってそうだろう、「懺悔」って何だよッ??
> 神に懺悔はしても、民に謝罪しねぇのが西洋のエリート文化だからな
> 「したいことをして善い」としか知らないし、で、失敗を悔いに思うも‥謝罪が無いと‥
> だから、結果的に諸悪の押し売りにしかなっちゃいねぇ
‥1に押し売りの発見、2に押し売りの失敗、3、4が無くて、5に迷惑の放置だッ
‥これこそがキリスト教文化圏マインドのどうしようも無さだぜ
‥その証拠に、暮らしに対する改善(kaizen)なる概念も
‥勿体ない(mottainai)も無かったんだからな
|バイブルが黄泉でも懺悔欠かさずと 死んでも肩の荷降ろさせじ
> ‥もっと言わせてもらうとだな‥
> 死んだ先でも懺悔の様相にあるのがキリスト教よ
> 天国と地獄、チャンスは一度切り(転生不許可)
> で、地獄に落ちようなら、永劫の懺悔を乞いなさいと言わんばかりさ
> と、その前に、信者以外には、天国の扉が無いのが前提だ
> (その上で、天国に行けるかどうかの確信を誰も持っちゃいねぇ)
> (確信持ててねぇから、懺悔にもハマると‥反省とはまったくの別物‥)
‥随分とした理不尽と不公平に大まじめなんだから、キチガイも甚だしい
‥神を懼れすぎ、絶対視しすぎ(神は法の外にあると思ってやがる)
「普遍的真理(法)がすべてで、神こそ唯一の法であるのなら、神でさえ法の内である」
‥自分で決めたお言葉に例外を持ち込めるのが、全知全能だと思ってやがる
‥自分に例外を認めるなら、すべてにも等しく例外の適応がされてこそ法としての普遍である
‥そうで無き法が、普遍的真理にあるわけがねぇ(宇宙として崩壊を招くレベルだ)
‥よって、全知全能と普遍的真理とは噛み合わない
(どちらかというと、全知全能とは、権威のお上の意にあるだけなのだ)
1-6)3
|AIも記憶に無いと言い出すか 浜松市中野区野口町
|AIが記憶に無いと言い出せば アクセス権限疑うのみ
> 「記憶にございません」の連発に、政治への不信感が募らないわけが無い
> ‥それをAIが言いだしたとしたら‥
> 技術者の誰もが、アクセス権限の書き換えを疑うだろう
> つまり、組織の綻びがまったく見られないなどという事は無いのだから
> どうして、管理不十分だったかが問われているのだ
> そこを棚に上げて開き直っているのが、「記憶にございません」だよ
‥早い話が、自身の能力不足の露呈の確認を告白したに変わりはない
任命責任の国民主権としては、即辞任を迫りたいわけだが、迫れるのは選挙のし直しまでで
辞任を強要するまでの扱いには無い(残念)
|風呂掃除心の隅もカビキラー 浜松市浜北区内野台
|風呂掃除心の隅にもカビキラー 剥がしておきたい黒歴史
> 人には誰にも、黒歴史というのがある
> 自分にとっての秘しておきたい中身(恥)という奴である
> 風呂掃除を始めると気になるのが、黒カビで
> カビキラーで程度剥がせるなら
> 自分の黒歴史もそれなりに剥がせたらどんなにスッキリするだろう
1-6)4
|朝な朝な虚ろな瞳に誰を待つ老いたる背に春の雨降る 静岡市清水区元城町
|朝な朝 虚ろな瞳でたれぞ待つ 雨打つ暮らし老いたる背では
> 老いてカラダの自由が覚束なくなると
> 朝が来る度に思うものだよ‥「若さが欲しい」と
> どれだけの若返りが出来るかに一喜一憂しようにも
> 僅かばかりの年金暮らしでは、とてもとても、気分も萎えて背が丸まるばかりさね
|飴と鞭色選びする選挙戦 牧之原市細江
|飴と鞭 カオ選びする投票日 民を貧するホシばかりでは
> マニフェストが流行って、政治の側からの盛り上がりが見られた時期もあったけど
> 見せられた飴のたいていがなんちゃってだったからな
> ‥そんなんでどう選べば良いんだよ‥
> いつも同じメンツだし(どいつも嘘つきで)民を貧する犯人(ホシ)ばかりじゃなぁ
> (どう考えたって、張り合いにならんのが選挙の現実だ)
1-6)5
|境目がはっきりしない空と海あいまいな雨と我が子の心 静岡市駿河区小鹿
|境目がはっきりしない梅雨曇り 理解し難く吾が子の心
> 梅雨時の雲行きを推し量るのは難しい
> こと、吾が子の心の内になると尚更だ
> 時代が変わる度にそれが激しく過激になっているようで
> 益々以て、気が滅入る話に、ほとほと疲れを覚えるばかりだな
> (親の自分からして、世間の渦中で手一杯なのに)
|「人しれず微笑まん」とふ哀しみは雨に打たるるあじさいの花 下田市吉佐美
> どのアジサイもそうだが
> 人知れず咲いてるようなアジサイほど尚更で、ひっそりとしたままに
> ‥雨に打たれながらも、笑顔を絶やさずにある‥
> それが好いかどうかはさておき、人としての暮らしぶりとしては哀しいばかりさね
(自分がボロボロなのに、どうしてこの先もずっとお客の前での笑顔を頑張れるだろうか)
(はっきり言って、そんなの無理に決まってる)
1-6)6
|悪友の誘ひうれしや暑気払ひ 焼津市大村
|悪友の誘ひうれしや暑気払ひ 船酔ひしつつ一盛のイカ
> 悪友から連絡が来た
> 船上で一杯やらねぇかって話になった
> 暑気払いな話に小躍りしていたのだが、なんか船酔いしちまって
> (鈍っちまったかな)と思いつつも
> かっこわるいのは嫌だし、折角の暑気払いだし
> どうにか一匹のイカを自分で釣り上げて、坊主でなしに突っついたよ
> (まぁ、その頃には船酔いは収まったんだけど、今度は酒盛りで酔っちまったんだよね)
|血中のエイトビートや雲の峰 浜松市浜北区平口
|血中のエイトビートや雲の峰 絶倫誘わめバイアグラ
> 悪友の話を真に受けて、俺もついにバイアグラを試してみた
> 副作用の話もあったけど、一度ぐらいは試してみるかってその気になったんだよね
> ‥そしたら、あれだよ‥
> もう、バクバクのギンギンでさぁ、一句捻って見たくなっちゃったんだよね
> そしたら、大うけだったけど、ほどほどにしとけって女房に釘さされましたん‥(あれ?)
> うた詠み終わります、ありがとうございました。
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